Core i9とRTXで最強化だ!

ASUSにしかない2画面ノートPCの最新モデル「Zenbook Pro 14 Duo OLED」実機レビュー

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED」はASUSが誇るデュアルディスプレー搭載ノートPCの最新モデルである。

 本機には、14.5インチ有機EL(2880×1800ドット)のメインディスプレーに加え、「ScreenPad Plus」と名付けられた12.7型TFTカラー液晶(2880×864ドット)のサブディスプレーをキーボード奥に搭載。このスタイルは、ほかにはないASUSの独壇場なので、実機でその魅力をお伝えしていこう。

ASUS「Zenbook Pro 14 Duo OLED」直販価格32万9800円~

「Core i9+RTX」か「Corei7のみ」か、どちらを選ぶか悩ましい

 「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED」には下記の2モデルが用意されている。

・「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED UX8402ZE」(直販価格39万9800円)
Core i9-12900H/RTX 3050 Ti/RAM32GB/SSD1TB

・「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED UX8402ZA」(直販価格32万9800円)
Core i7-12700H/dGPU非搭載/RAM16GB/SSD512GB

 OSは「Windows 11 Home 64bit」、CPUは「Core i9-12900H」(14コア[Pコア×6、Eコア×8]、20スレッド、最大5GHz、45W)または「Core i7-12700H」(14コア[Pコア×6、Eコア×8]、20スレッド、最大4.7GHz、45W)を採用。そして上位モデルのみディスクリートGPUとして「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU」が搭載されている。

 メモリー&ストレージは、上位モデルが32GB&1TB、下位モデルが16GB&512GB。メモリーにはLPDDR5-4800、ストレージにはPCIe Gen4 x4接続SSDと高速タイプが採用されている。土台もしっかりしているわけだ。

 これら以外のスペックは共通。メインディスプレーには14.5型OLED(2880×1800ドット、234ppi、16:10、550cd/m2、1,000,000:1、0.2ms、DCI-P3 100%、VESA DisplayHDR True Black 500認証、PANTONE認証、グレア)、サブディスプレーには12.7型TFTカラー液晶(2880×864ドット、237ppi、500cd/m2、DCI-P3 100%、ノングレア)を搭載。どちらもリフレッシュレートは120Hzで、ペン&タッチ対応だ。

 インターフェースはThunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、HDMI×1、microSDメモリーカードリーダー×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。またWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1をサポートしている。

 本体サイズは約323.5×224.7×17.9~19.6mm、重量は上位モデルが約1.75kg、下位モデルが約1.7kg。76Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は上位モデルが約5.1時間、下位モデルが約5.5時間とされている。

 上位と下位のスペックを比較してみると、やはり悩ましいのはGPUの選択。言うまでもなくディスクリートGPUの搭載、非搭載でプレイできるゲームのラインナップは大きく変わる。またGPU支援を受けられるクリエイティブ系アプリの処理速度も格段に変化する。3Dゲームをプレイしたいのなら、絶対的に上位モデルがオススメだ。

天面には新ロゴを配置。伝統のスピン加工は健在だ

本体底面。放熱口がゴム足で囲まれている。パームレストが存在しないのでロゴシールはすべて底面に貼られている

120HzのOLEDディスプレーは貴重な存在なのだ

キーボード奥に「ScreenPad Plus」と名付けられたサブディスプレーを搭載

本体背面にはHDMI×1、microSDメモリーカードリーダー×1、電源端子×1を用意

右側面にはThunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、左側面には3.5mmコンボジャック×1を配置

本体以外にACアダプター、電源ケーブル、専用スリーブ、ASUS Pen 2.0、スタンド、説明書類が同梱

セカンドディスプレーを活用するための
ユーザーインターフェースも着実に進化した

 セカンドディスプレー「ScreenPad Plus」の使い勝手は代を重ねるごとに着実に進化。前モデルで「Photoshop」、「Premiere」、「After Effects」用に「コントロールパネル」が用意されていたが、今回新たに「Illustrator」用を追加。クリエイティブアプリでの活用範囲がさらに広げられている。

これはIllustrator用のコントロールパネル。ダイヤルにより直感的に操作が可能だ

 メインディスプレーとセカンドディスプレーの連携性も向上している。セカンドディスプレーの各種機能を呼び出す「コントロールセンター」を左、右、下の好きな位置に配置できるようになったほか、ウインドーをべつのディスプレーに移動させる際に「Switcher」と「ViewMax」のショートカットメニューが表示され、どこの位置にどのサイズで表示させるか細かく指定可能だ。

