そもそも業務改善とは? その進め方や効果、向いている業務・部門を探る

文●ユーザックシステム 編集●アスキー編集部

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本記事はユーザックシステムが提供する「DX GO 日本企業にデジトラを!」に掲載された「業務改善とは?進め方や効果、向いている業務・部門まで幅広く紹介」を再編集したものです。

業務改善は、多くの企業で求められる取り組みです。しかし、業務改善に取り組んではいるもののなかなか成果が出ない、または、改善の必要性は感じているが具体的な進め方がわからないと悩んでいる企業もあるのではないでしょうか。

そこで今回は、業務改善とは何か、なんのために業務改善が必要なのか、どのように改善を進めればよいのかなど、業務改善についての基礎知識を広く紹介します。

業務改善とは

業務改善とは、業務内容やプロセスからムリ・ムラ・ムダを排除し、業務を効率的に行えるように改善することです。通常一度で終わるものではなく、何度も見直しして新しい課題を見つけ、継続的に改善を繰り返していきます。

なんのために業務改善が必要なのか?

業務改善を行う目的は大きく分けて3つあります。

・働き方改革の実現
業務改善によって業務効率化が進めば、長時間労働の削減が可能になる、短時間労働やフレックスタイム制といった多様な働き方を選択しやすくなるなど、働き方改革の実現につながります。

・ワークライフバランスの実現
業務効率化が進んで長時間労働が減ることで、社員のワークライフバランスの実現につながります。

・コスト削減
業務からムダを省くことで、人件費をはじめ、ムダな業務にかけていたさまざまなコストの削減が可能になります。

業務改善はどのように進めるのか

業務改善は、次の6つのステップで進めます。

①業務の棚卸し
現在どの業務にどれだけの人手と時間がかかっているかを洗い出し、ムリ・ムラ・ムダがあるところを発見します。そこが業務改善の対象になります。

②目標設定
業務改善の対象に存在する課題を分析し、改善への目標を設定します。また、目標達成に必要な項目をタスク化します。

③優先順位づけ
通常、業務改善の対象箇所は複数あります。しかし、同時にいくつもの箇所で並行して改善を進めることは難しいでしょう。そのため、どこから業務改善を実行するのかを決め、優先順位をつけます。

④改善計画の立案
これまで判明した目標、タスク、優先順位をもとに、業務改善計画を作成します。
このとき、目標を達成するために必要な作業をマニュアル(手順書)にまとめて、関係者と管理職で共有すると効果的です。それによって業務改善についての認識のズレをなくし、改善計画をスムーズに進めることができます。

⑤計画の実行
計画に従って業務改善を行います。
一定期間後、または一定のタスク終了後に成果を確認します。確認した内容をもとに次の課題を明確にし、さらなる業務改善を行います。

⑥継続的に改善を実行
業務改善を実行→確認→さらなる業務改善といったPDCAサイクルを繰り返し、継続的に業務改善を実行します。

業務改善を進める手順については、「業務改善の手順とポイントは?成功したアイデアも紹介」もご参照ください。

業務改善による効果と注意点

業務改善を進めると、次のような効果を得られますが、同時に注意しなければならない点もあります。

業務改善による効果

・業務効率化
業務の標準化、自動化、システム化などを行うことで、業務の効率化が実現します。

・生産性向上
業務効率化が実現すれば、これまでと同じ内容の作業を行う際も所要時間が短縮します。作業が効率化した結果、創出できた時間でより多くの作業を行ったり、ほかのクリエイティブな作業や新しいサービスの検討を行ったりできるため、生産性の向上につながります。

・コスト削減
業務効率化が進めばムダな業務が減り、その業務に必要なコストの削減も実現できます。
また効率化によって労働時間が短縮すれば、長時間労働が解消し、人件費の削減も可能です。人件費は経費のなかで大きな割合を占めるため、コストの大幅な削減につながります。

・労働環境の改善
業務改善を行う分野の作業分担を見直しして、作業量のムラを解消することで、一部の社員に偏っていた負担を軽減し、業務の品質向上をすることが可能です。
労働環境が改善し、働き方改革の実現や社員のモチベーション向上につながります。

