このページの本文へ

【DMM GAMESプレイ日記】 第63回

テーブルトークRPGシリーズを原作にした本格ADV

予測不可能だからこそ面白い!行動で物語が分岐するオープンシナリオADV『ヴァンパイア:ザ・マスカレード スワンソング』を先行レビュー

2022年08月17日 18時00分更新

文● Zenon/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 DMM GAMESより2022年8月18日に発売される新作オープンシナリオアドベンチャー『ヴァンパイア:ザ・マスカレード スワンソング』(PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One)のプレイレビューをお届け。

 本作は米国のWhite Wolfが1991年に発表した、さまざまな言語に翻訳されたテーブルトークRPG(TRPG)シリーズ「ヴァンパイア:ザ・マスカレード(VTM)」を原作とする作品。

 プレイヤーは100年以上生きている3人のヴァンパイア(レイシャ、エメム、ガレブ)として行動し、ヴァンパイア組織“ボストン カマリリャ”の一員としてミッションを遂行することになる。

 本作の価格は、通常版が7920円(パッケージ/ダウンロード)、デジタルデラックスエディションは8800円だ。

 今回はPS5版を先行してプレイする機会を得られたので、序盤でわかるシステムやキャラクターの特徴などを紹介していこう。

・公式サイト
https://swansong.games.dmm.com/

3人のヴァンパイアそれぞれの視点で物語が進行

 ゲームを開始すると、エメムというヴァンパイアの女性を操作することになる。会話内容から、彼女たちはヴァンパイアであること、同胞が集って開いていたパーティーで事件が発生し、緊急招集されたこと、一緒にいる女性はパーティーの管理責任を問われる立場にいる(しかし事態は把握していない)ということなどがわかる。

ひどく怯えている連れの女性を、エメム(プレイヤー)は励まそうとする

 上記のような選択肢で行動するには、それに応じたスキルと「意志」が必要となる。意志はそのあともいくつかの会話で使うので、どの選択肢で「意志」を消費するのかをプレイヤーが見極める必要がある。

 意志と同じく、ヴァンパイアが備えている特殊能力「訓え(おしえ)」を使う場面も。訓えを使うと「飢え」が上昇し、空腹の限界に達すると理性を失う危険性がある。

 「意志」は会話で使うと減り、「訓え」を会話で使うと「飢え」が増える。画面左上に表示されたゲージで、自分の状態を適切に管理しよう。なお、意志は会話に成功すると少し回復する。

エメムの持つ訓えの1つ「威厳」。だが、ここではレベルが足りないので成功確率は0%となっている

 「飢え」は、ヴァンパイアらしく吸血をすることで減らせる。ただし、吸血し過ぎて相手を殺してしまうと周囲の疑惑を招いて不利な状況になるので気を付けよう。

基本的には人の目のない場所へ誘導し、死なない程度に吸血するのがベター。この世界のヴァンパイアは「人の世に溶け込む」ことを目指しているので、あくまでこっそり吸血することになる

 2人目のキャラクターはレイシャという女性。姿を消す能力を備えているため、隠密ミッションを遂行することになる。

エメムが友人を説得する際、エメム視点ではほかに誰もいなかったが、じつは後ろにレイシャが姿を消して話を聞いていた……

 また、レイシャは隠されたアイテムを識別する能力も備えている。飢えは増えるが、重要な物的証拠を見つけられるかもしれないので積極的に隠ぺいを見破っていきたいところ。

隠ぺいを見破った結果、隠された手紙をゲット。手紙の主がなにを考えているのか、裏切りの可能性はあるのかといったことを調べ、上司に報告することに

上司であるアイヴァーセン公子。ヴァンパイア組織“ボストン カマリリャ”のトップで、権謀術数が渦巻く政治の世界の住人だ

 3人目のキャラクターはガレブという男性。組織のなかでも非常に長く生きてきた古参らしく、貫禄のあるたたずまいで周囲からも一目置かれている様子。

ヴァンパイアとしての「子」であるベレルとの会話。関係性はあまり良好でない様子……?

