ヘッドセット「INZONE H」シリーズ
ゲーミングヘッドセットのHシリーズは、ブームマイクが付いたヘッドバンドタイプのヘッドホンだ。アクティブ・ノイズキャンセリング機能搭載の「INZONE H9」(実売3万6000円前後)、ワイヤレス接続の「INZONE H7」(実売2万9000円前後)、有線接続の「INZONE H3」(実売1万2000円)の3機種があり、いずれも7月8日発売の予定。
ゲーミングディスプレー同様、2020年に大きく伸長したゲーミングヘッドセットは2022年に110万台規模の出荷を想定。その8割が1万円以下のモデルだ。しかしソニーでは、WH-1000Xシリーズなど高音質なワイヤレスヘッドホン開発のノウハウを生かして、プレミアムな領域へのチャレンジを目指すという。市場傾向としてゲーミングでも2万円以上のワイヤレスモデルが今後伸びつつあることを踏まえ、ワイヤレスモデルやデュアルノイズキャンセル対応機種を投入しているのが特徴。Bluetooth接続に加え、ゲーミングで求められる低遅延に配慮した2.4GHz独自無線方式での接続も可能だ。
ターゲットユーザーはPCゲームのプレーヤー、特にFPSをメインターゲットにしている。音楽用ヘッドホンとは異なる意味での高音質が求められるが、特に重視したのが位置の把握や足音の聞こえやすさ(定位感、明瞭感)だという。加えて、立体音響(Spatial Sound)技術への対応、装着の快適性、ノイズキャンセリング/アンビエントモードの搭載など余すことない機能を提供している。
方向や距離感を音を頼りに把握するFPSの勝敗が有利になるよう、ソフトとハードの両面からサポート。INZONE Hシリーズでは「360 Spatial Sound for Gmaing」として7.1ch音響を自然に再現するバーチャライザーと個人最適化(360 Spatial Sound Personalizer)に対応。バーチャライザー機能は、PCソフトのINZONE Hubでオン/オフを切り替えるだけでシンプルに使える。耳の写真をスマホで撮ってパーソナライズするのはソニー製ヘッドホンならではの機能だ。耳型データは過去にソニー用ヘッドホン向けに保存したもの(2022年3月以降)があれば、再撮影なしにクラウドから反映できる。
40mmドーム型のドライバーを採用。振動板はハイレゾヘッドホンで実績のある形状としている。ハウジングには低域の迫力を出すダクトを搭載し、爆発音などの低音の迫力を高めている。左右対称な音響構造にも配慮し、バッテリーや基板などの搭載によって左右のバランスが崩れないようにしている。ヘッドクッションは幅広で、H9のイヤーパッド素材はWF-1000XM5と同等のソフトフィットレザーになっている。快適性、安定性、遮音性を兼ね備える。H5とH3はナイロン素材だがH9と同じく装着感に配慮している。
バッテリー駆動時間はH9が32時間(NC OFF時)、H7が40時間と長く、10分充電で60分間使える急速充電にも対応。充電中のプレーも可能だ。ノイズキャンセル機能は外出先での機能と思われがちだが、PCファンの騒音や家族の声などをシャットアウトするといった観点でも有効だという。
ブームマイクはフリップアップでのミュートに対応。ゲーム音と通話音のバランス調整ができ、2.4GHz独自通信とBluetooth通信の同時接続もできるので、ゲーム機とは別にスマホを接続し、LINEやDiscordの通話を同時にするといった使い方もできる。
外観は少しずつ異なっており、H9はリングLEDランプを搭載する。また、有線接続のH3のマイクは黒く、性能も少し異なるという。
長時間装着しても疲れないよう軽量性に加えて、アンプやバッテリーを内蔵しても左右の重量バランスが均等になるよう設計しているそうだ。本体重量はそれぞれ約330g、約325g、約229gだ。
ソニーでは、発表に合わせて29日20:15~ソニーストア大阪でYouTubeライブ配信を実施。また、発売の7月8日にはソニーストア銀座で、バイオハザードシリーズプロデューサーの川田氏による手渡しイベントも開催。こちらは抽選で20名限定、事前応募制となる。