ASRock原口氏とパソコンショップSEVENに聞く、i5-12400F+「B660M PRO RS」の魅力
最新第12世代Core i5+ASRockのB660マザー採用ゲーミングPC「ZEFT G24CZ」がゲーミング性能バッチリで超お手頃な理由とは
2022年01月14日 11時00分更新
Core i5-12400F搭載のコスパ重視モデル
マザーボードはB660M PRO RSを採用
──今日はよろしくお願いします、まずは、ZEFT G24CZがどのようなコンセプトをもとに用意されたパソコンなのかを教えてください。
中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):昨年、インテルの第12世代Coreプロセッサーが登場し、弊社でも最上位モデルの「Core i9-12900K」搭載モデルが非常に好調です。そして、第12世代Coreプロセッサーのミドルレンジ向けモデルが発売となったわけですが、その中でも弊社が注目したのは「Core i5-12400」と「i5-12400F」です。これらのCPUを中心に据え、メインストリーム層やライトゲーマー層に刺さるゲーミングパソコンとして設計したものが、ZEFT G24CZになります。
──i5-12400Fに注目した理由は何でしょうか?
中嶋氏:i5-12400Fは、6コア/12スレッドのミドルレンジ向けCPUで、TurboBoostによる最大動作クロックは4.4GHzと、多くのお客様に満足いただけるスペックだと思っています。比較的負荷の軽めなゲームですと、Core i3でも十分プレイ可能ですが、負荷が重めのタイトルでゲームメーカーの推奨環境を満たす意味でも、Core i5を採用したパソコンを提案できればと、i5-12400Fを選択した次第です。
西川 龍氏(以下、西川氏):今回、i5-12400とi5-12400Fでは若干の価格差が付けられています。ゲーミング用途では、ビデオカードを利用する場合がほとんどなので、コスト差も考えてi5-12400Fを選択しました。もちろん、BTOにはi5-12400もご用意いたしますので、内蔵グラフィックス機能が必要な方はそちらを選んでいただければと思います。
西川氏:以前までは、弊社ではCore i9、i7、i5の順で人気がありました。それが第11世代Coreプロセッサーで、Core i7、i5、i9という順に変わりました。第12世代Coreプロセッサーでは、今のところCore i9が人気ですが、Core i5は価格のお手軽さだけでなく、発熱対策の敷居の低さやにより、CPUクーラーやケースであまり追加費用が要らないことから、今後はかなり人気を集めてくるのではないかと思います。
──ZEFT G24CZでは、そのi5-12400Fの冷却に、製品付属のいわゆるリテールクーラーを採用していますが、冷却面では問題なかったのでしょうか?
中嶋氏:「CINEBENCH」や「PCMark」など、いくつかのベンチマークで動作検証を行ないましたが、瞬間的なピーク温度でも74度までしか上がらず、リテールクーラーでも冷却面はまったく問題がありませんでした。もちろん、静音の観点では、簡易水冷クーラーにはおよびませんが、今回はコスト面を重視してリテールクーラーを採用しています。ですので、静音性を重視したり、今後CPUを上位モデルへと載せ替えたりする予定がありましたら、BTOから簡易水冷クーラーを選んでいただければと思います。
──マザーボードにmicroATXを採用する理由はなんでしょうか?
中嶋氏:ASRockさんのATXタイプのB660 PRO RSと、microATXのB660M PRO RSを比較すると、基本機能はどちらも同じですが、PCIe x16スロットの数などの拡張性が異なっています。ゲーミング用途でビデオカードを2枚装着するのはかなりレアケースなため、多くのお客様にとってmicroATXでも十分な拡張性を提供できると判断しました。あと、microATXのほうが価格を抑えられるというのもあります。
原口 有司氏:microATXとATXでは、ざっくりですが3000~5000円の価格差があります。B660 PRO RSのコストパフォーマンスも高いですが、B660M PRO RSであればさらに向上します。電源回路などの設計はATXとmicroATXモデルで共通ですので、microATXがお手頃だからといって、仕様面でATXに劣るということはまったくないです。microATXとATXでは、単に拡張性が異なるだけですので、ユーザーさんの使い方に合わせて選択いただければと思います。
Steel Slot採用で重量級ビデオカードをしっかり支える
USB端子も豊富
──マザーボードにB660M PRO RSを選んだ理由はなんですか?
