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買収したマイクロセグメンテーションのGuardicore、IaaSのLinodeの位置づけも説明

アカマイが2022年事業戦略発表、新たな事業の柱は「コンピューティング」

2022年03月03日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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Linode:将来的にはクラウドとエッジの「中間層」に展開

 同社 シニアプロダクトマネージャーの伊藤崇氏はコンテンツデリバリー領域と、買収を発表したLinodeのサービスを含むコンピューティング領域における取り組みについて説明した。なお、Linodeはまだ買収完了前の段階であるため、アカマイポートフォリオ統合後の具体的な姿ではなく、将来ビジョンの紹介にとどめた。

 アカマイが保有するAkamai Intelligent Edge Platformは、世界数千カ所にエッジノードを分散した超分散型のエッジプラットフォームだ。もともとはコンテンツデリバリー用途で構築されたもので、インターネットのピークトラフィック増加に歩を合わせるかたちで、プラットフォームの拡張も行ってきた。

 「コンテンツデリバリーにおいてはプラットフォームの強化を進めていく。現在は、小規模で非効率な拠点の統廃合やIX利用拡大といった拠点の最適化に取り組んでいるほか、HTTP3など新たに利用されるようになったプロトコルへの対応を進めている」(伊藤氏)

伊藤氏によると、コロナ禍によるトラフィックの大きな落ち込みは見られないという。2021年にはピークトラフィックが200Tbpsに達した

 そして、このIntelligent Edge Platformをユーザー企業の開発者にも開放して、クラウドよりもユーザーに近いエッジ拠点でユーザーワークロード処理を可能にするのが「コンピューティング」分野のソリューションである。これまでもすでに画像/動画の自動最適化処理、サーバーレス型のFaaSである「Akamai EdgeWorkers」、キーバリューストアの「Akamai EdgeKV」を提供してきた。

 伊藤氏は、20年以上に及ぶアカマイの歴史を“3つの時代”に分けて説明した。創業から最初の10年(1998~2007年)は、単純なコンテンツキャッシュや高速配信ネットワーク構築に注力していた。それに続く10年(2008~2018年)は、セキュリティなどエッジ上で動くさまざまなアプリケーションの開発に注力し、サービスとして顧客に提供した。

 そして現在はまた新たな時代、エッジ上で顧客自身がアプリケーションを開発できる「エッジコンピューティング時代」に向かっている。ここで昨年提供開始したEdgeWorkersに加えて重要な存在となるのが、買収を発表したばかりのLinodeだ。

 2003年創業のLinodeは、“シンプルで低価格、使いやすい”クラウドコンピューティングにフォーカスしたIaaSプロバイダーである。日本を含む世界11カ所にデータセンター拠点を持ち、コンピュート、コンテナ、ストレージ、データベース、ネットワーキングの各コンポーネントをクラウドサービスとして提供している。

“シンプルで低価格、使いやすい”IaaSが特徴のLinodeの概要

 なぜアカマイはLinodeを買収したのか。

 これまでアカマイでは「オリジンのコンテンツをアカマイがホストすることを、意図的に避けていた部分もある」(伊藤氏)。たとえば昨年リリースのEdgeWorkersにおいても、エッジ処理はアカマイ(EdgeWorkers)で行うものの、メインのアプリケーションは他ベンダーのクラウドや顧客データセンターで行うことが前提となっていた。しかし、これからエッジコンピューティング時代に向かうことを考えると、アカマイの中でもそうした機能を持つことが必要だと判断したのだという。

 「これまでも非常に多くの顧客から、『こういうシンプルなことをやりたいので、アカマイのサービスだけで完結できないのか』と言われてきた。中小規模の企業でもともとシンプルなIaaSが必要というケースも、大企業だが特定の用途だけで簡単に使いたいというケースもある」(伊藤氏)

 したがって、まず初期段階の“フェーズ1”ではLinodeをIaaSの選択肢のひとつと位置づけて、集約型のデータセンターからLinodeを提供していく。シンプルなアプリケーションであればアカマイと統合されたLinodeを手軽に使い、より複雑/高度な機能が必要なアプリケーションならば他のメガクラウドベンダーを使う、といったすみ分けだ。

Linode買収後の“フェーズ1”。まずは従来どおりシンプル、低価格なIaaSという位置づけで展開する。他社クラウドとの違いはそれほど大きくない

 ただし、Linodeがそうした位置づけにとどまるのであれば、ユーザーにとってさほど魅力的な存在にはならないだろう。アカマイがその先で考えているのは、Linodeのコンピューティングを“エッジとクラウドの中間層”へと移し、大規模に分散させる仕組みだ。伊藤氏はこの将来像を“フェーズ2”と表現する。

 「アカマイがエッジで培ってきた技術と、Linodeが培ってきたコンピューティング機能を組み合わせて、従来のクラウドよりも圧倒的に多くの拠点で使える、分散したエッジコンピューティングプラットフォームを開発していきたいと考えている」(伊藤氏)

将来的な“フェーズ2”のイメージ。Linodeのコンピュートリソースをよりエッジ側に移し、提供拠点も大規模なものにしていく

 そのようなクラウドとエッジの中間層がわざわざ必要なのか、という問いに対して、伊藤氏は「われわれがシンプルに思うことは『クラウドは万能ではない』ということだ」と説明する。現在のクラウドサービスは“一極集中”型で提供されているため、可用性リスクや地勢的リスクを排除できず、実際に大規模な障害がしばしば起きている。また、膨大な数のコネクテッドデバイスの統合管理、アプリケーション通信の低遅延化なども、よりユーザーに近い拠点で分散処理するほうが効率的だ。/p>

 「たとえばゲーミングや今後出てくるメタバースなどの領域でも、非常に多くのユーザーを数カ所のクラウドロケーションでさばくよりも、数千、数万ユーザーごとにクラスタしたうえで、よりユーザーに近い拠点で(分散的に)処理していくようなユースケースが、今後多く出てくるのではないか。こうした部分を新しいエッジコンピューティングプラットフォームでアドレスして(取り組んで)いきたい」(伊藤氏)

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