写真家 鹿野貴司「Pixel 6 Pro」テストレポート 第2回
グーグル「Pixel 6 Pro」高画質を引き出す6.5倍+αのズーム【写真家 鹿野貴司レビュー】
2022年02月26日 12時00分更新
もっとも超広角での人物撮影は必ずしもNGでもなく、全身をヘソより低いポジションから写すと脚が長く写る効果もある。昔、雑誌で浅野ゆう子さんや藤原紀香さんのインタビューを見ると、決まってそのパターンだったのを思い出した(本人の希望なのか、フォトグラファーがみんな同じことを考えたのかはわかりません)。またお笑い芸人や若手の役者などは、あえて超広角でデフォルメさせて勢いや存在感を出すこともある。
一方落ち着いた雰囲気で人物を写したいのであれば、やや望遠気味のレンズが使うのがセオリー。顔や体型が整って写るし、遠近感が圧縮されることで背景が引き寄せられる。すると写る範囲が狭くなる=背景がすっきりとする=人物が引き立つ。またセンサーサイズの大きな一眼レフやミラーレスでは、焦点距離が伸びるほど大きなボケが得られやすい。
Pixel 6 Proでもポートレートモードで同様の効果が得られる。ポートレートモードでは1xで36mm相当(通常の1.5x)、2xで72mm相当(通常の3x)と、それぞれ通常のカメラモードより1.5倍長めの焦点距離にセットされる。周囲や背景をボカしつつも、自然な遠近感で切り取るなら1xを。背景から浮かび上がるようなショットを狙うなら2xがいいだろう。
ちなみにポートレートモードという名前だが、料理などを接写するときも重宝する。iPhoneではかなり離れないと「離れてください。」のメッセージが消えずイライラするが、Pixel 6 Proではボケの効果こそ弱い(通常の撮影とあまり変わらない)ものの、どんな距離でも撮ることができる。
ボケを得るコツは角度をつけるなどして、画面の中に遠近をつくること。まあこれは一般的な撮影でも同じなのだが、能力を引き出そうとすれば、ちゃんと応えてくれるということでもある。
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