専属のサクセスプランナーがユーザーに伴走して、Autoジョブ名人導入をサポート

成功率100%は本当? カスタマーサクセスプランならRPAも挫折しない

文●大谷イビサ 編集●ASCII

ユーザックシステム

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 RPA製品「Autoジョブ名人」の導入を確実に成功させるために登場した「カスタマーサクセスプラン」。提供開始から約半年の間、成功率100%を誇るというサービスの効果や工夫についてユーザックシステム RPAカスタマーサクセス事業本部の勝又祐香氏と大島有紀子氏に話を聞いた。

RPAカスタマーサクセス事業本部の勝又祐香氏、大島有紀子氏

「導入したけど……」という声に応えたカスタマーサクセスプラン

 まずは今回、取材したお二人のビジネスプロフィールから紹介しておこう。

 勝又氏はユーザックシステムに入社して4年目。初年度は直販営業としてユーザック製品全般を販売していたが、2年目にRPA専業の営業になったという経緯を持つ。マーケティング部門やインサイドセール部門からリードを得て、商談を進めたり、販売店からの相談にのったりする。「当初は弊社のRPA製品をメーカーとして直接販売するのがメインでしたが、最近は販売店様を支援することも多いです」とのことだ。

 一方の大島氏は、今年で入社6年目のSE。入社当時はユーザックシステムが得意とする受発注関連のソフトウェアの導入支援を手がけ、4年目からRPA専業のSEとなった。その頃から、カスタマーサクセスプランの前身となる顧客の導入支援を手がけるようになり、カスタマーサクセスプランの開始とともに正式にサクセスプランナーとなり、顧客のRPA導入をサポートしている。

 カスタマーサクセスプラン導入前、RPAに関しては、「導入したけど、うまく使いこなせない」というユーザーの課題があった。うまく使えないということもあるし、使いこなしているつもりなのに、実際はうまく動いてないといった例もある。また、組織がRPA慣れしていないため、開発が押し付け合いになって、結果としてトライアル期間が済んでも導入自体が流れてしまうこともあった。

 ユーザックシステムとしても、こうしたユーザーに対する導入支援が十分でなかったというジレンマがあった。もともとは導入時に半日3回分の開発指導を行なうのだが、それ以降は契約内容の兼ね合いもあり、ユーザーから問い合わせがない限り、自発的にサポートをする事が難しかったという。「お客さまが困ってくるのは、技術を身につけたあと、社内展開するとき。でも、われわれとしては問い合わせがない限りは、うまくいっているのか、まったく使ってないのかが、見分けが付きにくかったのです」と大島氏は語る。

 他社の製品でもやはり導入から安定運用に進むのはハードルも高い。「相談先がなくて、うまく使いこなせず、結局弊社製品に乗り換えるというお客さまもいます。あと、海外製品だと英語のマニュアルやFAQはとても充実しているのだけど、日本語だと情報が足りないというお声はよく聞きます」と勝又氏は語る。 

専属のカスタマーサクセスプランナーがプランを作ってユーザーと伴走

 顧客の「RPAをうまく使いこなせない」という課題とユーザックシステムの「RPAを使いこなして成果を上げてもらいたい」という想いから生まれたのが、専属のプランナーがユーザーと伴走する「カスタマーサクセスプラン」になる。最短3ヶ月の支援期間でモデル業務を自動化し、Autoジョブ名人の導入を確実に成功させるサービスだ。

 カスタマーサクセスプランナーとユーザーとのキックオフミーティングでは、営業が事前にヒアリングしたユーザーのやりたいこと、自動化したい業務をいっしょに棚卸ししていく。「たとえば、ダウンロード処理だけなら簡単なのですが、基幹システムに送るとか、集計処理をはさむ場合は、習熟してからの方がよいですよね。こうして棚卸しをした業務のうちどこから自動化させるか、プランを立案していきます」と大島氏は説明する。もちろん、3ヶ月で完成しないこともあるので、1年後のプランまで含めてプロジェクトを作っていくという。

