ショッピングなどの外出先で、お気に入りの製品を見つけたとき「机に置けるかなあ」「棚に入るかなあ」と不安になり、結局買えずに後悔したことはありませんか?
筆者は、インテリアとDIYが趣味なせいか、店頭で悔しい思いをすることが多いです。つい先日も、ショップで一目惚れしたPCのケースが、棚に入るかわからず泣く泣く諦めたという、苦い経験をしたばかり。
というわけで、前からずっと欲しかったレーザー距離計を購入することにしました。レーザー距離計は、その名の通り、レーザー光を利用して距離を測定する道具です。
Photo by Francis Flinch
レーザー距離計の存在自体は知っていましたが、テクノロジーの進歩とともに、DIYでも使えるほど測定の精度が上がってきたことや、ショッピングサイトやホームセンターなどでも、手の届きやすい価格になってきたことなどが購入のきっかけです。
部屋や家具のサイズなどを測るとき、筆者はコンベックス(巻尺)を愛用していましたが、テープが金属製なので、重くかさばるのが難点なんですよね。
タジマG05を選んだ理由
エンドピースでレーザー距離計の弱点をサポート
筆者が候補に選んだメーカーは、ボッシュ、ライカ、マキタ、タジマでしたが、悩みぬいて「タジマG05ブラック(LKT-G05BK)」(以下、G05)に決定。Amazon.co.jpで7964円(2021年11月時点)で購入しました。
G05を選んだ理由は、10cmから50mまで±2mmの精度で測れること。そして、レーザー距離計の測距(距離測定)と範囲を規定した、ISO16331-1に準拠していることもそのひとつです。
そして1番の理由が、G05には底部に折り畳み式のエンドピースが付いていることでした。実は、これがレーザー距離計の弱点をサポートしているのです。
ボタン一つで、棚の内側のサイズはもちろん、壁から壁まで、隅から隅を測れるレーザー測定器ですが、苦手なこともあります。たとえば棒の長さなど、端から端までを測ることが測定器だけではできません。
G05は、その弱点をおぎなうエンドピースがあります。これでG05本体を測る対象の端に固定できるので、端から端を測定するのに便利です。
アプリは連携しないが、スマホで撮影でデータベース化
最近のレーザー距離計では、BluetoothやWi-Fiを利用して、スマホのアプリと連携する機能がある製品もあります。G05には、残念ながらその機能はありません。
しかし、スマホの写真機能を使えば、似たことができると気がつきました。その方法は、「対象物と距離計を一緒にスマホで撮影する」ことです。カメラのフレームに収まりきらない大きな壁面などは、写真のファイルネームを「仕事部屋 西壁」などとしておきます。
(1)長さや縦横を測定する。
(縦、横、奥行きのあるモノは、「縦、横、奥行き」など、自分の決めた順で測定する)
(2)対象と距離計の画面を、同じフレームでスマホのカメラで撮影する。
(カメラフレームに収まらない壁面などは、ファイルネームに「仕事部屋 西壁」などと記録しておく。)
たったそれだけです。もし、アプリ連携なしのレーザー距離計をお持ちの方は、活用いただけると便利かもしれません。
レーザー距離計のメリットとデメリット
筆者が実際に購入し、利用して気づいたG05のメリットとデメリットを以下にまとめました。
メリット
○コンベックス(巻尺)より圧倒的に軽い
○測る対象を傷つけない
○ほぼ無音、数秒で測定できる
○手が届かない場所も測定できる
デメリット
●晴天の屋外では、遠い距離はレーザー光を見失いやすい
●端から端など、モノを単体で測りにくい(逆に、空間の隅から隅までを測るのは得意)
コンベックスでは、2メートルを超える距離でテープを巻き取るときの「ガシャガシャーン」という音が気になるので、レーザー距離計のメリットを実感しています。家の外壁の塗り替えをするときも、面積計算機能やピタゴラス測定で、塗料の量を計算できるので便利です。
G05の難点は、電池ボックスのフタの開け方
そんな便利なG05にも、一つ難点が。いままで製品の使い方や説明書で困ったことのない筆者ですが、今回はつまずきました。G05の電池ボックスのフタの開け方がわからず、大苦戦。
フタはスライド式なのか、扉式なのか、さっぱりわかりません。マイナスドライバーでこじ開けようかとも考えましたが、エンドピースのヒンジとほぼ一体に見えるフタの爪を発見! めでたく、無事オープンできました。
これは設計ミスというよりも、説明書のイラストが不足していると感じるのは筆者だけでしょうか。上の写真のようなイラストがあればなあと……。もし、G05を購入後に、(電話相談窓口の休日や時間外で)同じことで悩んでいる方がいらっしゃるなら、指の爪を折る前に、このページにたどりついてくださることを心から祈っております。
マジックには水槽や箱の中から脱出する「エスケープマジック」というジャンルがありますが、フタが開かないのがそんなマジックの最中でなくて本当によかった……。こんな妄想をしたのは、ここだけの話ですが……。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。
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