 「ウィンドウフリック」により、ウインドーを指ではじくだけでディスプレー間を移動することが可能。少し慣れが必要だが、スマホ感覚の操作性は新鮮だ。

 筆者はDuoシリーズを購入したことがあるが、ASUSは「ScreenPad Plus」のユーザーインターフェースを地道に進歩させ続けてきていると感じた。洗練されたセカンドディスプレーの使い勝手は、旧Duoシリーズユーザーこそ驚きが大きいはずだ。

コントロールセンターは左、右、下の自由な位置に配置可能。使わないときに隠す設定も用意されている

ウインドーのタイトルバーをつかんで移動させると、どのディスプレーのどの位置に配置するかを選べるショートカットメニューが表示される

指ではじけばディスプレー間でウインドーを移動させられる「ウィンドウフリック」はスマホ、タブレットも開発しているASUSならではの発想だ

3Dゲームをプレイするなら
Core i9-12900H/RTX 3050 Ti搭載モデルを選びたい

 前述のとおり、「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED」には第12世代(Alder Lake)の「Core i9-12900H」または「Core i7-12700H」が搭載されている。

 これらハイパフォーマンスなCPUに、エアフローを最大38%改善した「ASUS Active Aerodynamic System Ultra(ASUS AAS Ultra)」、2つの高効率12Vファン、2本の8mmヒートパイプ、センサーで各種コンポーネントの温度を検出するスマートセンサーで構成された「ASUS IceCool Plusサーマルテクノロジー」が組み合わされており、ピークパワーを長時間維持できると謳われている。

メインディスプレーを開くと、セカンドディスプレーが12度の角度まで上昇する。その隙間から空気を取り込むことでエアフローを向上させている

 最後に恒例のベンチマークを実施するが、今回はCore i7-12700H/dGPU非搭載/RAM16GB/SSD512GBという構成の下位モデルでテストしている。それを踏まえてベンチマーク結果をご覧いただきたい。

 まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」は15619pts、「CINEBENCH R20」は6223pts、「CINEBENCH R15」は2449cbとなった。第11世代(Tiger Lake)の「Core i7-11800H」(8コア、16スレッド、最大4.6GHz、45W)を搭載する「ROG Zephyrus M16」が13951pts、5398pts、2203cbだったので、「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED」はその約1.12倍、約1.15倍、約1.11倍のパフォーマンスを発揮したことになる。

「CINEBENCH R23」のCPUは15619pts、R20は6223pts、R15は2449cb

 3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyが2059、Fire Strikeが5178、Wild Lifeが14459、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアが2610(やや重い)となった。一方、先ほどの「ROG Zephyrus M16」は「NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop GPU」を搭載しているだけに、9276、19991、39995、11329(とても快適)を記録している。「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED」はその約22%、約26%、約36%、約23%のパフォーマンスに留まったことになる。やはり3DゲームをプレイするならCore i9-12900H/RTX 3050 Ti構成の上位モデルを選ぶべきだ。

「3DMark」のTime Spyは2059、Fire Strikeは5178、Wild Lifeは14459、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは2610(やや重い)

 ストレージ速度については、「CrystalDiskMark 8.0.4a」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で6839.91MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で5064.34MB/sを記録した。PCIe Gen4 x4接続のSSDを搭載しているだけに、アプリの起動、ゲームのロードなどで大きな恩恵を受けられるはずだ。

「CrystalDiskMark 8.0.4a」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6839MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5064MB/s

 バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ5時間10分動作した。5時間超えれば一応モバイル用途にも利用できると言えよう。さらに長時間利用したいときには、セカンドディスプレーをオフにするというのもひとつの手だ。

ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」で実測したバッテリー駆動時間は5時間10分

ほかにはない「デュアルディスプレー」
仕事もクリエイティブもゲーミングにも効果大なのだ

 「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED」は単に最新のCPU、メモリー、ストレージなどを搭載するだけではなく、デュアルディスプレー搭載ノートPCとしての使い勝手をさらに向上させることに最大限に注力している。

 セカンドディスプレーによる作業領域の拡張は、実際に使ってみると意外なほど実用的だ。仕事にクリエイティブはもちろん、ゲームでも超便利。タッチパッドが右にあることでやや慣れが必要だが、ぜひ自分のモノとしてじっくりと使い込んでいただきたいマシンなのである。

 

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