カラーリングだけでなく、スペックもゲーミングPCに抜かりないハイパフォーマンス構成
夏に自作したい、MSIで作る涼しげなホワイトゲーミングPC! 各パーツも高性能にこだわったホワイトで統一
SSD
Seagate FireCuda 530(ZP1000GM3A013 1TB)
M.2 SSDは一般的にはマザーボードのM.2ヒートシンク下に搭載するためあまり見た目を気にする必要がない(もちろん例外もある)。ならばスペックやコスパを重視すべきだろう。FireCuda 530はPCI Express 4.0 x4接続対応のNVMe SSDで、最大転送速度は7.3GB/sのゲーマー向けモデルだ。500GB/1TB/2TB/4TBの容量ラインナップがあるが、今回はスタンダードに1TBモデルを選んでいる。
ホワイトPCを組む場合はパーツの選択肢が依然限られるものの、以前と比べればいろいろと選べるようになってきている。MSIは幅広くパーツを取り扱っている。全体からすればホワイトモデルはまだ少なく、パフォーマンスレンジが限定されてしまうが、同社のパーツで揃えればホワイトに加えてデザインコンセプトも統一できる。
コストに関しても、以前と比べればマシになってきていると言えるだろう。ホワイトモデルは通常モデルほど数が出るものではないし、ただ塗装すればよいものは比較的価格差が小さくできても、素材から変更しなければならないものは生産コストの時点で高くなる。この点で、依然コストパフォーマンス向けの自作プランとはいかない。通常モデルで組む際の予算より、1〜2割ほど多めに見積もるのがよいのではないだろうか。
組み立てTipsとパーツ選定のポイント
ここで、組立時に注意したい点を紹介しておこう。まず、ホワイトで統一されたPCを組むのは、ブラックで統一されたPCを組むよりも大変かもしれない。裏面配線はより徹底して行なったほうがよいだろう。今回利用した電源MPG A750GF WHITEは、ケーブルもホワイトなので比較的ラクだ。
PCケースMPG GUNGNIR 110Rの裏面配線スペースは2cmほど。最近のPCケースでは標準的なスペースと言えるだろう。ただし2cmあったとしても、ケーブルをまとめすぎると厚みが出てしまい、右側板を閉じた際にふくらみが目立つことになる。ケーブルを重ねるのは2本程度ずつとし、横に並べることで厚みを抑えよう。MPG A750GF WHITEはフラットケーブルなので厚みを抑えやすく、プラグイン方式なので不要なケーブルを接続せずにすむため、少し手間をかければ美しい裏面配線ができる。
また、MPG GUNGNIR 110RはPCケースとして見るとやや高価だが、RGB LEDファンが標準で4基(フロント3基、リア1基)搭載しており、LEDハブも備えている。PCケース選びでは、ファンや付随のパーツまで含めてコスト計算をするのがよいだろう。それなりによいファンを追加、さらに選択肢が少ないホワイトモデルから選ぶとなると予想外にコストがかさむものだ。
電源のプラグインケーブルは、ATX24ピン、8ピンEPS12V×2、PCI Express 8ピン×2、Serial ATA×1を利用した。マザーボードMPG Z690 FORCE WIFIのEPS12Vは2基。1系統接続しただけでも動作はするが、2系統接続すれば負荷分散で端子部分の発熱や劣化などの万が一を防ぎ、CPUのブーストにも十分な電力を供給できる。PCI Expressを2系統に分けている理由もおおむねこれと同じだ。1系統から2分岐するケーブルも付属しているが、1対1の直結ケーブルで2系統に接続するほうが安心感、GPUのブーストに対する余裕ができる。
今回のビデオカード、MSI GeForce RTX 3070 Ti VENTUS 3X 8G OCには、サポートステイが付属する。今回の写真ではマザーボードのチップセットヒートシンク部分を見せるために装着していない。ただし、MSI GeForce RTX 3070 Ti VENTUS 3X 8G OCは大型GPUクーラーを搭載しているので重量があり、PCI Express x16スロットに挿さるPCB部への負担も大きい。接触不良やPCBの破損といったリスクを考えると、サポートステイを活用したほうがよいだろう。
最後にLEDイルミネーション。MPG GUNGNIR 110Rは内部もホワイト塗装されているため、イルミネーションも映える。普段からイルミネーションを使用するかどうかは別として、チャレンジするならホワイトPCは最適だろう。とくに、今回のようにメインどころのパーツをMSIで統一しておけば、発光色やパターンの制御のためのユーティリティも最小ですむ。加えてMPG GUNGNIR 110RのフロントI/F部分にはLEDオン/オフボタンも備えている。ケース付属のLEDハブに接続したLEDパーツが対象となるが、ボタンひとつでオン/オフできるのは便利だ。
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では皆さんお待ちかねのパフォーマンス計測に移ろう。最初はほかのレビューと比較しやすいメジャーなベンチマークの結果だ。
まずはCINEBENCH R23。CPU(Multi Core)は21984pts、CPU(Single Core)は1920ptsだ。12コア20スレッドのCore i7-12700だが、存分に性能を引き出せていると言えるだろう。まず、簡易水冷CPUクーラーを組み合わせているため冷却力も十分、CPU(Multi Core)で2万点を超えることができた。合わせて今回はOCメモリを組み合わせている。マザーボードのUEFI設定からXMPを有効化する(MPG Z690 FORCE WIFIではXMPプロファイル1を選択)だけでDDR5-5600モードを利用できる。8コアを超えるメニーコアCPUでは、メモリの転送速度を引き上げてやることでマルチスレッド性能を引き出すことができる。CPU(Single Core)は2000点目前だったが、ブースト自体は持続できているように見える。ただしよりMTPがより高く設定されている「K」付きプロセッサと比べて100MHzほどブーストクロックが低い。2000オーバーを目指すなら、Core i7-12700KやCore i9を目指すのもよいだろう。
続いてPCMark 10 Extended。Overallは11412。GamingはGeForce RTX 3070 TiのOCビデオカードを組み合わせたこともあり25806ととりわけ高スコアだが、ほか3つのシナリオでも1万点オーバーを叩き出している。ホーム用途のEssentialsは11748、ビジネス用途のProductivityは10593、コンテンツ制作のDigital Content Creationは14270だ。ホワイトという見た目だけでなく、高性能ゲーミングPCかつさまざまなシーンで高パフォーマンスを発揮してくれる。
3D性能指標と言える3DMarkでは、Time Spyが14566、Fire Strikeが30602といったスコアだった。Time Spyが1万5000に迫り、Fire Strikeが3万点超えということで、かなりの高性能、実ゲームプレイでも高解像度、高画質が狙えるパフォーマンスが想像できるだろう。
3DMarkのスコア | |
---|---|
Port Royal | 8514 |
Time Spy Extreme | 7155 |
Time Spy | 14566 |
Fire Strike Ultra | 9319 |
Fire Strike Extreme | 17602 |
Fire Strike | 30602 |
Night Raid | 73427 |
Wild Life Extreme | 30929 |
Wild Life | 83243 |
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