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iPS細胞から視細胞を迅速に分化誘導、理研・京大チームが新手法

2022年03月31日 06時45分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所と京都大学の共同研究チームは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、網膜の構成細胞である視細胞を短期間で分化誘導できる手法を発見した。網膜変性疾患をはじめとする視細胞関連研究の疾患モデリングや治療薬の探索へつながることが期待される。

理化学研究所と京都大学の共同研究チームは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、網膜の構成細胞である視細胞を短期間で分化誘導できる手法を発見した。網膜変性疾患をはじめとする視細胞関連研究の疾患モデリングや治療薬の探索へつながることが期待される。 研究チームは、より短期間で、ステップ数を極力削減して視細胞を分化誘導し、作製するために、細胞の系統決定に重要な遺伝子を体細胞に強制発現させることで目的とする系統の細胞へ転換させる「直接誘導法」に注目。ヒトiPS細胞へ転写因子を導入して直接分化誘導し、視細胞を作製する方法の構築を試みた(転写因子は、DNAに書き込まれた遺伝情報のRNAへの転写の促進または抑制に関与するタンパク質群)。 同チームは、視細胞の発生過程に重要とされるCRXとNEUROD1という2つの転写因子をヒトiPS細胞に導入して培養。その結果、14日以内という短期間で視細胞に特異的な遺伝子を発現する誘導型視細胞様細胞(誘導視細胞)を作製できることを発見した。これまでにもiPS細胞から網膜を構成する細胞を分化誘導する研究が実施されてきたが、時間がかかること、複数のステップを経る必要があることが課題となっていた。 本研究は、学術誌アイサイエンス(iScience)に3月8日付けでオンライン掲載された

(中條)

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