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業界人の《ことば》から 第462回

持ち株会社制移行のパナソニック、くらし事業は「新パナソニック」に

2021年12月06日 20時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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私の役割は、長期最適視点

 新パナソニックのミッションは、「Life tech & Ideas 人・社会・地球を健やかにする」、ビジョンは、「人を想う技術と創造力で、くらしを支えるベストパートナー」。そして、バリューとして、「お客様に寄り添い、考え抜きます。くらしと調和する技術を追求します。柔軟な発想で、常にオペレーションを進化させます」を掲げた。

 品田CEOは、「私の役割は、長期最適視点、全体最適視点を持ち、チャレンジし続ける人を大事にする会社の実現である」とし、「企業価値経営を進め、『未来』と『人』の2つの起点を大切にしたい。それにより、お客様になくてはならない企業、すべてのステイクホルダーにとって価値がある会社になる」と抱負を述べる。

 未来起点については、「これまでのパナソニックは短期指向で経営をしてきたという反省がある。長期的視点で愚直に仕込みつづけてきたものはどれぐらいあるのか。過去30年を振り返るとそれが少ない。かつては、成長機会があったり、次の『兆し』が見えていても、大きな事業への投資が優先され、『兆し』のところに十分に投資ができていなかった。長期的視点で手立てができるようにしたい」と述べ、「これから20年先に起きることはなにか。そこでどんなお役立ちができる会社なのかといったことについて深く議論をしている。お役に立てる領域を描けないと、どこに投資をするのかも決められない。それを明確にして、技術開発やファンドをどう絡ませるのかを考えている。ミッションやビジョンに基づくパーパス経営を推進し、中長期的な視座に立った上で、未来起点で経営を進める」とする。

 また、人起点では、「お客様への価値提供に加えて働きがいと誇りを最大化していくことが大切である。会社に魅力を感じた人が集まり、かけがえのない人材に育ち、その結果、未来が実現できる。これは、創業者である松下幸之助の経営理念を、今日的に実践することでもある」と語る。

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