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HUAWEI WATCH GT3「Healthy Living」機能が地味にスゴイ!

2022年03月31日 09時00分更新

文● 井上 晃 編集●飯島恵里子/ASCII

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例えば目標を編集から「体重管理プラン」に切り替えれば、「毎日の水分補給」もタスクに加わる(左)。また、カスタマイズ画面の最下部では「薬のリマインダー」なども選択できる(右)

ぼんやりしがちな「ウェルネス」の方向性を指し示す

 Healthy Livingに含まれる個々の機能自体は決して目新しいものではないが、それらを一つの画面にまとめ、1日の間に何をすればよいのかを明瞭にしているのは素晴らしい。単に「呼吸」や「睡眠」のような機能が用意されているだけでは、ユーザーはそれぞれの機能を積極的に使おうとは思わないだろう。しかし、Healthy Living機能では、それをゲーミフィケーション的なアプローチによって意味のあるものに変換できている。

 例えば、競合であるApple Watchはかつて、「アクティビティ」アプリにおいて、1日におけるカロリー消費量、運動量、座りっぱなしではなく立ち上がった頻度、という3つの運動目標値を「リング」というUI・UXによって楽しみながら達成させるようにした。これスマートウォッチにおけるヘルスケア機能の大きな転換点だったと思う。ご存じの通り、現在これを真似た機能は多くのスマートウォッチが搭載している。

 ファーウェイのHealthy Living機能は、それを単に運動量だけでなく、メンタルケアの概念も含めた「ウェルネス」市場まで拡大させたものだと言える。「呼吸」や「睡眠計測」「SpO2」のように、ウェルネスを意識した機能自体は、スマートウォッチ市場で既に一般的になっている。しかし、生活習慣全体を改善させる仕掛けとしてはまだまだ未成熟だ。Healthy Livingはそんなウェルネス機能群に一石を投じるアプローチだと思えた。

 もちろん、Healthy Living機能はいたって地味な存在であり、改善点がないわけでもない。ネット上で同機能が大きく取り上げられている様子も当然あまり見かけない。これは、ファーウェイが大々的にアピールしていないからかもしれないし、そもそもユーザーにとってウェルネスという概念を理解することに敷居があるのかもしれない。

 ただし、健康管理という市場トレンドの流れにおいて、ユーザーにウェルネス関連機能を使うためのモチベーションをもたせる仕組みを整えたことは、業界的にもっと評価されて良いのでは、と筆者個人としては思う。数年後には、ほかのスマートウォッチメーカーからもHealthy Living的な“ウェルネス関連機能のタスク化”に追従するところが出てくるのではないだろうか、と想像する。

 

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