自動車の測位精度を高めるシングルチップのトリプルバンド受信対応 GNSS受信ICを発表
STマイクロエレクトロニクス
・トリプルバンド受信対応測位エンジンを搭載したシングルチップの車載用GNSS受信ICとして業界初の製品 ・システムの信頼性やコスト効率の向上に貢献する高集積ソリューション ・最高精度の測量 / 地図作成用機器と同等の性能を実現
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、業界初のトリプルバンド測位に対応した車載用シングルチップGNSS(全地球航法衛星システム)受信IC「STA8135GA」を発表しました。同製品は、先進運転システムで求められる高精度の測位情報を提供します。
STのGNSS受信IC「Teseo Vファミリ」の新製品であるSTA8135GAは、標準的な2周波受信によるPVT(位置・移動速度・時刻)出力、および自律航法機能に加え、トリプルバンド受信によるRaw Data出力に対応した測位エンジンを搭載した業界初の車載用シングルチップGNSS受信ICです。
これまでトリプルバンド受信は、測量や地図作成、スマート農業など、最小限の補強データでミリメートル単位の精度が要求されるアプリケーションで使用されてきました。従来は、STのシングルチップ品と比べると相対的に大型で高価なチップセットやモジュールという形態で提供されてきたトリプルバンド受信機ですが、複数の衛星システムからの信号を同時受信することで、効率的に補足・追尾衛星数の最大化を可能にし、高層ビルや樹木といった障害物に遮られるような受信環境においても高い性能を発揮することが可能です。
このような機能を備えたSTA8135GAは、利便性に優れた小型パッケージで提供され、運転支援システムによる道路状況の正確な判断に貢献します。STA8135GAが提供するRaw Dataを用いて、ホスト・システムは、PPP(高精度単独測位)やRTK(リアルタイム・キネマティック)といった高精度の測位アルゴリズムを実行可能です。また、STA8135GAは、ダッシュボード搭載ナビゲーション・システム、テレマティクス機器、スマート・アンテナ、V2X通信システムに加え、船舶用ナビゲーション・システム、ドローン、その他さまざまな車両性能の強化に貢献します。
STのオートモーティブ & ディスクリート グループ、ADAS / ASIC / オーディオ事業部 ジェネラル・マネージャーであるLuca Celantは、次のようにコメントしています。「シングルチップで高精度を実現するSTA8135GAは、信頼性に優れた低コストのナビゲーション・システムの構築を可能にし、自動車の安全性およびコンテキスト認識機能のさらなる向上に貢献します。ST独自の設計リソースと高い歩留まりを実現するプロセスが、業界初となる同製品の開発において重要な役割を果たしました。」
STA8135GAは、BGAパッケージ(7 x 11 x 1.2mm)で提供されます。現在サンプル出荷中で、2022年前半にAEC-Q100への完全準拠、および量産開始を予定しています。
技術情報
STA8135GAには、低ドロップアウト(LDO)電圧レギュレータが内蔵され、アナログ部、デジタル・コア部、I/Oインターフェース部にそれぞれ電源供給できるため、外部電源の簡略化が可能です。また、GPS、グロナス、北斗、ガリレオ、準天頂衛星、NAVIC/IRNSSの受信をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトをご確認ください。
( https://www.st.com/ja/automotive-infotainment-and-telematics/sta8135ga.html?icmp=tt24156_gl_pron_nov2021 )
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約46,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な独立系総合半導体メーカーです。約10万社のお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、IoT・5G通信の普及を可能にします。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st.com )をご覧ください。
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