第372回 最新パーツ性能チェック

GIGABYTE「Z690 UD AX DDR4」は何が変わった?

人気Z690マザーがリニューアル! 第12世代CoreにはDDR4とDDR5どっちがいいか再検証

文●加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

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クリエイティブ系アプリの傾向も変わらず

 続いては実アプリ系のベンチマークを見てみよう。まず「Media Encoder 2022」だが、「Premiere Pro 2022」で編集した4K動画(再生時間約3分)をMedia Encoder 2022で1つの4K MP4ファイルに書き出す時間を比較する。コーデックはH.264とH.265を利用し、ビットレートはVBR 50Mbps/1パスのソフトウェアエンコードとした。

「Media Encoder 2022」によるエンコード時間

 前回のDDR5対DDR4検証記事と比較するとやたら処理時間が延びていることに気がついたかもしれないが、これはGPUがRTX 3080から3070に変更されたためである。前回同様にDDR4とDDR5の差は小さいが、前回よりもDDR5とDDR4の差は拡がっている。1秒でも速く処理を終わらせたいならZ690 UD AX+DDR5(と強力なGeForce)がオススメだが、費用対効果重視ならZ690 UD AX DDR4+DDR4でも問題ないようだ。

 続いてはTopaz Labsの「GigaPixel AI」による超アップスケールと「Denoise AI」のデノイズ処理に要する時間も比較してみたい。GigaPixel AIは1920×1430ドットの素材に対し6倍の拡大処理(学習モデルはVery Compressed)を、Denoise AIは24メガピクセルのJPEGに対し“Severe Noise”モデルでノイズ除去処理をした。それぞれ3回計測し、平均値で比較している。

「GigaPixel AI」「Denoise AI」による処理時間。学習モデル準備などの予備時間は含まない

 画像処理系なのでDDR5-5200のメモリー帯域が効くかと思っていたが、結果はDDR4-3600がDDR5-5200よりコンマ数秒速いという結果が得られた。これをもってDDR4が強いと断言できるだけの材料はないが、少なくとも今回の検証においては、特別DDR5でなくてはならない理由はないといえる。

 続いては「Lightroom Classic」だ。調整済みのDNG画像(61メガピクセル)100枚を最高画質のJPEGに書き出す時間を計測する。書き出し時にシャープネス処理(スクリーン用、適用量標準)を追加しているのでCPU負荷がかなり高い。

「Lightroom Classic」の処理時間

 前回の検証からLightroom Classicのバージョンも変わったが、結果はほとんど変わっていない。今回の検証からもLightroom ClassicにおいてはDDR5が圧倒的に強いことを示している。Z690 UD AX DDR4でも程々に速いが、Lightroom Classicのヘビーユーザーでベストな環境を求めるのであれば、Z690 UD AX+DDR5メモリーがオススメだ。

 フリーの動画エンコーダー「Handbrake」でも検証しておきたい。前述のMedia Encoder 2022はGPU(CUDA)パワーもかなり重要になるが、HandbrakeはCPUパワー頼みとなる。再生時間約3分の4K動画を「H.265 MKV 1080p30」を使ってフルHDのMKVファイルに変換する時間を比較する。

「handbrake」のエンコード時間

 数値上はわずかにDDR5環境の方が有利だが、DDR4との差はわずか5秒。メモリー規格の差を体感することはまずできないだろう。

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