家電量販店スタッフに聞くASCII BESTBUY AWARD2021の激オシモデル 第2回
ディープなモノ選びにもってこい ビックカメラ池袋カメラ・パソコン館
2022年02月22日 20時00分更新
池袋駅東口を出てすぐの明治通り沿い、池袋本店の斜向いに建つビックカメラ 池袋カメラ・パソコン館。専門館としてビックカメラグループの中でも長い歴史を持つ店舗の1つで、2021年夏までは「池袋本店パソコン館」でしたが改装して「池袋カメラ・パソコン館」となりました。
今回、この店舗でパソコンや周辺機器を統括的に見ている伊藤誠司さんと、Macコーナー主任でタブレットに詳しい阿部隆豊さんに話を聞きました。
家の広さが70平方メートル以下で
シビアなゲームをやらないならAtermが一番
まずは伊藤さんに、Wi-Fiルーター部門とテレワーク部門の激オシアイテムを教えてもらいました。Wi-Fiルーターは、NECプラットフォームズの「Aterm WX3600HP」、TP-Linkの「Archer AX73」、エレコムの「WMC-2LX-B」です。順番に見ていきましょう。
Aterm WX3600HPは、Wi-Fi速度が5GHz帯最大2402Mbps、2.4GHz帯1147Mbps、実行スループット1627Mbps。今では爆速というほどではありませんが、端末レベルで通信の優先順位を設定できるQoSを実装しており、ネットワークゲームや4Kストリーミング動画も不安はありません。Wi-Fi 6に対応し、同時接続台数最大36台、利用人数最大12人の安定した通信環境を構築できます。スマホを快適にする「ワイドレンジアンテナPLUS」機能も搭載しています。
「私の一番の推しが、Aterm WX3600HPです。4×4アンテナにWPA3、IPv6など、基本的なところは押さえた『速くてよく届く』ルーター。設定の簡単さや主張しすぎない外観など、老舗のNECらしい万人にオススメできる優等生です」(伊藤さん)
伊藤さんによれば、Atermを購入する人は、Atermの旧機種からの買い替えが多く、安定して長く使えるので、高い満足度を得たリピーターになっているとのこと。サポートも好評。価格と性能のバランスも一番取れていると評価しています。
「ルーターの選び方で相談されたとき、家の広さが70平方メートルを超えると、端から端まで届かせるのは普通のルーターは厳しくなるとお伝えしています。70平方メートル未満で、速度にシビアなゲームは特にプレイしていないような場合や、家族で複数台のデバイスをWi-Fiにつなげたい場合に特にオススメしています」(伊藤さん)
Archer AX73は、6本のアンテナと、ウロコを敷き詰めたような独特の外観が特徴的なWi-Fi 6対応Wi-Fiルーターです。ビームフォーミング、OneMeshやIPv6に対応。8KやVRもラクラクこなします。USBポートを持ち、USBメモリーなどを接続してファイル共有が可能です。Wi-Fi速度は5GHz帯最大4804Mbps、2.4GHz帯547Mbps。
「5GHzと2.4GHzの合計で、5000Mbps超えの高速ルーターの代表格。スペックに対してコストパフォーマンスは随一。外付けストレージを接続して簡易的なNASとして使えるのも面白い機能だと思います。ただしイカつい外観が少し気になるという人も。ガンダム好きにはほぼ確実に刺さりますが、女性からの支持は低めです」(伊藤さん)
アンテナが外付けなので部屋が細長くて、ルーターを端にしか設置できないといった場合でも、飛ばしたい方向にアンテナを傾けて通信環境を改善できます。縦置きはブックエンドなどを使って強制的に立たせるしかないものの、壁掛け用のフックは搭載しています。
「コストパフォーマンスが魅力です。コスパを重視しつつ、自分のデスクの上に置いてゲームを最優先にしたいという人にはベストでしょう。ゲーミングルーターは高性能ですがコスト高ですから」(伊藤さん)
WMC-2LX-Bはメッシュネットワークの簡単構築に注力した、Wi-Fi 6対応ルーターです。IPv6に対応し、Wi-Fi速度は5GHz帯が1201Mbps、2.4GHz帯が574Mbpsと、今回挙げた他の製品に比べると控えめ。
「エレコム独自のe-Meshにより、これまで高価格だったメッシュルーターを手軽に購入できるようになったことが良いと思います。この商品がヒットしたことで、かえって“つながりにくさ”にストレスをお持ちのお客様がことのほか多いことを実感しました」(伊藤さん)