カスタマーサクセスプランの概要

 その後、カスタマーサクセスプランナーがAutoジョブ名人の開発指導を行なう「オンラインサロン」を2週間に1回の割合で実施する。こちらもサンプルではなく、キックオフミーティングでピックアップしたモデル業務のうち、簡単そうな業務のスクリプトからいっしょに作っていく。シンプルなデータダウンロードの自動化あたりから始め、できることを徐々に増やしていく方法で学んでいく。Web会議にて実施する「オンラインサロン」は録画データも共有されるので、学んだこともきちんと復習でき、クリアできないところは次回に質問するという。

 注目したいのは、大島氏のような専属のカスタマーサクセスプランナーがつくこと。他社だとコールセンターにかけて、イチから状況を説明しなければならず、状況によってはレスポンスが悪いこともありうる。「その点、カスタマーサクセスプランは専任のプランナーが、お客さまの状況も、自動化対象の業務について把握しています。使い勝手もサポートもいいので、安心して購入できるというお言葉をいただくことも多いです」と勝又氏は語る。

2週間ごとに開催されるオンラインサロンに向け質問を溜める

 カスタマーサクセスプランを活用したユーザー事例としては、3ヶ月で20シナリオの自動化を成功させたネット通販企業のTakumiが挙げられる(関連記事:【導入事例】ネット通販のTakumi様、カスタマーサクセスプランでRPA活用のスタートダッシュに成功!

 Takumiの場合も、2週間に1回の頻度で、2時間のマンツーマンのオンラインサロンを実施した。担当した大島氏は、「課題を出して、それを2週間でクリア。溜めておいた質問をオンラインでぶつけてもらいます。これを2ヶ月やりました」(大島氏)。実業務の自動化をオンラインサロンで重ねることで、Takumiの担当者はシナリオの開発方法を身につけていったそうだ。

 Takumiは開発を進めるとともに、棚卸し業務の絞り込みも行なっている。「開発しているうちに、キックオフのときに棚卸しした業務の一部が、実はRPAに向いていないことにご自身で気づかれました。業務の途中で人の判断が入るので、シナリオを作れても効果が出ないとか、逆に棚卸ししていなかったけど、応用範囲がわかったので、新たに自動化対象業務に追加したりとか、かなり優先順位は入れ替えられていたようです」と大島氏は語る。

 Takumiの場合は、本日出荷分の在庫引き落としを倉庫管理に指示する出荷報告データの作成から始まり、出荷報告データのCSV出力とダウンロード、出荷報告データを送り状ナンバーに取り込むためのシステムへのインポートなど、できるところから次々と自動化していった。最終的には複数の自動化シナリオを連結させて自動化の範囲を拡大。プランが終わる頃には20本程度のシナリオを開発していたという。

 カスタマーサクセスプランナーとしては、自らが関わらないユーザー企業の業務の自動化を設計しなければならない。これに関して大島氏に質問すると、「正直、業務理解は大変なときもありますが、どのお客さまも、サイトが違う、システムが違うくらい。業務を分解すると、やっていることはダウンロード、アップロード、入力のいずれかで、実は似たような処理が多いんです。こうして処理の難易度をベースにお客さまにヒアリングし、整理して業務を理解しています」と語る。

成功の鍵は「3ヶ月間、ユーザーがRPAに向き合うから」

 昨年8月に提供開始されたカスタマーサクセスプランだが、実は現在に至るまで失敗がない。どのプロジェクトも必ず成功している。こうした成功の背景について大島氏は、「3ヶ月間、RPAにお客さまが向き合ってくれたから」と語る。

 オンラインサロンは2週間に1回、2時間マンツーマンで実施するものの、逆に言えば日常業務が忙しくて、その時間しかRPAに触れないというユーザーもいる。この場合は3ヶ月を費やした割には、自動化できる業務はおのずと少なくなってしまう。「(Takumiの事例のように)オンラインサロンの間で質問を溜めておくというのが非常に重要。講習を受けるだけではなく、とにかく自分で作ってみるというのが成功の鍵だと思います」(大島氏)。RPAを開発するユーザーの担当者が能動的に学び、実践することがやはり重要というわけだ。

