その一方で成長戦略も描いている。
たとえば、計測、検査、診断領域では、独自のイメージング技術を活用した差別化を図り、事業拡大を目指す。「時代とともに変化するお客様の『みたい』という要望に応えて、インダストリー事業、ヘルスケア事業、産業印刷事業の成長を加速させる」と語る。
コニカミノルタでは、「みせる」ということにこだわってきた。
そこには、カメラやフィルムの製造をルーツとするコニカミノルタならではの姿勢がある。画像の入出力や処理を中核とする独自のイメージング技術を開発。この技術を脈々と受け継ぎ、顧客の潜在的な課題やリスクとなっている「見えないもの」を「みえる化」する技術へと進化させることで、顧客価値を創造するという考え方が根底にあるからだ。
「みせる」という言葉も、介護士の業務をみえる化する「看せる」、疾病やがんの兆候をみえる化する「診せる」、モノづくりの品質のほか、ガス漏れやインフラの老朽化をみえる化する「視せる」、印刷物を高精彩にみせ、業務プロセスの課題をみえる化する「見せる」、そして、美しい映像をみえる化する「観せる」である。
これらを実現する上で、コニカミノルタが持つ材料、光学、画像、微細加工などが活用されることになる。
大幸次期社長兼CEOは、「計測、検査、診断領域で独自のイメージング技術を活用し、時代とともに変化するお客様の『みたい』という要望に応え、インダストリー事業、ヘルスケア事業、産業印刷事業の成長を加速させる。これにより、コニカミノルタの持続的な成長や、社会貢献への道を示したい」と語る。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