本体を2つ同梱するモデルなら最初からペアリングされた状態のため、特に設定しなくてもメッシュが構築できます。あとから追加する場合は、本体背面のボタンを1プッシュするだけでペアリング可能。
「テレワークの普及で、家の中で自由にネットワークを使いたいというニーズが増えてきました。メッシュネットワークはそういう人に向いています。家が70平方メートル以上あって、家のあちこちでWi-Fi機器を使いたいというような場合、中継機を導入するより、本機が絶対にオススメです」(伊藤さん)
絶妙なカチャカチャ具合
自分も使っているロジクールの青軸系キーボード
続けて、テレワーク部門の激オシです。伊藤さんはロジクールのゲーミングキーボード「GX Blue Switch G512-CK」、Ankerの急速充電アダプター「Anker Nano II 65W」、エレコムのウェブカメラ「UCAM-CX80FBBK」をピックアップしました。
オリジナルの青軸キースイッチ「GX Blue」採用のメカニカルゲーミングキーボードです。接続は有線。LEDでキートップが鮮やかに光ります。
「私も青軸が好きです。店頭で打鍵感を比較して最も『絶妙なカチャカチャ具合』だったので、自分でも購入して使っています。クリック音が大きいので職場では使わずもっぱらテレワーク専用機として家で使用しています」(伊藤さん)
キーボードの打鍵感は人によって好みが別れます。どれが良いという絶対的な基準はないので、店頭で実際に触ってみてストロークの深さやキーの押下圧などが自分の好みと合うか試してみましょう。特にスペック表だけでは絶対に分からないのが「音」です。家族や同僚のストレスになるようなノイズを出したくないという場合も、店頭なら実際に触って静かなキーボードを探せます。
「ロジクールの独自ユーティリティの『G Hub』を使えば、キーやボタンのレイアウト変更や、LEDの制御も可能です。プロゲーマーによってはキー配置を公開しているので、自分のお気に入りのプロゲーマーのキー配置を簡単に真似できます。そうした楽しめる部分の多い点もこのキーボードの良いところだと思います」(伊藤さん)
Anker Nano II 65Wは、コンパクトなキューブ型で人気の急速充電アダプターです。折りたたみ式のプラグを搭載し、USB Power Delivery(PD)対応の65W出力を備え、iOS、Android、WindowsというOSの違いを意識することもなく、スマートフォンもタブレットもノートPCもこれ1つで充電可能。重たいACアダプターを持ち歩く必要がありません。半導体素材に窒化ガリウム(GaN)を採用し、独自の制御テクノロジー「Anker GaN II」で安定した充電を実現します。
「こちらも自分でも使っているアイテムです。会社とテレワークを両立するため、2個目のACアダプターとして購入しました。このサイズで65W出力できるのが本当に素晴らしい。出先でA4ノートを使う際は必ず使用しています」(伊藤さん)
伊藤さんによれば、最近はAnkerのファンが増えており、指名買いが大変多いそうです。ゲーミングPCなど、より大きな出力が必要な場合もあるため、店頭で利用するデバイスの型番を教えてくれればその場で対応しているかどうか調べてくれるとのことでした。
伊藤さんの激オシの最後はエレコムのUSB接続ウェブカメラ、UCAM-CX80FBBKです。4K対応・830万画素の高画質で、DOL-HDR技術も搭載。明るく鮮やかな映像が映せます。ステレオデジタル内蔵マイクを搭載し、2マイク式ノイズキャンセリング、プライバシーシャッター、話者マーキングやオートズームなど便利な機能が満載。
「コストパフォーマンスを重視した製品の多いエレコムが、高価格帯のウェブカメラを発売したことに驚きました。画質はもちろん、オートズームなど会議用カメラとしてのスペックも申し分ありません」(伊藤さん)
ウェブカメラで2万円台は高いと感じる人も多いと思いますが、伊藤さんはこれほどの高性能であればむしろ安いと断言します。
「たとえば本社の会議室で複数が参加して、支社ともオンライン会議でつながっているといった場合、このカメラは複数の話者を見分け、いま喋っている人を自動でマーキングします。非常に高画質なので、一人で使う場合もきれいな映像が見せられます。配信用のカメラとしても優れていると思います」(伊藤さん)
激オシ3製品がすべて部門賞獲得
