G-Master Hydro Z690 Extreme/D5の性能をチェック
RTX 3090 Ti&12900KSのデュアル水冷PCが期間限定で64万円台!?ならば性能を見てみよう
2022年06月27日 11時15分更新
360㎜ラジエーターでどこまで性能が出せる?温度は大丈夫?
気になるポイントは大きく2つ。CPUの最大性能と、その時の温度はどの程度なのかだ。最大性能を確かめる方法はいくつかあるが、ここでは定番ベンチマークソフトの「CINEBENCH R23」で試してみた。このソフトはCGのレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるもので、標準設定のテスト時間は最小10分。瞬間的な速度ではなく、ある程度持続可能な性能をチェックできるわけだ。
結果は「pts」という独自のスコアーで表示され、この数値が高ければ高いほど高性能なCPUということになる。マルチスレッドテスト「CPU(Multi Core)」では、全論理コアをフル稼働できるので、CPUの最大性能測定に適している。また、論理コアを1つだけ使用するシングルスレッドテストの「CPU(Single Core)」でも計測した。
結果はMulti Coreが28943pts、Single Coreが2144pts。と言われても、これがどのくらいの性能なのかピンとくる人は少ないだろう。テスト環境は異なるものの、テクニカルライター加藤勝明(KTU)氏のASCII.jp記事「Core i9-12900KS最速レビュー!最大5.5GHzの第12世代Core最上位CPUはライバルを圧倒する?」のデータと比較してみよう。
なお、検証記事ではOSがWindows 11 Proになっているほか、そもそも構成パーツが異なるため、厳密な比較はできない。ただし、360mmラジエーターの水冷クーラーという点は共通しているだけに、十分参考になるはずだ。
検証記事によれば、Multi Coreは28297pts、Single Coreは2134ptsとなっており、わずかながらG-Master Hydro Z690 Extreme/D5がリード。Core i9-12900KSの性能を引き出す環境としては、優れていると言えるだろう。
また、同記事に掲載しているCore i9-12900Kの結果にも目を向けてみると、Multi Coreが27193pts、Single Coreは2023pts。Core i9-12900KSはCore i9-12900Kを大きく上回る性能を発揮しており、まごうことなき「最強CPU」であることがわかる。
では、CPU温度はどうか? こちらはモニタリングツール「HWiNFO64 Pro」を使い、CINEBENCH R23実行中のCPUのパッケージ温度をチェックしてみた。
CPUのパッケージ温度は最大101度まで上がっていた。当然、サーマルスロットリングによる速度低下もあるようで、動作クロックを見ていると、4.7GHzを中心に上下しているといった状況だった。
とはいえ、CPUパッケージの消費電力の平均は約240.3Wとなっており、これはCPUの最大ターボパワー値となる241Wとほぼ同じ。冷却は間に合っていないものの、性能的には上限近くまで引き出せていると考えられる。
実際、水冷クーラーの冷却性能は高く、ベンチマーク終了後、数秒もかからずCPUパッケージ温度が40度台まで下がっていた。CPUの温度が100度に達していると、冷却が間に合っていないように見えるものの、単にCore i9-12900KSの瞬間的なな発熱量がすさまじい、というだけの話だ。
長時間負荷が続くような使い方がメインであれば、UEFIで240W未満に電力を制限してもいい。しかし、CGレンダリングや動画エンコード以外であれば、サーマルスロットリングに入ることは稀なので、設定変更せずとも最大性能で活用できるだろう。