素材は塩ビ板と金具、防音テープ
モトコンポのトップカバーを自作するため、前回は、素材となる塩ビ板と金具、防音テープを調達してきました(第307回「中古モトコンポのトップカバーを作るため素材を集めました」)。
メインとなる部分は厚さ3mmの塩ビ板です。300mm×200mmの板を買ってきてプラスチック用のPカッターで278mm×190mmにカット。素材の色そのままのツヤあり黒なので、後で塗装します。
カバーの固定に使うのはバネ付きのロック金具。塩ビ板の四隅に取り付けます。購入した金具は本来は配電盤や計測機器などの扉やフタを固定するためのもので、左右にあるスプリングのおかげでしっかり密閉ができ、振動に強いのが特徴です。
普通のロック金具はアーム部分を引っ掛けてパチンと閉じるだけですが、スライド式のロックが付いているため勝手に開いてしまうということもありません。明らかにオーバースペックですけど、ゴツさが気にっています。
防音テープは高さの調整用。純正トップカバーが厚さ9mmぐらいあるのに対して塩ビ板は3mmしかないので、高さを稼ぐために使用します。
塩ビ板に防音テープを貼り付けます
純正トップカバーは4ヵ所にあるツメをカウルの穴にはめ込んで固定するようになっています。
塩ビ板はカウルに乗せて金具で固定するたのでこの穴は使いません。板自体はカウルに乗せるだけ。ただ、純正トップカバーの厚さが9mmぐらいあるのに対して、塩ビ板の厚さは3mmしかなく、そのまま乗せたのではカウルとの間に段差ができてしまいます。
そこで防音テープの出番です。最初は塩ビ板の切れ端を2枚重ねて貼り付けて9mmにしようと思ってたんですけど、切れ端をさらにカットするのは大変なので、ハサミで切れるスポンジ製の防音テープを100均で買ってきました。これを裏側に貼って厚さを調節します。
考えてみれば当たり前なんですけどプラのカウルにプラのカバーを乗せたらガタガタするので、防音テープの方が100倍いいっていううれしいオマケ付きです。
長さは現物合わせでカットしました。まずカウルに純正トップカバーをはめ込んで前端の位置を鉛筆でマーク。トップカバーを外したら、マーク位置に防音テープを合わせてカットします。測ってみると約32mmでした。
後ろ側はカウルの飛び出し部分を全部使うので、長さもその部分の全長と同じ。こちらは78mmでした。
このテープも塩ビ板と同じく厚さが3mmなので、2枚重ねにすればジャストサイズなはず。前後2ヵ所ずつ2枚重ねにするので合計8枚切り取ります。
用意ができたらテープの裏紙を剥がして塩ビ板の四隅にペタリ。貼り付けたテープの上にもう1枚ずつ重ねて貼っていきます。
ちなみにこの防音テープ、テープの上に重ね貼りすると割と剥がれやすい感じで、まぁ100均商品だから粘着力はこんなもんかななんて思ってたんですけど、数日経ったころにはガッチリくっついてました。侮ってすみませんでした。
もう一度カウルに置いてみると段差は見事解消。ほぼ同じ高さになりました。
ネジ穴の図を描きます
次は金具の取り付け位置を決めます。
金具本体を塩ビ板に取り付け、アームを引っ掛けるキーパーというパーツをカウルの方に取り付けます。
カウルに塩ビ板をはめ込み、金具を置いて取り付け位置を確かめてみました。完全に四隅にあるのではなく、少し中央に寄せた方がバランスがいいような気がします。金具が大き過ぎるかとも思ったんですけど、置いてみるとそうでもないかも。
金具本体もキーパーも固定はどちらも2本のネジ。ネジの取り付け位置はメーカーの指定図があって、金具本体の2本は間隔が14mm、キーパーは22mmとなっています。本体とキーパーのネジの間隔は31mmです。
配置してみた金具の中心線の位置を測ってみると塩ビ板の端から30mmぐらいのところにあったので、それを元に簡単な取り付け穴の図を描いてみました。この図の通りに穴を開けていきます。
図まで書いたのに痛恨のミス
塩ビ板の端から30mmなので、さっきカウルにマークしたトップカバー前端の位置から30mm後ろに金具の中心線がきます。そしてそこから左右11mmずつがネジ穴の中心です。
定規で測りながらカウルに中心線を描いていきます。が、ここでまたもやとんでもないミスをおかしてしまいました。端から19mmの位置に引いた線を、なぜか金具の中心線だと思っちゃったんですよね。それは前側のネジ穴の中心位置なのに……。
自分で図まで描いて数値を書き込んだのに、いったい何をやっているのでしょうか。当然穴の位置の印が11mmぶん前方にズレてしまっているわけですが、この時は全く気づいていません。
そして気づいていないまま穴を開けてしまいました。
穴を徐々に大きくして必要なサイズに
穴開けは電動ドリルを使います。この時、いきなりドリルの刃を当てると滑って位置がズレてしまうのでセンターポンチで凹みを作るんですが、見当たらなかったのでデザインナイフでグリグリっと小さい穴を開けました。ここで間違いに気づけばちょっと凹みはできたものの修正できたのに、まったく気づいていません。
使うネジはM4の皿ネジ。ネジ部の直径が4mm、頭が平らで頭の下が円錐状になっているネジです。ネジ穴は4mmより少し大きい4.5mmにします。
いきなり太い刃で穴を開けようとしても刃が食い込まなかったり、ズレてしまったりするので、まず小さい穴を開けて徐々に大きくしていきます。
最初は直径1.5mm。ここが間違いに気づく最後のチャンスでしたが、2ヵ所にズバッと穴を開けてしまいました。もう戻れません。
穴は2mm、2.5mm、3mmと少しずつ太い刃に切り替えて拡げていきます。1mm単位でも十分かもしれませんが、失敗すると嫌なので0.5mm単位で慎重に行きました。すでに穴あけ位置を失敗してるんですけどね……。
最後に4.5mmのドリルで穴を開けたら完了です。同様にしてほかの3ヵ所も2個ずつ穴を開けました。
塩ビ板に穴を開けようとして間違いに気づく
次は塩ビ板の穴開けです。
穴の位置を間違えないように、塩ビ板をカウルにはめ込んで、カウルに描いたキーパーの中心線に合わせて本体金具の中心線を描きます。
奥行き方向はキーパーの取り付け穴から31mmと指定されていますが、これは金属製の扉などをガッチリ閉じることを想定しているはず。プラスチックを強力に引っ張ってしまうと割れたり歪んだりしてしまいそうなので、5mmプラスして36mmにしてみました。ゆるく引っ掛かるという感じです。
……と、ここで何かがおかしいと感じたワタシ。塩ビ板の端から中心線まで30mmのはずなのに、どう見てもそんなにありません。測ってみるとその距離19mm。ようやく穴の位置と中心線を取り違えていることに気づきました。
でももうカウルに穴を開けてしまったので、今さらどうにもなりません。仕事や頼まれ物だったら大変なことになるところです。ただ、今回のコレは自分で使う物なので自分が納得すれば何も問題はないわけで、最初からこの位置にするつもりだったと思うことにしました。
塩ビ板もデザインナイフで凹みを付けた後、同じようにしてドリルで穴を開けます。
金具1個につき2つ、合計8ヵ所に穴を開けます。
というわけで無事……でもないですが、これで穴あけ工作は完了です。次回は組み立ててみておかしなところがないかを確認し、塗装に入りたいと思います。
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