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「たてもの」と「まち」のイノベーション第3回

ロボット同士のケンカが悩みに:

建物で働くロボットには《課題》も《建物自体のビジョン》もあった

文●ASCII編集部

提供: 清水建設株式会社

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アスキーチャンネル新作動画
<最先端のビルはロボットだらけだった [ビル×はたらくロボット]>

 オフィスビルや商業施設でロボットを見かけることが増えた。清水建設が手がける大規模賃貸オフィスビル「メブクス豊洲」でも、案内ロボ、清掃ロボ、配送ロボなど、いろいろな役割のロボットが稼働している。メブクス豊洲が面白いのは、ロボットがエレベーターを呼ぶ、ロボットが自動ドアを開けるなど、ロボットと設備を自動的に連動させる実証を進めているところだ。

メブクス豊洲

実証中の案内ロボット

 キモになるのは、ロボットを含むビルの設備をクラウドでつなぐシステム「DX-Core」。コンピュータにつないだ端末同士をプログラミングで連動させるような発想ができる。いわばロボットもエレベーターもDX-Coreというコンピュータにつながった端末のようなものだ。

 「いやDXはいいけども、ロボットがエレベーターを呼ぶってどうやるの? 腕がニュ〜ッと出てきてボタンを押すってわけ?」ということで、角川アスキー総合研究所の遠藤諭がメブクス豊洲で動くロボットを見学。ロボット周りを担当している、清水建設株式会社 技術研究所 未来創造技術センター 白石理人氏らに話を聞いた。

清水建設株式会社 技術研究所 未来創造技術センター 白石理人氏

 ロボットがどうやってエレベーターを呼び、行き先階ボタンを操作するのかはぜひYouTubeでご確認を。そして動画でカットされたインタビューのロングバージョンが以下のもの。ロボットがこれから建築の常識をどうやって変えるのかというエキサイティングな話なのでご一読あれ。

自動運転時代は駐車場がどこにあってもいい

── そもそもビルにロボットを導入することのメリットって何なんですかね。当然人件費は浮くと思いますが。

 ひとつは人がやっていたことを代用することで人件費を浮かしたり、少子高齢化になって日本は労働人口がなくなっていくのを代替したりというものがありますね。そしてもうひとつは今まで世の中に存在しなかったサービスができないかというものですね。それが何なのかというのを必死に考えないといけないことですが。

── なるほど、今まで人がやっていなかったものを生み出すと。これまでなかったものが生まれるのがイノベーションなので、ロボットもそういうところにいくのが面白いですよね。Eコマース(EC)も、「今までなかったもの」ですよね。通販自体はあったけど「今までなかった売り手と買い手の出会い」というのはすごくインパクトがあった。

 私たちはロボットと同列に自動運転車を扱っているんですが、自動運転車が出てくることで建物の常識というか形が変わっちゃうんじゃないかと。いちばんわかりやすい例は駐車場です。バレットパーキングに駐車するとき、大きなショッピングセンターは降車場と駐車場がそばにないといけなかったんですが、自動運転になると駐車場はどこにあってもいいわけですよ。

── なるほど、人を降ろした後自分で駐車場まで行ってくれるから。極論すると街の中には駐車場はいらなくなるかもしれないですね。

 そうです。当然ですが、これまでの自動車は人が降りられるだけのスペースがないといけないので場所が限られるんですが、自動運転車であれば、フェリーの中みたいにぎっちり停められるかもしれない。建物の建築計画自体が自動運転車で変わるかもしれないと。

── コルビュジェの時代に1階は柱で素通しの建物ができたみたいに、技術とニーズによって建物の形が変わってくることがありそうですよね。

 ロボットや自動運転が出てくることでゼネコンの常識が変わると思っています。昔はエレベーターがなかったので高い建物が作れなかった。技術的に作れても人が上がれなかったので意味がなかった。けどエレベーターができたことで高層建築ができるようになった。ロボットができたことで建物の常識そのものがガラッと変わってしまうかもしれません。

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