ビックの注目する最新デジタルガジェット
最新デジタルガジェット部門は、Macコーナー 主任の阿部隆豊さんに案内してもらいました。阿部さんの激オシは、レノボのタブレット「Yoga Tab 13」と、アップルのタブレット「iPad mini」。そして、ニコンのフルサイズミラーレス一眼カメラ「Z9」。3製品とも最新デジタルガジェット部門の部門賞受賞製品です。
Yoga Tab 13は、SoCにSnapdragon 870を搭載した13インチLTPSディスプレイ採用のタブレットです。Micro HDMI入力端子を搭載しており、PCやコンソールゲーム機のサブディスプレーとしても利用可能です。棒状のバッテリーが本体の片側に寄った独特の形状をしており、手に持ちやすいのもポイントです。
「13インチクラスの中で、Yoga Tab 13は価格が大きな強みになっています。Micro HDMI入力端子付きで、サブディスプレー/モバイルディスプレー用途にも使えます。これは便利。ディスプレーも高品質です」(阿部さん)
14インチタブレットは種類が多いのですが、13インチは意外と少なく、あっても価格が15万円近くするか、性能がイマイチというケースがほとんど。そんな中、13インチでこの基本性能と高画質なディスプレーを実現し、8万円台という低価格に抑えているという点で、他に競合のない製品に仕上がっています。
「画面がきれいなので、テレワーク時にPCのサブディスプレーで使う人も多いです。もともとPCがなくても使えるスペックで、パソコンでなければやりづらい仕事でなければこの一台で十分。エンタメからビジネスまで幅広く利用できます」(阿部さん)
一方、8.3インチの小型タブレットの代表格がiPad mini。最新モデルではホームボタンを排除し、上下左右のベゼル幅が均一になってシャープな印象になりました。CPUはA15 Bionicを採用。本体上部の電源ボタンが指紋認証のTouch IDと一体化して使いやすくなっています。
「最新のA15 Bionicチップに加え、Wi-Fi+Cellularモデルの5G対応、iPad Airに続く側面でのTouch ID搭載で、コンパクトなタブレットを選ぶなら最適解です」(阿部さん)
阿部さんはAndroidでこのサイズでしっかりした性能を備えた製品もあまりなく、カバンに入れて気軽に持って歩けるサイズを重視するなら、ほぼ唯一の選択肢だと言います。
「日本にはiPhoneユーザーが多く、iPhoneユーザーでタブレットを求めるなら、iPadをオススメしない理由がほぼありません。Androidスマホのユーザーでも、このサイズだとiPad miniを選ぶ人が多いです。アップルはサポートが優れており、全国に対面型のサポート窓口が用意されています。電話サポートもしっかりしています。初心者からプロまで安心して使えます」(阿部さん)
最後はニコンの新たなフラグシップとなる、フルサイズミラーレス一眼カメラ「Z9」です。これまでニコンのフラグシップだった「D6」を凌駕する、動画も静止画も過去最高と言われる性能に仕上がっています。特に動画機能は大きく進化し、フルサイズミラーレスとして世界で初めて8K60pの撮影に対応。RAW動画出力にも対応しています。プロからハイアマチュアまで注目の一台です。「予約初日から爆発的な注文がありました。ハイアマ機のユーザーをも取り込む性能と価格で大人気です」(阿部さん)。
70万円という価格は決して安くありませんが、フラッグシップカメラとしてはむしろ憧れが手に届く価格。カメラは一度発売するとモデルチェンジには時間が掛かり何年も売れ続けるので、「これを待っていた」というユーザーが飛びついている状態と言えそうです。
「一眼レフの標準レンズや望遠レンズがマウントアダプターでそのまま使えることもあって、Z6などの一眼レフから乗り換える人も多い。記録メディアはアマチュアだと64GBが主流ですが、プロは512GBを用意する人もいますね」(阿部さん)
ビックカメラ 池袋カメラ・パソコン館は、PC本体、周辺機器、パソコンデスクなど、環境を1から整えたいという人が頼れる専門館。1人の店員さんに丸ごと相談もできるし、この分野はこの人が強いという店員さんに満遍なく相談することもできます。ディープに物を選びたいという人にはもってこいの店舗と言えます。
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