業界初、ガラスびん軽量化のバーチャル試験を欧州3社が合同で開始
ダッソー・システムズ株式会社
・2022年1月に新しいコーティング技術のバーチャル試験を開始、同年夏にリアルの製品テストを予定 ・バーチャル試験が開発試験プロセスのリスクを軽減し、期間を短縮 ・ガラスびんの軽量化は、原材料、エネルギー、輸送時を含むCO2排出量の削減に貢献 ・CO2排出量ネットゼロ達成を目指すガラス業界全体の転機に
※本リリースは、アイルランドコーク県モナハン・ロードおよび仏ヴェリジー=ヴィラクブレーにて現地時間2021年11月9日に発表されたプレスリリースの日本語参考訳です。
ダッソー・システムズ(Euronext Paris: FR0014003TT8, DSY.PA)、Ardagh Group(ルクセンブルクの容器メーカー)、EXXERGY(ドイツのコンサルティング会社)の3社は、ガラス業界における持続可能なソリューションの実現に向けた協業を発表しました。3社は革新的なテクノロジーを活用し、ガラスびんの強度向上と大幅な軽量化を両立させる新しいコーティング技術を開発します。本技術の確立に向けて、2022年1月から、ジョニーウォーカー(ディアジオ社のスコッチウイスキー)のボトルを使った業界初のバーチャル試験を実施します。
ガラスびんの強度・軽量化をバーチャルツインを使って検証する試験は、現物を使う試験と比較して、時間とコストを大幅に削減できるとともに、原材料や消費エネルギーの節減にも寄与するという点で、科学的な裏付けのある持続可能なイノベーションへの道を拓きます。バーチャルツインとは、ある製品またはプロセスをリアルタイムで再現すること、あるいは再現されたものを指します。既に多くの産業界において、製品やプロセスのモデリング(3次元化、立体化)、ビジュアライゼーション(高度な視覚化)、特性やふるまいの予測などの目的で、実際のテストに先駆けてバーチャルツインを使った試験が行われています。今回の試験は、ガラスボトル表面の微小なひび割れを軽減する新しい外部コーティング材の研究開発の中で行われます。コーティング材の使用はガラスびんの大幅な軽量化と強度の両立に役立ちます。さらに、今回研究中の軽量ガラスびんは、100%のリサイクル性の達成をめざしています。今回のバーチャル試験が成功した場合には、2022年夏に現物のテストが行われます。
Ardagh Groupは持続可能なパッケージ・ソリューションを開発する大手グローバル・サプライヤーです。今回の協業では、国際コンサルティング会社のEXXERGYと共に、ディアジオ社(ジョニーウォーカー、スミノフ、ゴードンなどの世界的なブランドを擁する大手アルコール飲料メーカー)向けのコーティング技術の研究開発を行っていきます。また、ダッソー・システムズは今回の協業において、コーティング材のナノスケール・バーチャルツインの構築、ガラス表面に生じる相互作用のシミュレーション、有効性のテストなどに、同社のBIOVIAアプリケーションを使った委託研究サービスを提供しています。
Ardagh Groupの最高サステナビリティ責任者(CSO)であるジョン・サドリアー氏は、次のように述べています。「当社は、他社に先駆けてガラスの軽量化に取り組んできました。無限にリサイクルできる持続可能な缶やガラスの容器を提供する大手グローバル・サプライヤーとして、当社には世界が直面するサステナビリティの問題に対処する責任があります。お客様やパートナー企業と共に、デジタル化の可能性を探求し、今までにない革新的な軽量化ソリューションを積極的に実現させていきたいと考えています」
ガラスびんの軽量化は、ガラス業界全体の二酸化炭素排出量削減に向けた解決策の1つであり、びんの製造過程と輸送工程の双方で排出量を削減できます。今回の協業プロジェクトが成功すれば、ガラス業界がサステナビリティ目標を実現する上でバーチャルツイン・テクノロジーが有効であることが立証され、業界全体での脱炭素化に寄与します。
ダッソー・システムズのインダストリー&マーケティング、サステナビリティ担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるフローレンス・ベルゼレンは、次のように述べています。「生産や消費の方法を改める緊急性がますます高まってきています。あらゆることを見直し、かつてないほど大胆な環境への取り組みを考え出さなければなりません。ダッソー・システムズのバーチャルツインを活用することで、企業は他と根本的に異なる、環境配慮型の、新しい素材・製品・プロセスを記録的な速さで設計してシミュレーションすることが可能です。開発初期の段階から正しい設計ができるだけでなく、環境への影響も考慮することができます」
