2022年1月13日、Sansanは新サービスとしてクラウド契約業務サービス「Contract One」を発表。主要な電子契約サービス事業者7社と連携し、紙から電子まであらゆる契約書を一元管理する環境を提供することで、契約業務の包括的なDX化を推進する。
紙を含めた契約書を一元管理 契約業務のリスクを管理
契約業務サービスを謳うContract Oneは「スマート台帳」と「スマート判子」と呼ばれる機能で構成される。前者のスマート台帳は、紙を含むあらゆるフォーマットの契約書をユーザー企業の代わりにContract One側で受領し、データ化。電子帳簿保存法に対応した「真実性」と「可視性」の要件を満たした状態で、クラウド上で一元管理する。名刺管理サービスなどでSansanが培ってきたデータ化技術が大きな強みとなる。
また、後者の「スマート判子」では、ユーザー企業の印鑑を預かることで、紙の契約書の発行作業まで代行する。具体的にはContract One上でユーザー側が指示することで、Sansanが契約書の印刷・製本・押印までを代行し、取引先に郵送する。契約書の作成から押印、郵送まですべてオンラインで完結するのが特徴となっている。
Contract Oneの目的は、「押印と保管/管理、紙と電子の両面のDX化を行なうことで、リスク管理を実現する」こと。すべての形式の契約書を一元管理することでDX化し、あわせて更新忘れや契約書の紛失、変更・解約時のトラブル、法的な罰則など、さまざまなリスクの管理を実現するという。
デジタルとの混在前提で紙の作業も代行 主要電子契約サービスとも連携
名刺管理サービス「Sansan」「Eight」などを手がけるSansanは、2020年5月に請求書受領サービス「Bill One」を発表。請求書の次に続く新規事業が契約書を扱う今回のContract Oneになる。2021年7月のプレローンチから半年間で45社のユーザーを獲得したことから、今回サービスの本格展開が発表されたという。
Bill OneとContract Oneで共通しているのは、紙の作業、データ化を代行するという点だ。発表会で登壇したSansan 代表取締役社長/CEO 寺田 親弘氏は、「周辺企業に負担を強いるデジタル化はなかなか拡がらない。周辺企業に左右されない自分たち本位のデジタル化が重要」と指摘し、「アナログを許容したデジタル化」というサービスの方向性を示した。
特に契約業務はデジタルが導入された結果、紙と電子が混在することで、ますます複雑になってしまっているという。そのため、Contract Oneが契約締結からデータ化・保存、管理・活用までをワンストップで担うことで、業務の効率化や内部統制の強化、多様な働き方を実現する。
また、主要電子契約サービスと連携するのも大きな特徴。連携するのは「クラウドサイン(弁護士ドットコム)」「電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス)」「Adobe Sign(アドビ)」「jinger(jinger)」「マネーフォワードクラウド契約(マネーフォワード)」「NINJA SIGN(サイトビジット)」の主要7社のサービスとなっている。
Contract Oneは同日より正式提供を開始。利用料は月額10万円~で、契約書のデータ化件数に応じて変動するという。