 勝又氏はカスタマーサクセスプランを提案する立場として、向いているユーザーはいるという。「新しいスキルを身につけるのがうれしいと感じる方、3ヶ月間専任がついてくれるならできそうだなと思ってくれている方はぴったりです。そもそもカスタマーサクセスプランに対して前向きな方は、熱意ややる気があるので、成功しますね」と語る。その上で、「カスタマーサクセスプランナーは、お客さまのやる気を引き出すのが上手だと思います」という。

 これに対して大島氏は、「最終ゴールは難しくても、最初からハードルを上げない」ということを意識しているという。そもそも文系出身の大島氏自身が、最初に製品を触ったときに感じたのは、『難しそう、わからない』という気持ちだったそう。「その難しそう、わからないという気持ちは今でも大事にしています」と大島氏は語る。

 サクセスプランナーはあくまでも支援者。導入担当者が自身で悩み、支援を受けながら作り上げたスクリプトには愛着が沸くものだ。このスクリプトを使い続け、拡げるにはどうしようかと考えると、担当者にはチャレンジ精神が沸いてくると言う。「開発の疑問に対して、すぐに正解を言ってしまうと、別の業務での応用が利かないというか、いろいろな種類のRPAを展開していくのが難しくなってしまいます。私たちのサポートはお客さまに自ら開発するスキルを身につけてもらうのが目的なので、あくまで足場をかけるのが重要だと思います」(大島氏)

 もう1つ心がけているのは、他社の事例やノウハウも伝えていること。「RPAの開発って社内だけでやっていると、わりと孤独な作業だと思うんですよ。だから、お客さまは他社がどのように使っているのか、今作っているスクリプトがどのくらいのレベルなのかわからないんです。その点、われわれはメーカーとして、お客さまの事例はいっぱい持っているので、成功や失敗のパターンをお伝えできます」と大島氏は語る。

ゴールは「RPAと働くのは当たり前の会社になること」

 導入後の変化について大島氏は、「RPAにも向き不向きがあることを理解してくれるお客さまが多い」と指摘する。RPAを導入する先の事業部門は、RPAであれば何でも自動化できると考えているユーザーも多いが、カスタマーサクセスプランを経ることで現実的な目線を持ち、効果を出しやすい業務が見えるようになるという。

 一方で、勝又氏は、「カスタマーサクセスプランが確実に(お客さまの)自信につながっている」という。「カスタマーサクセスプランが完了した後、開発動向をお聞きすると、まったく進んでいないというお客さまはほぼいない。困ってもいったんは自力解決を目指し、前向きに自動化に取り組んでいるお客さまがほとんどです」(勝又氏)。

 さらに勝又氏は「パッケージをお客さまに渡して、あとは自分たちでがんばってくださいでは、RPAの効果を得るのに時間がかかります。社内で開発基盤を作り、自らシナリオを増やせるのが理想。そのためのきっかけと成功体験を提供し、お客さまとともに先々の業務改善を考えていくのがカスタマーサクセスプランです」と語る。 Autoジョブ名人は最大2ヶ月というトライアル期間も大きな売りだが、カスタマーサクセスプランの導入により、トライアルなしで本導入に入るパターンも増えたという。

 大島氏は、「単に『使えるようになる』ではなく、『RPAと働くのが当たり前の会社にしていく』ことを目指しています。この目的を実現するために、なにから手をつけるべきかを考えるので、最初の3ヶ月はあくまで準備期間という認識です。お客さまのご意見を取り入れながら、今以上にRPA導入成功に近づけられるようなプラン内容を今後も模索していきたい」と語る。ユーザックシステムでは、カスタマーサクセスプランを通してRPAでの業務改善を続々成功させるべく、Autoジョブ名人の販売企業へのノウハウ提供やスキル育成も進めているという。

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