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RE100ソリューション「H2 KIBOU FIELD」稼働開始:

パナソニック、水素と太陽光だけで工場の電力まかなう挑戦

2022年04月21日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII.jp

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居並ぶ太陽電池、そびえ立つ水素タンク

 拠点に行き、目に入ってきたのは1820枚の太陽電池。パネルはできるだけ多くの太陽光を受けられるよう波を打つような配置にしてあるそうです。パネルの脇には発電総量を表示するモニターがあり、東海道新幹線の窓から見えるようになっています。A席側からよく見えるそうです。

ずらりと並べられた1820枚の太陽電池

発電総量が表示されている

受光量を増やすため波打つような角度に設置されている

東海道新幹線の車窓からも見ることができる

 太陽光パネルの奥にそびえているのが、7万8000リットルの水素タンク。ここからパイプラインを通じて99台の純水素型燃料電池に水素を供給しています。水素ガスは岩谷産業が週1回タンクローリーで運んできて、全体の半量ほどを注ぎ足すということでした。ちなみに水素タンクの隣にあるのは窒素タンク。水素ガスを排出するとき、水素と置換させるために使います。

左側が7万8000リットルの水素タンク。右側はメンテナンス用の窒素タンク

 タンクの奥に並んでいるのが純水素型燃料電池。サイズは横幅80cm、高さ175cm、奥行き40cmで、自動販売機くらいの大きさ。運転音はディーゼル発電に比べるととても静かで、聞こえるのは排気音だけ。2列で並び、故障したときも取り外してメンテナンスがしやすい設置になっています。

2列で並んだH2 KIBOU

運転音は静かで近づくとわずかに排気音が聞こえる

故障したときも1台ずつ取り外してメンテナンスがしやすい

水素タンクからパイプラインを通して水素が供給されている

 H2 KIBOUはコージェネレーションシステムを使い、エネファームのように発電時の熱でお湯を作ることもできます。現地にはお湯を出せるデモ環境がありました。ちなみにエネファームは都市ガスから水素を取り出して発電しますが、H2 KIBOUは直接水素で発電するのでシンプルです。

発電時の熱を使ってお湯をつくることもできる

お湯を注ぐユニットのデモンストレーション

現在はお湯を作るために抵抗器ユニットが必要になる

 そして最後に、物置きのような施設が蓄電池。太陽電池で発電して余った電力を貯めておき、電力使用量がピークを迎えたときに使用します。

蓄電池。太陽電池の余剰電力から最大約1.1MWhの電力を蓄える

 稼働状況はクラウドサーバーに反映され、PCやタブレットで確認可能。EMS(エネルギーマネジメントシステム)を使った運用のしやすさも売りのひとつで、需要予測をもとに発電計画を立てられたり、今後は天気情報なども導入していくということでした。

稼働状況は随時クラウドサーバーに反映されてモニタリングできる

PCやタブレットから細かく数値を追うこともできる

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