古くからの地名を今に伝える牡蠣
福岡市の唐泊漁港は、かつては遣唐使を送り出す船などの寄港地として位置づけられた、歴史ある港です。唐泊は「からとまり」と読み、昔は「からこ」や「からごう」と呼ばれていたと言われています。現在では、福岡市西区にある宮浦地区の漁村・漁港部分の総称として呼ばれています。
冬漁の主幹魚種であるカタクチイワシの漁獲量が低迷し、名物であった「煮干しイリコ」を安定生産できなくなったため、カタクチイワシ漁から撤退し、2001年よりマガキの養殖に着手しました。現在は、イワガキの養殖も行っています。
唐泊には、栄西禅師により開かれたと伝わる臨済宗のお寺「東林寺」があります。この東林寺には「龍神さま」と「えびす様」が一緒に祀られていましたが、後に、蛭子崎(現:唐泊崎)に「恵比須神社」を建立し、移転させたと語り継がれています。
また、『筑豊沿海志』や『北崎村誌』には「福岡市西区唐泊は、蛭子崎東(えびすざきひがし)に位置し、恵比須神社は夷崎(えびすざき)字櫛(あざくし)にある」とも記されています。
このように歴史のある地名を後世に残すため、唐泊産のブランド牡蠣として「唐泊恵比須かき(からとまりえびすかき)」と名付けました。
安心・安全にこだわり、プリプリの身を堪能できる
福岡市漁業協同組合唐泊支所では、「現地で食べてもらいたい」との思いから、かき小屋での販売に力を入れています。かき小屋では、安心して食べていただくために、福岡市漁業協同組合と漁業者が一体となって、直接管理・販売を行うとともに、ノロウイルスなどの衛生検査も毎月実施することを徹底し、「安全性はどこにも負けない」という自信を持って提供しています。
マガキの旬は、毎年11月上旬〜3月下旬頃まで。イワガキの旬は、毎年4月中旬〜7月下旬頃まで。4月中旬から5月上旬はマガキとイワガキの時期が重なるため、運が良ければ、かき小屋で両方を味わえます。
唐泊恵比須かきは、福岡市と連携して試行錯誤してきた育成方法により生産された自慢の牡蠣。濃厚なのに臭みがないプリプリの身と大きく育った歯ごたえのある貝柱が特徴です。生でも焼いてもおいしい福岡の海の幸をぜひご堪能ください。
市内産の牡蠣が食べられる認定店
唐泊恵比須かき小屋
唐泊恵比須かき小屋は、福岡市のブランド牡蠣、唐泊恵比須かきが食べられる福岡市漁業協同組合直営のかき小屋です。福岡市の中心部から車で約1時間、福岡市西区の海釣り公園に隣接しており、海を眺めながらお食事を楽しむことができます。毎年11月頃から3月頃までオープンしています。
「唐泊恵比須かき」1000円
濃厚でプリプリの身と大きく育った歯ごたえのある貝柱が特徴の唐泊恵比須かきをお腹いっぱい食べられます。半盛は500円(※別途、炭代として1テーブルにつき300円)。その他にも、さざえやはまぐり、ホタテなど近海で獲れた新鮮な魚介類も用意しています。焼き台は約70台。
「唐泊恵比須かき佃煮パック」500円
濃厚でプリプリの牡蠣の旨みがぎゅっと詰まった、唐泊恵比須かき佃煮パックも人気です。
店名:唐泊恵比須かき小屋
住所:福岡市西区大字小田
電話:092-809-1047
URL:http://www.karatomari.jp/