JAXAベンチャー天地人、深層学習による高精度・高頻度な地表面温度プロダクト開発
JAXA認定の宇宙ベンチャー 株式会社天地人は4月19日、NEDO SBIR推進プログラムの成果として、「深層学習による高精度・高頻度な地表面温度プロダクトの開発」成功を発表。事業化に向けた次の展開として、今回開発したプロダクトの「天地人コンパス」への実装と、ソリューション提供のための準備を進めている。
天地人は、静止衛星ひまわりのデータを用いた新たなサービス開発をテーマとして、2021年度から独自の地表面温度プロダクトの開発に取り組んでいた。
従来の地表面温度プロダクトは、低軌道の地球周回衛星により提供されてきた。地表との距離が近いため、空間的に観測できる領域が優れており、また世界中で均質なデータが得られるという優位性があった。一方、静止衛星では同じ地点を観測できるのは2日に1回程度と観測回数が少なく、雲などで地表面が隠れている場合は観測できないというデメリットがあった。
そこで天地人では、静止衛星ひまわりの2.5分という細やかな時間間隔と熱赤外域の観測バンドに着目し、従来2日に一回だったものを2.5分間隔という極めて高頻度な地表面温度プロダクト「天地人コンパス」を開発。これまでの膨大な観測データを用いた超解像度の学習モデルを新たに開発し、雲を除去した100メートル単位での観測もできるようにしたという。
今回の2.5分間隔、100メートルオーダーの高精度・高頻度な地表面温度プロダクトは、農業・不動産・都市開発・エネルギーなど、より高精度・高頻度なデータが要求される業種での活用が期待できる。
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