最新パーツ性能チェック 第371回
Radeon&GeForceを11ゲームタイトルで一斉比較
Radeon RX 6950 XT/RX 6750 XT/RX 6650 XTの実力を検証!全11GPUで比べてみた
2022年05月10日 22時00分更新
最新作「Syberia: The World Before」では?
最近発売されたアドベンチャーゲーム「Syberia: The World Before」でも試してみたい。画質は“超高”とし、新規ゲーム開始直後に訪れる街マップにおいて一定のコースを移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
グラフから分かる通り、フルHDではRX 6750 XTがRTX 3090を圧倒する一方で、RX 6650 XTはRX 6600 XTを下回るなど、ドライバーとゲームエンジンのすり合わせができていない印象すらある。だが、RX 6700 XTより上のRadeonでは最低フレームレートの出方がGeForce勢より明らかに高く、より滑らかな描画が堪能できる。ただ、このゲームはFPSのようにグリグリと視点を動かせるシーンが少ないため、折角のRadeonのパワーもあまり活かせないのが惜しいところだ。
ようやく24GBのVRAMが活きた「Far Cry 6」
ここよりDXR対応のゲームでレイトレーシングを効かせた時のパフォーマンスを検証しよう。まず「Far Cry 6」だが、画質は“最高”+レイトレーシングの設定は影・シャドウともにオン。さらにVRS(FidelityFX Variable Rate Shading)や高解像度テクスチャーも有効とした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
RX 6x50 XT用のβドライバーはまだ熟成度が今ひとつなのか、最低フレームレートが既存のRX 6x00 XTよりも落ち込みやすい傾向があるようだ(やがて解決するだろうが……)。それでもRX 6x50 XTはRTX 30シリーズに対し「Far Cry 6では」互角以上の結果を出せている部分もある。特にWQHD以上において、RTX 3070に対するRX 6750 XTのアドバンテージは極めて大きい。
これは、高解像度テクスチャーを有効にしたことにともなうVRAM搭載量の差であり、8GBのRTX 3070ではまったくついていけなくなってしまう。今回の計測条件下で回路規模の小さいRTX 3060の方が高いフレームレートを出せているのは、VRAM搭載量が12GBと多いからであることもそれを裏付けている。RX 6650 XTが奮わないのも同じVRAM搭載量とメモリーバス幅の問題だ。
ただ、最上位のRX 6950 XTに関してはVRAM搭載量が16GBと多いため、VRAM由来のパフォーマンスダウンはない。むしろDXRを使っているのにRTX 3090と同等以上の性能を発揮できているのは、Far Cry 6とRadeonの相性ではないかと推測している。
RX 6650 XTで特に辛かった「F1 2021」
続く「F1 2021」では画質は“超高”(レイトレーシング系もミディアムになる)設定とし、アンチエイリアスTAA、異方性フィルタリングはx16とした。ゲーム内ベンチマーク機能で「モナコ+ウエット」設定でのフレームレートを計測する。
ここでもFar Cry 6と同様に熟成度の問題なのか、RX 6x00 XTよりもRX 6x50 XTのほうが最低フレームレートが落ち込む傾向があるようだ。ただし平均フレームレートに着目すると、RX 6x50 XTは約2〜8%伸びており、クロック上昇ぶんの効果はあることが確認できた。
しかし、対GeForceの軸で見るとフルHD+RX 6950 XTの組み合わせ以外はRTX 30シリーズよりフレームレートが出ない。特にRX 6650 XTのようなメモリーバス幅も狭くInfinity Cacheの少ないモデルでは、RTX 3060のような既存のカードに大敗しているなど、下位モデルでのDXR運用の難しさが窺える。FSRやRSRなどのアップスケール技術を上手く利用するしかないようだ。
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