未来のモビリティは固定的ではない 技術・法律面からのアップデートへの期待
「歩くだけじゃない! 次世代技術で激変する『歩行空間×モビリティ』」レポート
2021年11月19日開催「IoT H/W BIZ DAY 2021 by ASCII STARTUP」のセッション「歩くだけじゃない! 次世代技術で激変する『歩行空間×モビリティ』」では、スズキ株式会社EV開発部 eモビリティ開発課専任職 林 邦宏氏、glafit株式会社 代表取締役CEO 鳴海 禎造氏、株式会社CuboRex 代表取締役社長 寺嶋 瑞仁氏、株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員 遠藤 諭らが登壇。次世代のモビリティや課題を探った。
多様なモビリティを手掛ける3社が登壇
セッション冒頭は、電動カートや電動バイク、電動ねこ車などを手掛ける登壇した3社のプレゼンが展開された。
まずはスズキが展開する電動車椅子について。身体障害者用電動車椅子は法律上は”歩行者”として定義されており、車両ではないため、歩道を走る専用のモビリティーとなる。最高速度は6km以下、原動機が電動機を用いるなど、道路交通法で定められている。
またスズキでは、高齢者向けの電動カートについて、モーターチェアという標準型を1974年より販売。セニアカーというハンドル型については1985年から販売を開始し、両方で累計約30万台を販売している。
直近では、農業・物流ロボットとしての新たな電動台車を農業ロボット研究開発を手掛けるエムスクエア・ラボと共同開発中だ。農業ロボット「モバイルムーバー」は、リモコン簡単操作き、舗装されていない道路も安定して移動可能。運搬使ったり、疲れたら乗って帰るなどの利用できるという。
続いては、開発・製造・販売・カスタマーまで一貫して手掛けるハードモビリティベンチャーのglafitについて。掲げるミッションは、「移動をエンターテインメントに変え、人々の生活を豊かにする」こと。製造工場を自前では持たず、さまざまな企業と資本業務提携を行い、協業しながらひとつのものを作り上げている。
同社発のプロダクトは3つ。最初に出したのが自転車型の電動バイク。次がキックボード型のスクーターで、いずれもクラウドファンディングで1億円超えを達成した。最初のプロダクトである自転車型バイクは、スズキやホンダといったモビリティーの大手企業にならったものだという。両社とも最初に作ったのは自転車型バイクであり、そこからモノ作りが大きくなっていった。glafitもその軌跡を21世紀型で追っているという。
3社目は、不整地のパイオニア・CuboRex。農地や工事現場といった整備がされていないところでの移動・運搬を想定しモノづくりを行っているスタートアップであり、クローラーユニットなどの販売も手掛けている。
同社が展開する従来のねこ車を後付けで電動化する「E-Cat Kit」は、傾斜地などでの運搬の重労働を解消するものとして期待されている。