連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第20回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2月12日~2月18日分
ローコード/ノーコード国内市場は500億円突破、女性社外取締役が見つからない、ほか
2022年02月21日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。
今回(2022年2月12日~2月18日)は、国内のローコード/ノーコード市場規模、内部脅威が与えるインパクト、オンライン物価変動、国内企業の女性社外取締役採用についてのデータを紹介します。
■[ローコード/ノーコード][DX]DXの追い風受け、国内のローコード/ノーコード開発市場が活況(アイ・ティ・アール、2月17日)
・ローコード/ノーコード開発市場は2020年度、前年比24%増の515億8000万円に
・DX推進で多様なニーズに対応する手段として注目度高まる>
・2023年度には1000億円規模に達する予測
コードをほとんど/まったく書かずにサービスを開発できるローコード/ノーコード開発市場に関する国内調査。2020年度、この市場は24.3%成長し515億8000万円に。とくに上位ベンダーの売り上げの伸びが市場を牽引したという。DXを進めるにあたって多様なニーズに迅速に対応することを目的に注目度が高まっており、内製化による開発コスト減にも寄与することから、今後も導入が進むとみる。2020年~2025年の年平均成長率(CAGR)は24.4%で成長し、2025年には現在の3倍近くの1539億円市場を見込む。
■[セキュリティ]内部脅威による損失は2年で34%増加し年間1540万ドルに(日本プルーフポイント、2月17日)
・内部脅威が組織に与える損失は年1540万ドル、2年前から34%増加
・インシデントの56%(3807件)は内部関係者による
・対処のためのコストでは「事業の中断」「テクノロジー投資」が上位に
内部関係者による過失や悪意のある行動などの「内部脅威」が引き起こす損失と傾向について隔年で調べる「内部脅威による損失グローバルレポート2022」より。4回目の今回は、内部関係者が原因となったイベントを過去に経験している約300の組織、1000人以上のIT/セキュリティ担当者を対象に聞いた。内部脅威による損失は、2年前から34%増加して年1540万ドル、インシデントの発生頻度についても、67%の組織で年21~40件発生するなど増加傾向にあるという。
■[経営][CIO]技術の活用と業績に相関関係あり、ハイブリッドクラウド運用の導入進む(日本アイ・ビー・エム、2月17日)
・「ハイブリッドクラウド運用の成熟度が向上した」は2019年比700%増加
・42%のCIOが、今後3年でテクノロジーが最も影響を与える分野は「サステナビリティ」と回答
・「リモートワークが恒久的になる」と考えるCIOは23%、従業員の意向と差が見られる
IBM Institute for Business Value(IBV)が世界45の国/地域のCIOやCTO、5000名を対象に行った調査「経営層スタディ・シリーズ:CIO スタディ 2021」の日本語版。コロナ禍の2年間で700%増加したハイブリッドクラウド運用など、技術の導入が増えた。技術と業績との関係では、技術の成熟度と業績に相関関係があることもわかった。また、83%が「リモートワークを実施中」だが、「コロナ後も定着する」とみるCIOは23%にとどまった。一方で、調査対象組織の従業員の65%はリモートワーク/ハイブリッドモデルで働きたいと回答しており、従業員の意向との乖離が見られた。
■[生活][EC]米国のオンライン価格は20ヶ月連続でインフレ傾向、エレクトロニクスの価格は下落(Adobe、2月18日)
・2022年1月のオンラインインフレ率は2.7%
・食料品と医療品の2カテゴリの価格が過去最高を記録
・エレクトロニクスは下落傾向維持、前年同期比3.4%下降
Adobeが米国の消費者物価指数をモデルにオンラインの購入価格を観測する「Adobe Digital Price Index(DPI)」の最新版より。1月のオンライン価格は前年同月比2.7%上昇し、20ヶ月連続でインフレとなった。最も価格が上昇したのは「食料品」で前年同月比5.8%増、次いで「医療機器・用品」の同8.2%増となった。「エレクトロニクス」の価格は前年同月比3.4%減、2015年から2019年の間、平均して前年比9.06%減で価格が下がっている。このほか「宝飾品」「書籍」「玩具」「コンピュータ」でも値下がりが見られたと報告している。
■[経営][SDGs]女性社外取締役を46%が探している・検討中、だが候補者が見つからない(SOICO、2月10日)
・女性社外取締役を探している・検討中の企業は約46%
・採用の理由は、「多様性を保ちたい」「機関投資家や海外投資家からの指摘」が多い
・女性社外取締役の採用で最大の課題は、「候補者が見つからない」
東京証券取引所の再編によるプライム市場への移行や女性活躍推進の流れを受け、女性の社外役員が注目されている。調査では、従業員1000人以上の企業の経営者/役員300人に、女性社外役員について聞いた。女性社外取締役を登用している企業は32.3%、「探している」と「検討中」は合計で約46%となった。一方、採用での課題を聞いたところ、55.6%が「要件を満たす女性候補者が見つからない」を挙げた。なお、性別に関係なく社外役員に対する適正報酬は「1000万円以上」が最も多かったという。
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