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写真家 鹿野貴司「Pixel 6 Pro」テストレポート 第4回

グーグル「Pixel 6 Pro」光を味方に印象的な演出「長時間露光」を解説【写真家 鹿野貴司レビュー】

2022年03月21日 12時00分更新

文● 鹿野貴司 写真●鹿野貴司 編集●飯島恵里子/ASCII

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「長時間露光」と「夜景モード」の比較。ちなみにどちらも色温度のスライダーで青みを足している

「長時間露光」の写真は「編集」で自分好みにアレンジ可能

 また色温度のスライダーで、青みを足すのもひとつのアイデア。画面をタップすると温度計のアイコンとともにスライダーが表示される。これが色調の暖かさや冷たさを決める色温度で、アイコンを青い方へスライドすると空や影の部分に青みがプラスされる。一方で暖色系の街灯やライトアップにはあまり影響は及ばないため、寒色と暖色のコントラストが際立つ効果がある。

 ちなみにPixelシリーズは2018年発売の3/3aから夜を明るく撮るための「夜景モード」が搭載されている。もちろんPixel 6/6 Proにも搭載されており、暗くなりがちな光に乏しい部分を明るくくっきりと再現する。光跡を写すのでなければこちらを選んでほしいが、でもやっぱり都市夜景には光跡があった方がいいんじゃないかと思う次第。明るさや色調は後からレタッチ(編集、すなわち後処理)できるし。

 スマホで撮影をした写真をどれくらいの人が手間暇かけてレタッチするのかはわからないが、たとえばインスタグラムのフィルターは利用する人も多いと思う。人間の記憶は鮮やかに色を盛る傾向があり、スマホはもちろん一眼レフ・ミラーレスカメラも、人の印象に近づけるような絵づくりが標準設定となっている(もちろん記録撮影などのためにニュートラルな設定もあるが)。

「長時間露光」の写真を「編集」で自分好みにアレンジ。「フィルタ」から「アルパカ」を選んで、そこから微調整。青みを調整する「ブルートーン」という項目もあり、さらに青みを強めた。メリハリが強く、印象的な夜景写真になったと思う

 Pixel 6/6 Proはメリハリが強く、派手めの色再現をするが、それが好みや状況に合うとは限らない。こと夜景に限っていえば、上の作例のようにさらにメリハリを強めた方が印象的になったりする。というわけで次回はPixel 6/6 Proの編集機能に関する話を。

 

筆者紹介――鹿野貴司

 1974年東京都生まれ、多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーランスの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるかたわら、精力的にドキュメンタリーなどの作品を発表している。

 写真集に『山梨県早川町 日本一小さな町の写真館』(平凡社)など。公益社団法人日本写真家協会会員。

 

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