業務改善の注意点

業務改善を進める際は、次のような点に注意しなければいけません。

・経営層が業務改善を推奨し、推進する雰囲気をつくる                                             業務改善の取り組みは、既存の業務フローや業務の仕組みを壊すという面もあるため、現場では抵抗される可能性もあります。そのため、業務改善を進める際は、経営層が業務改善を推奨して、会社全体で推進する雰囲気づくりが必要です。

・経営層の意向だけで進めるのではなく、現場の声を重視する
業務改善を行うには経営層の強い意志のもと、部署を横断した改善が必要です。しかし、現場の声を聞かなければ、実情に合わない非現実的な対策しか出てこないことが多くなります。効果的な業務改善を行うためには、改善の対象となるポイントの洗い出しや、改善策の策定に現場の声を生かすことも重要です。

・短期的に結果は出ない
業務改善には、複数の部署を横断して行う施策や、業務フロー全体にかかわる施策もあります。このような大がかりな取り組みになると、すぐに結果が出ることは難しくなります。短期的な効果を重視していると、業務改善の効果が十分に発揮される前に施策を打ち切ることにもなりかねません。効果を見極めるためには、数ヶ月から数年という中長期的な視野で進めることが重要です。

・人事異動を行う必要がある
業務改善を進めると、業務の自動化や効率化によってこれまで行っていた業務が消滅し、余剰人員が出る可能性も高まります。そのため、一定数の人事異動が必要です。業務効率化に左右されない、よりレベルの高いクリエイティブな仕事、自動化できない仕事などへの異動を検討しましょう。

業務改善で効果が出やすい業界や部署

業務にムリ・ムラ・ムダがある場合は、どのような業界・部署でも改善の対象にはなります。しかし、より改善の効果が出やすいところと、効果が出にくいところがあるのでも事実です。業務改善を行うときには、それらを認識しておく必要があります。

業務改善の効果が出やすい業界

業務改善の効果が出やすいのは、例えば次のような業界です。

・製造業
そもそも業務改善は、製造業による業務効率化の追求から始まりました。トヨタ自動車株式会社の「カイゼン」は、世界的に有名な業務改善です。
製造業は、自動化、標準化、システム化、マニュアル化など業務改善の手法を導入しやすい業種といえます。工場などの生産現場では業務改善による効果も出やすいでしょう。
製造業はもっとも業務改善を進めやすい業界のひとつといえます。

・IT業界
IT業界は業務の多くがIT化されており、製造業と同じように、自動化、標準化、システム化、マニュアル化などの業務改善の手法を導入しやすい業界です。また、本来スピード感が重視されている業界のため、業務効率化に熱心な企業が多いともいえます。

業務改善の効果が出やすい部署

また業界にかかわらず、業務改善の効果が出やすい部署があります。次のような、総務、経理、人事などのバックオフィス部門といわれる部署です。

バックオフィス部門にはルーチンワークと呼ばれる定型的な業務が多く、標準化、システム化、ペーパーレス化、マニュアル化などの業務改善を行いやすい特徴があります。

業務改善の効果が出にくい業界や部署はどうすればよいか

デザインなどのクリエイティブな業界や、企画や営業など業務内容に規則性が少ない部署などは、業務改善をしても効果が出にくい傾向にあります。

しかし、業務改善をしにくいとされるような業界や部署でも、改善できる部分はあるはずです。 例えば、書類作成や経費処理、会議開催といった業務は、業務改善を行いやすいでしょう。クラウドサービスやオンライン会議、RPAなどのITツールを導入して作業を効率化し、改善を進めることが可能です。

RPAについて詳しくは「RPAとは?必要性や効果を徹底解説」もご覧ください。

自社や部署の状況に合った業務改善を

業務改善によって、業務効率化や生産性向上、コスト削減、社員の労働環境改善などさまざまな効果が期待できます。その必要性や効果を理解し、今回紹介した進め方や注意点を参考に、ぜひ業務改善を成功させてください。 ただし、業界や部署によっては、業務改善が難しいケースはあります。そのような場合でも、部分的に改善が可能な作業は見つけられるでしょう。例えば、稟議書を電子化する、プレゼンテーション資料や企画書をフォーマット化するなど、対応できる業務改善から進めていきましょう。
 

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