ディアジオ社の購買責任者(Head of Procurement – Grain to Glass Sustainability)であるルーシー・フィッシュウィック氏は、次のように述べています。「サステナビリティ、特に環境配慮型のパッケージは当社の主要な優先事項になっています。ディアジオ社の持続可能なソリューション・プラットフォームの原理を活用し、気候変動による影響への科学的解決策を生み出すイノベーションや連携を促進する、この先駆的な試験に携われることを大変嬉しく思います。当社は、Society 2030戦略において、2050年までに事業活動全体から排出される二酸化炭素量を実質ゼロにする取り組みを行っており、今回の試みが成功すれば、その達成に大きく近づくことになります」
詳しくはこちら:
ダッソー・システムのサステナビリティへの取り組み
https://www.3ds.com/ja/sustainability
ダッソー・システムズの 3DEXPERIENCE プラットフォーム、3D 設計ソフトウェア、3D デジタル・モックアップ、そしてプロダクト・ライフサイクル・マネジメント (PLM) ソリューション
http://www.3ds.com/ja
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Ardagh Groupについて
Ardagh Groupは、無限にリサイクル可能な缶やガラスの容器を世界中のブランド・オーナーに提供する大手グローバル・サプライヤーです。12ヵ国に57の缶・ガラス生産拠点を展開し、1万6000人以上の従業員を雇用しています。売上高は、およそ70億ドルを計上しています。
ダッソー・システムズについて
ダッソー・システムズは3DEXPERIENCEカンパニーとして、人々の進歩を促す役割を担います。当社は持続可能なイノベーションの実現に向けて、企業や人々が利用する3Dのバーチャル コラボレーション環境を提供しています。当社のお客様は、3DEXPERIENCEプラットフォームとアプリケーションを使って現実世界のバーチャルツイン・エクスペリエンスを生み出し、さらなるイノベーション、学び、生産活動を追求しています。ダッソー・システムズ・グループは140ヵ国以上、あらゆる規模、業種の29万社以上のお客様に価値を提供します。より詳細な情報はホームページ、 https://www.3ds.com/ja(日本語) 、https://www.3ds.com(英語)をご参照ください。
3DEXPERIENCE、Compassアイコン、3DSロゴ、CATIA、BIOVIA、GEOVIA、SOLIDWORKS、3DVIA、ENOVIA、NETVIBES、MEDIDATA、CENTRIC PLM、3DEXCITE、SIMULIA、DELMIA およびIFWEは、アメリカ合衆国、またはその他の国における、ダッソー・システムズ(ヴェルサイユ商業登記所に登記番号B 322 306 440 で登録された、フランスにおける欧州会社)またはその子会社の登録商標または商標です。
ディアジオ社について
ディアジオ社は、スピリッツやビールのジャンルにおいて、優れたブランド・コレクションを有する世界的な大手アルコール飲料メーカーです。取り扱いブランドには、ウイスキー類(ジョニーウォーカー、J&B、Crown Royal、Buchanan’s Windsorなど)、ウォッカ類(スミノフ、シロック、ケテルワンなど)、 キャプテンモルガン、ベイリーズ、ドン・フリオ、タンカレー、ギネスなどがあります。
ディアジオ社は、世界180ヵ国以上で製品を販売するグローバル企業であり、ロンドン証券取引所(DGE)とニューヨーク証券取引所(DEO)の両方に上場しています。ディアジオ社の企業情報、従業員、ブランド、実績などの詳細については、ウェブページをご覧ください。 www.diageo.com
責任ある飲酒に関する情報、取り組み、ベストプラクティスの共有方法については、ディアジオ社のグローバル資料をご覧ください。 www.DRINKiQ.com
EXXERGYについて
EXXERGYは、ドイツを拠点とするコンサルティング・ネットワークであり、再生可能エネルギーおよびガラス業界を専門とするコンサルタントの第一人者で構成されています。EXXERGYは、技術の最適化、事業および財務戦略の開発・展開、組織開発、変更管理などの分野の経験を有しています。同社は、再生可能エネルギー資産の技術評価システムの開発やガラス強化技術の開発などのイノベーション能力、ならびにIECREによる再生可能エネルギーの適合性評価開発の主導などの公共利益への貢献という2つの軸を中心に活動しています。
EXXERGYは、スイス、アメリカ、中国に子会社を有しています。