中嶋氏:インテル B660以外にも新たに第12世代Coreプロセッサー向けのチップセットが登場しますが、ASRockさんには搭載モデルを検証品として数多くご用意していただけました。モデル数が多く、検証作業が大変だったのですが、B660M PRO RSを選んだポイントとしては、5つ理由があります。1つは、PCIe x16スロットに金属製のSteel Slotが採用されている点です。最近のビデオカードは結構重量があり、お客様への輸送中や長期使用中にその自重でスロットに歪みが発生する可能性があり、Steel Slotであればそれを抑えることができます。
原口氏:Steel Slotですが、B660M PRO RSでは、PCIe 4.0バージョンへと進化しています。新型Steel Slotでは、ビデオカードを固定するラッチの部分にコの字型の金属の補強が入りました。さらに、スロットを金属製のカバーで覆っていますが、これまでは4点留めだったものが、新バージョンでは6点留めになりました。これにより、電気的にグランドの強化がされているほか、より強固となり、重量級のビデオカードでも安心してお使いいただけます。
──そのほかのB660M PRO RSが魅力的に感じた部分もお聞かせください。
中嶋氏:B660M PRO RSは、フロントパネル用のUSB Type-Cが用意されていまして、対応するケースの数が多い点も決め手の1つです。B660M PRO RSには、背面にUSBが6基備わっていますし、内部ポートについては、先ほどのType-Cのほかにも、USB 3.2 Gen1が2基、USB 2.0が4基用意されています。この端子数は、上位モデルにも遜色がない内容で、背面と合わせてUSBの端子数は十分と判断しています。それでも、USBの端子数が少ないという方には、BTOで増設カードも用意していますので、そちらを利用していただきたいです。
原口氏:B660M PRO RSにはThunderbolt 4のピンヘッダも用意していますので、弊社のアドオンカードを装着すれば利用できます。Thunderbolt 4は、昨年登場した新しい規格ですので、今後、対応機器など広がりをみせるのではないでしょうか。
西川氏:以前、ある研究機関からThunderboltを搭載したパソコンのご注文をいただきました。今回のZEFT G24CZにはThunderboltはご用意していませんが、もし、どうしても必要であればご相談いただければ、検討させていただくかもしれないです。
中嶋氏:Noctuaさんの空冷クーラーなどは、多くのお客様から要望をいただたことがきっかけで検証を始め、取扱いに至りました。Thunderbolt 4もご要望が多ければ、検討させていただくつもりです。
──インターフェース関連でいうと、ZEFT G24CZはWi-Fi 6に対応した無線LANを装備しているんですね。
中嶋氏:はい。最近はデスクトップパソコンでも無線LANを望まれるお客様が多いです。ノートパソコンでは無線LANはほぼ標準搭載ですので、デスクトップパソコンでも同じ感覚で無線LANを利用したいと考えるのではないでしょうか。弊社では、この無線LANをM.2モジュールで実現しているのですが、B660M PRO RSでは、Key-Eに対応したM.2スロットが用意されていますので、こうしたカスタマイズと非常に親和性が高いです。
──B660M PRO RSのサウンド関連はいかがですか?
原口氏:サウンドユーティリティーとして「Nahimic Audio」が付属しています。バーチャルサラウンドを始めとして、マイク関連の設定も豊富ですので、ボイスチャットやビデオ会議などにも活用できます。ハイエンド向けのモデルだけではなく、こうしたB660シリーズにも搭載させていただいているので、ユーザーさんにとっては魅力のあるマザーボードに仕上がっていると自負しています。
──マザーボードのB660M PRO RSはRaceSport Editionとなっていますが、この“RaceSport”に込められた意味とはなんでしょうか?
原口氏:弊社のマザーボードのPROシリーズは、PRO4やPRO3などいくつかありましたが、数字の違いによって何が変わるのかが、新規のユーザーさんにとって分かりにくいのではと思うことがありました。そこで、PROシリーズを刷新するにあたり、新たに用意したものがRaceSportになります。一般的な乗用車でちょっとスポーティーなタイプのグレードとしてRSやRT、それにGTとかいったものがありますが、今回のRaceSportはそれを意識したものです。つまり、一般的な構成ながらも少しゲーミング向けに特化した機能も兼ね備える製品となっていまして、コストを抑えつつも、高機能かつ高性能を実現しています。