最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第25回
新iPhone SEと新iPad Airを「お得さ」から考える【西田 宗千佳】
2022年03月16日 22時00分更新
iPad Airは「64GBモデル」。それ以上は「iPad Pro」と比較し選択を
一方で、もう一つの新製品である「iPad Air(第5世代)」は少し違う。iPadは現在、ブランドとしては4つのラインが存在する。その中でiPad Airは中位に位置するものであり、iPad Proを文字通り「プロのもの」と位置付けるなら、その下の「付加価値モデル」でもある。
iPad Airの第4世代は、iPhone SEの第2世代と同様、2020年に発売されている。ただ、iPhone SEが春だったのに対してiPad Airは秋(10月)の発売なので、より「もう出るのか」というイメージは強いかもしれない。
こちらも前回デザインを大幅に変更しているので、今回もデザイン変更は「色」に抑えられている。テストしたのは「ブルー」のモデル。爽やかで春らしい色かと思う。他の4色はiPad miniにもあるので、第5世代iPad Air独自のカラーはこれだけだ。
今回、第5世代iPad Airの最大の特徴は「プロセッサーがM1になった」ことだ。昨年発売のiPad ProではM1が搭載されて驚いたが、今回、ハイエンド以外にも搭載されたことで、「M1はもはや普及型プロセッサーになってきた」ことが明白となった。
Geekbench 5でベンチマークを取ると、iPad ProとiPad Airの性能差はほとんどない。メモリー量もCPUクロックも同じと考えられる。すなわち「性能ならiPad ProもiPad Airも同じ」になったのだ。将来的にiPad Proが性能アップする予兆……と言えそうだが、現時点で言えば、iPad Airのお買い得度が増した、ということでもある。
とはいえ、単純に安いとも言い難いのが悩ましい。
例えばストレージ。iPad Airは64GBと256GBしかなく、64GBでは不足気味……という人もいそうだ。しかし、256GB同士で比較するとiPad AirとiPad Pro(同じ11インチクラスのモデル)だと、価格差が1万4000円まで圧縮される。あえてiPad Proの128GBモデル(9万48000円)で抑える、という手もありそうだ。
そうすると、差はどこになるのか? カメラは違う。iPad Proは超広角カメラがあるが、これはスクリーンに投射された資料などを撮るには有効だ。また、LiDARが搭載されていて、AR関連に強いのもポイントだろう。
ディスプレイも違う。輝度が若干高く、フレームレートも、iPad Airは最大60Hzだが、iPad Proは最大120Hzになっている。スクロール時の滑らかさもそうだが、ペンの描き心地も変わってくる。ここまで含めて考えると、「ストレージが64GBで大丈夫」という人はiPad Airが良いが、それ以上になるとiPad Proとの差が微妙になってくる。
価格差については為替の問題もあるだろうし、悩みがあるのもiPad Proが世代交代するまでのことかとは思うが、少なくとも今回については、「64GBでいいかどうか」を勘案して選ぶのが良さそうだ。
もしくは「指紋センサー」で選んでもいいだろう。
iPad Airは指紋センサー搭載だが、iPad Proにはない。iPhoneのように「マスクをしていてもFace IDで認証できる」機能は、iPadOSにはない。だから、ここが気になるならiPad Air、という選び方だってアリだとは思う。
この連載の記事
-
第41回
Apple
事実上現行最上位のMac! 「Mac Studio Ultra」の実力はMaxの2倍!? -
第40回
iPhone
iOS 15.5配信開始 Podcastでの機能追加やバグ修正 -
第39回
Apple
「Mac Studio MAX」アップルのデスクトップ製品に新たな時代の始まりを告げる -
第38回
Apple
M1搭載iPad Air(第5世代)は「Pro」に肉薄したAir -
第37回
Apple
「Apple Studio Display」4K動画・空間オーディオ・ハイレゾを遊び尽くせ! -
第36回
Apple
MacからiPadを操作する! 新機能「ユニバーサルコントロール」を深掘り -
第35回
iPhone
「iPhone SE(第3世代)」は買いか?見送りか? 判断のポイントを探る -
第34回
iPhone
iOS 15.4.1配信開始 iOS 15.4でバッテリーの減りが早い問題などに対応 -
第33回
Apple
その手があったかと驚かされたアップル「Max×2=Ultra」【柴田文彦】 -
第32回
Apple
アップル「Studio Display」ですべてのMacが生まれ変わる【本田雅一】 -
第31回
Apple
圧倒的高性能で静かなMac StudioとStudio Displayを試す【西田 宗千佳】 - この連載の一覧へ