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スタートアップにおける知財担当採用の重要ポイントとは

スタートアップ向けセミナー~スタートアップ企業に必要な知財人材と体制~ by IP BASE

特集
STARTUP×知財戦略

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1人目の知財担当を採用する前の体制と課題は?

木本氏(以下、敬称略)まずは採用前の知財体制を教えていただけますか。

坂(以下、敬称略)1人目を採用したのが2019年の3月。マネーフォワードで知財訴訟が起きたのは2017年ですが、当時は私1人が知財を担当していました。ただ、担当といってもあまり注力できておらず、外部の弁理士さんとの付き合い方も顧問弁護士の事務所に弁理士の方もいたので、その方にお願いしていた形です。そのため、アウトプットの評価方法もわからず、迷うことが多かったです。

木本 2017年に採用しようとはならなかったのですか?

 採用したかったのですが、知財人材はなかなかマーケットに出てこなくて、結果的に採用まで1年半かかりました。すぐにいい人が見つかるとは限らないので、採用活動はとにかく早く始めたほうがいいです。

橋本氏(以下、敬称略)弊社ではまだ専門家の採用に至っておらず、2021年4月から私が知財担当を兼任しています。それ以前はCTOと外部の特許事務所が知財の活動を行っていました。スタートアップのCTOはすごく多忙なので、知財よりも開発を優先してしまいます。たまたま私は研究で特許に携わった経験があったので、私が引き受けることになったのが経緯です。

中村氏(以下、敬称略)弊社もまだ知財専任者の方が入社される前でして、出願については、外部の特許事務所に任せています。外部の弁理士さんと日々やりとりする中で、明細書は職人技で、少しかじったくらいでは通用しない、と感じたのがインハウスの知財専門家が必要と感じた理由の一つです。

市川氏(以下、敬称略)私は採用された側ですが、弊社がIPASに参加して知財部門の必要性に気がついたのがきっかけです。

木本 IPASに応募されるスタートアップは、社内に知財部門がまだない企業が多いのですか?

鎌田氏(以下、敬称略)そうですね。IPASに応募されるのは、知財の重要性は知っていてもどうしていいのかわからないので助けてほしい、という方々ですね。

安高氏(以下、敬称略)興味深いのは、知財専任の担当者が入る前のフェーズは必ず存在しますが、その際に、どのポジションの方が知財業務を兼任するか。R&D側の人なのか、法務なのかは、大きな違いだと思います。それによって知財戦略も変わってくる。どちらがいいんでしょうね?

中村 法務の人が必ずしも特許に明るいわけではないので、どちらかというと技術の中身に詳しい人のほうが、外部の弁理士さんとの対話がうまくいくように思います。

橋本 私は研究開発や製品の企画に近い位置で知財を担当しています。スタートアップは、短期間に新しい技術がばんばん出る時期があります。それらの知財を取っておくとすごく強みになりまるので、タイミングを逃してしまうのはもったいない。僕が手を挙げたのは、現場の発明をいち早くキャッチアップして、スピーディーに権利化することを優先したのが理由です。

木本 R&D部門と知財は近い部分もあり、開発に関わっている方に知財感度が浸透するかは大きなポイントですね。

 トラブルを経験すると、リスク管理として法務が担当することになりやすい。日常的に攻めとして知財体制を整備しようとすると、開発サイドからになるのかな、という気がします。

株式会社マネーフォワード 執行役員CCO(最高コンプライアンス責任者)坂 裕和氏

株式会社RevComm R&D部門統括 橋本 泰一氏

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