eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ 第3回
灼熱の鈴鹿でマッハ号・冨林&平木が奮闘! 接戦のバトルを制し2位表彰台
2022年06月08日 12時00分更新
5月にして灼熱となって鈴鹿
決勝レースでは作戦がハマった!
迎えた日曜日の決勝レース。朝から真夏のような暑さとなり、レーススタート時点で気温32度、路面温度47度と8月のようなコンディションとなった。
6番グリッドからスタートする5号車は冨林がスタートドライバーを担当。マシンの特性を活かして、チームはタイヤ無交換作戦を採ることを決断した。そのため、前半を担当する冨林がどれだけタイヤをセーブしつつポジションを落とさずにピットに戻ってこられるかが、レースの行方を左右する超重要な要素だった。
14時30分にスタートが切られると、序盤からGT500クラスでトラブル車両が相次ぎ、フルコースイエローやセーフティカーが導入される波乱の展開となった。そんな中で、5号車を駆る冨林は、6番手をしっかりとキープ。前後ともに接近した状態で、気の抜けない時間が続いたが、着実に周回を重ねていき、17周を終えるところでピットに入った。
ここで、平木に交代すると同時に、予定通りタイヤ無交換作戦を敢行。これで作業時間を大幅に短縮することに成功した。その結果、ライバルたちがルーティーンのピットストップを終えた頃には、一気に3番手に浮上。後方との差もある状態で、待望の今季初優勝が見え始めてきていた。
しかし、このまま簡単に終わらないのがSUPER GTの難しいところ。GT500とGT300の車両が絡むアクシデントが発生し、2度目のセーフティカーが導入されることとなったのだ。
これで、トップ2台の背後に迫ることができたのだが、同時に4番手のマシンに対してのリードもリセットされることとなった。おまけにタイヤ無交換で走ってきていたこともあり、平木にとっては正念場という状況だった。
残り9周でレースが再開されたのだが、その直前のシケインで2番手を走っていた52号車 埼玉トヨペット GB GR Supra GTがコースオフを喫し、5号車は2番手に浮上した。それでも楽な展開にはならない。背後には56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rがつけており、オーバーテイクを狙っていた。
シケインなどで何度か並びかけられそうになるが、平木は懸命にブロック。そして、相手のタイヤが苦しくなってきたタイミングでラストスパートをかけ、2番手を死守してチェッカーフラッグを受けた。
これで冨林にとってはうれしいSUPER GT初表彰台。優勝できなかった悔しさはあるものの、1つ結果を残すことができて、安堵の表情を見せていた。チームも第1戦、第2戦と悔しい結果が続いていた分、レース後は笑顔に包まれていた。
なお、レースは7号車 Studie BMW M4がポールトゥウィン。チームスタディ独自体制で参戦を初めて、8年目にしてGT300クラス優勝をはたしたほか、今期本格的にデビューしたBMW M4 GT3の勝利ということで、その話題は国内のみならず、BMWの本拠地があるヨーロッパにも吉報がわたった。なお、GOODSMILE RACINGとジョイントしていた頃から数えると、2011年のセパン以来、実に11年ぶりのポールトゥウィンとなった。
冨林勇佑選手コメント
「戦略はバッチリでしたね。ただ、当初は前半はもっとキツいレースになるのかなと思っていました。順位が下がることも覚悟はしていたんですけど、実際には抜かれることなく、逆にトラブルで脱落した車両もあったので、最終的には順位を上げることができました。(レース終盤は)ヒヤヒヤしながらも、大丈夫だろうという気持ちもありました。悔しさもありましたが、ここ2戦なかなか噛み合わなかったり、僕もミスがあって悔しい思いをした中で、やっと形になりました。あとは優勝を目指すだけです!」
平木玲次選手コメント
「序盤、すごく良い形で(冨林が)襷を繋いでくれました。予定どおりタイヤ無交換でいって、後半はキツイだろうと思ったんですけど、意外と周りもタイヤがキツかったみたいです。それでもワンミスしたら、本当に終わりだったんですけど、なんとか持ちこたえることができました。昨年と同じようにならず、なんとか踏ん張れました。(優勝した7号車には)届かなかったですけど、夏にもう一度鈴鹿大会がありますし、その前には富士大会もあります。今回のことを踏まえて、今度は勝てるようにチームとしっかり準備していきたいと思います」
マッハ号に花を添えるレースクイーンたち
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