軽めのベンチマークといえば……
「ファイナルファンタジーXIV」や「PSO2 ニュージェネシス」といったオンラインRPGも描画負荷が軽いため、比較的非力なGPUでも運用しやすい。筆者は普段のGPUレビューでは使わないが、今回はあえて回してみたい。
まずファイナルファンタジーXIVは最新の“暁月のフィナーレ”ベンチマークを使用した。画質は“標準品質(デスクトップPC用)”を使用する。スコアーのほかにレポートで取得できるフレームレートもチェックしよう。
このベンチマークではRX 6500 XTとRX 6400の差は非常に小さい。ただFF14自体がGeForce系との相性が極めて良いだけあって、価格的に格下のGTX 1050 Tiの方がより良いコストパフォーマンスが発揮できる。
続くPSO2NGSも公式ベンチマークを使用した。画質は“3”で検証している。スコアーのほかに「CapFrameX」を使い、スコアーが上昇を始めた瞬間から停止するまでのフレームレートも比較する。
スコアーベースではRX 6500 XTは6400の2倍近く叩き出しているが、平均フレームレートで見ると30%程度の伸びでしかない。PSO2NGSにおけるGPUの序列はApex Legendsのそれに近い傾向がみられる。
60fps制限のゲームではどうか?
eスポーツ性の高いゲームは高リフレッシュレートの液晶を使い高フレームレートで滑らかな描画で優位に立つのが定石だが、まだまだ60fps制限のゲームも根強く残っている。そういったゲームでは高性能すぎるGPUは性能が無駄になりやすい。ここでは60fps制限のゲームで検証しよう。
まずは「原神」を使って検証する。画質は“中”設定とした。ゲーム最序盤に訪れる“風立ちの地”を移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。
RX 550でも意外と動けるが、平均60fpsを大きく割り込むのでカクつきやティアリングがかなり目立つ。RX 6400ならば時々モタつくものの平均60fpsは達成できるので、補助電源接続が難しいPCで遊ぶには十分な選択といえる。ただ最低フレームレートの観点ではメモリーバス幅に余裕のあるGTX 1050 Tiの方が優秀。原神オンリーではなく、原神“も”楽しみたいがほかのゲームも同じ程度遊ぶという人にオススメしたい。
次は「ELDEN RING」でも試してみよう。画質は“中”設定とし、リムグレイブ西部地区の一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で検証した。
先日のアップデートで何かが変わったのか、低スペックPCにおけるフレームレートの下落が緩和された。強力なGPUを使っても60fps以上は出ないゲームだが、今回の検証環境ではどのGPUでも平均60fpsを下回ってしまった。
この原因はCPUにもあり、今回検証で使用したRyzen 5 5500であればRX 6600より上のGPUなら同じ検証手順で平均60fps(59fps台)が出せるし、RX 6500 XTや6400にこだわるならCPUをRyzen 7 5700Xなどの強力なものにする必要がある(この辺の話は別記事で展開したい)。
画質中設定で遊ぶAAAタイトルのパフォーマンス
最後にメジャータイトル「MONSTER HUNTER RISE」「Forza Horizon 5」でのパフォーマンスも検証しておこう。まず「MONSTER HUNTER RISE」だが、画質“中”に設定。大社跡マップをぐるりと一回りした際のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。
フレームレートのトップに立ったのはGTX 1050 Tiであるため、FF14と同様にややGeForce系有利と考えてよいだろう。とはいえRX 6400でも60fps以上はキープできているので快適に遊べることは間違いない。
「Forza Horizon 5」も画質“中”に設定。内蔵ベンチマーク機能を利用するが、今回のようにCPUパワーが弱いとGPUフレームレートと実際に表示されるフレームレートに乖離が出て分かりづらいため、「CapFrameX」で直接ベンチマーク中のフレームレートを計測した(レーススタートからリザルト表示の瞬間まで計測)。
元々Radeon系と相性の良いシリーズだけあってRX 6400でも平均70fps弱は出せている。RX 6500 XTの方が10%程度高いフレームレートを出せるようだが、補助電源を使わずにここまで出せる点を評価していただきたい。
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