ガレブは「訓え」の力でパニック状態の相手を落ち着かせることができた。事件現場における情報収集で非常に役立つ能力を備えている

緻密な設定描写

 本作では豊富なTipsが用意されており、それを読み込むことで物語への理解度がより深まるものとなっている。

 例えばメインキャラクター「ガレブ」の項目を開くと、彼の人生史とも呼べる記録が書かれていた。要約すると、王族の血を引くガレブは父王の評判が落ちて反乱が起きた際に外へと逃亡させられ、商人として知恵と影響力と富を手に入れる。その後、紆余曲折あってベレル(元は定命の人間)を「子」にしたが、ベレルはその力で増長し、暴走を始めたとのこと。その誤りを正すべく組織に身を置いているが、その対応策には公子から「お預け」を喰らい、彼自身もすでに限界に来ている……ということが書かれていた。

なかなかの長文になっているが、「ヴァンパイア:ザ・マスカレード(VTM)」はもともとTRPG。設定がきちんと考えられているのも納得だ

 そのほか「写本」という項目では専門用語の解説を読める。VTMの世界観に詳しい人は読む必要はないかもしれないが、知らない人は物語中で疑問に思ったら読んでみるといいだろう。

「マスカレード」の解説。中世の異端審問で多くの血族が殺されたため、人間たちに正体をバレないようにするというヴァンパイア社会における不文律のようなものとのこと

分岐する物語

 本作では作り込まれた緻密な設定や、3人の主人公による多視点型アドベンチャーであることに加え、プレイヤーが選択した行動によって物語が分岐していくところがおもしろいポイントだ。

 「意志」や「訓え」については前述したが、それをどこで使うかによって必要な情報が手に入っているかいないかが変わることになる。

 分岐するかどうかは、各シーンの最後に表示されるリザルト画面のようなもので確認可能。意志や訓えが足らずに調べきれなかったことは、2周目などで確認するといいだろう。

リザルト画面。エメムの場合、友人を公子のもとへ連れていくか、逃げるよう説得を持ち掛けるかで分岐する。自分は連れていく選択をしたが、説得するとどんな展開になるのかは気になるところ(でも説得するところをレイシャに見られると考えると、不幸な結果になりそう?)

 また、とくに分岐には発展しなくても、特殊なアイテムが手に入る謎解き要素も確認できた。部屋を隅々まで調べ尽くし、使えそうな情報は逐一スクリーンショットなどをして保存しておくとあとで見返しやすい。

ちょっとした謎解きをすると開けられる金庫の中身。使うと意志を回復できる消費アイテム「古いコイン」をゲットできた

特定のアルファベットと数字が対応していそうな様子がわかる暗号メモ。ここで得た情報は、どこかで使うことになるかもしれない

奥の深い知的なアドベンチャー

 ヴァンパイアたちの物語ということで基本的にはダークな世界観が展開する本作。人々の血を吸って吸血鬼の暴力をフル活用しながら無双するアクションゲームではなく、設定に基づいた事件や謎に対して人々との会話から糸口を探る知的なアドベンチャーゲームであることは注意しなくてはならない。

 こうした世界観や謎解きが好きな人には非常にオススメできる作品だ。物語が自分の選択で変化するという点も、没入性という意味ですごく深い作品に仕上がっていると感じる。人々からの信頼を得つつ、適時ヴァンパイアとしての能力を解放して有利に進める体験は、ほかでは得難いものだった。

 いっぽうで周囲を注視し続けるせいか、やや3D酔いしやすい作品であることも一筆添えておく。思わぬところに調べられるスポットがあったりするので、今回のプレイだけでもなかなかに神経を使った。

 血痕や首なし死体など、過激な表現が多数用いられている本作。異能を備えたヴァンパイアとなって、自分の信じる闇の物語を紡いでみてはいかがだろうか。

グラフィックは美麗のひと言。背景から机上の細かな道具にまでしっかりと手の入った、リアルな世界がプレイヤーを待っている

おまけ

DLCでもらえる別衣装は、設定の項目をオンにして適用(長押し)すると着用できる

通常Ver

別衣装Ver

また、デジタルDX版に付いてくるアイテムDLCでは、「飢え」を減少させる「処理済み血液の袋」などがもらえる

【ゲーム情報】

タイトル:ヴァンパイア:ザ・マスカレード スワンソング
ジャンル:オープンシナリオアドベンチャー
販売:DMM GAMES/NACON
開発:Big Bad Wolf
プラットフォーム:PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One
配信日:2022年8月18日
価格:
 通常版:7920円(パッケージ/ダウンロード)
 デジタルDX版:8800円(ダウンロードのみ)
プレイ人数:1人
CERO:Z(18歳以上対象)

©2022 Nacon. ©2022 Published by EXNOA LLC and developed by Big Bad Wolf. Paradox Interactive,Vampire: The Masquerade® Copyright© 2022 Paradox Interactive AB (publ) All rights reserved

カテゴリートップへ

この連載の記事