JETRO、スタートアップのブラジル市場展開のため支援策を発表
巨大市場ブラジルに挑戦できるスタートアップ向けアクセラレーションプログラム「ScaleUp in Brazil」
ScaleUp in Brazilのスタートアップアクセラレーションプログラム
続いて日本のJETROにあたるブラジル投資振興局(apexBrazil)のHelena Bonna Brandao氏から、ScaleUp in Brazilにおける海外スタートアップ誘致のための支援プログラムの紹介がなされた。このプログラムは、単にブラジルで商品を販売することを目的とするのではなく、スタートアップ企業がブラジルでオペレーションを行うことができるようにすることを目指している。
ScaleUp in Brazilは既にイスラエルの企業を対象に2回実施されている。2022年においては日本及びシンガポールの企業も対象に含めて実施することになった。このプログラムは基本的にすべて無料で行うもので、参加者の負担はブラジルへの旅費のみとなっている。
プログラムへの参加者はメンタリングを通じてブラジルのビジネス・文化的な環境に関する知識を得ることができる。例えば人事・労務におけるルールや税制など、海外の企業にとってすぐに習熟することが難しい情報がここに含まれている。また、ブラジルにおけるパートナー企業や見込み客などのネットワークづくりを支援する。さらに市場戦略の策定や資金調達などについてのコンサルティングも受けることができる。
ScaleUp in Brazilは5つのステージから構成されている。最初のステージでは応募してきたスタートアップから35社を選定し、ウェビナー等を通じてブラジルのビジネス環境や各企業の事業領域に関する情報などを学ぶ。続く第2ステージでは35社から20社へと絞り込まれ、事業開発の専門家とのオンラインでの対話を通じてブラジルマーケットに参入するにあたって必要となる知識を得ると同時に、サンパウロにて2週間の学習プログラムを受講する。
その後、方針の再確認を行ったうえで第4ステージではリオデジャネイロやサンタカタリーナなどのサンパウロ以外の主要都市においてパートナー候補となる企業とのミーティングやVCに対するピッチなどを実施する。資金調達のチャンスもある。
過去2回のScaleUp in Brazilを通じて、参加した15社のイスラエル企業のうち、8社が実際にプラ汁に拠点を設けることになった。またその間300回以上にわたる見込み客とのミーティングが行われ、合計990万ドルの資金調達も行うことに成功している。
ScaleUp in Brazilには応募条件がいくつか設定されている。まずブラジルで製品を販売するだけでなく(事業所設立を含む)オペレーションを行う意思があること。そして既に自社の製品があり、その売り上げがあること。そして参加者は創業者もしくはC-levelの役員であること。以上が必須要件となる。これに加えて任意条件として、ハイテク分野のB2Bビジネスを行っている事業者であることが望ましいとしている。
ブログラムへの応募は6月12日が締め切りとなっている。ブラジル市場への参入に興味のあるスタートアップは、是非Webサイトにアクセスしてみてもらいたい。