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ちょうどいい暮らしを探るなべ:

スープ作家・有賀薫さん、象印「STAN.」自動調理なべを試す

2021年11月26日 09時00分更新

文● スープ作家:有賀薫 編集● ASCII

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質実な生活をしたい人に向いているSTAN.

 STAN.の自動調理なべは、機能だけを見ると、調理中にかなり微妙な調節を自動でしてくれるホットクックと、鍋調理をシンプルに電化したバーミキュラ ライスポットの、ちょうど中間ぐらいに位置する感覚でした。

 時間の調整なども感覚的にできて、使いやすいUIです。鍋や内ぶたなどパーツの形がすっきりしていて洗い物も楽だなと感じました。値段もこなれていて、自動調理器に興味を持った人には手に入れやすい商品だと思います。

 STAN.というブランドは、ライフスタイルを前に打ち出しているのが特長で、この自動調理なべにも「手軽に家のごはんを充実させよう」という提案がまずあって、それを実現するのにちょうどいいマシンに設計されています。

 そういう意味では、忙しい中でも質実な生活をしたい人に向いていると思います。作り置きのミールキットで簡単に料理を作れることや、汚れ物が出ないパック調理に大きな魅力を感じるような人は、一度使ってみることをおすすめします。生活の大きな改革があるかもしれません。

生活に自動調理器を取り入れるかどうか

 「自動調理器」という言葉は、特に料理が苦手な人にとって魅力的な響きがあると思います。

 ただし、自動調理器はあくまでも鍋の温度管理を鍋がしてくれるだけで、下ごしらえはやはり自分でやるしかありません。また、一般的なレシピが使いにくいためレパートリーが増やしにくく、まったくの料理初心者にはあまり向かないというのが私の見解です。

 とはいえ道具は使い方次第。スイッチ1つでその場を離れてほったらかしにできるいう気安さと安心感は、小さなお子さんがいたり、料理以外にやることがあって料理に集中できない方にとっては非常に大きなメリットです。

 期待値を上げすぎずに自分が主体となって使いこなせば、大きな戦力になるのが自動調理器。鍋に料理をまかせてほかのことに時間を使えるのは合理的ですし、なによりじっくり煮込んだ料理が心をほっとさせてくれるものだと思います。

 最後になりましたが、STAN.はシリーズ名なので、ホットクックみたいに名前がついていてもいいのにな、と思いました。まだそれほど普及していないものなので、愛称があったほうが呼びやすいかも。

 

筆者紹介──有賀薫(ありがかおる)
スープ作家。10年間、約3500日以上毎朝スープを続けながら、シンプルで作りやすいスープを各種メディアで発信しつつ、家庭料理のバージョンアップを進めている。
『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』(文響社)で、第5回料理レシピ本大賞入賞、『朝10分でできるスープ弁当』(マガジンハウス)で第7回料理レシピ本大賞入賞。著書に『有賀薫の豚汁レボリューション』『何にも考えたくない日は スープかけごはんで、いいんじゃない?』『スープ・レッスン1・2』(プレジデント社)など。

メインサイト:https://note.com/kaorun
Twitter @kaorun6
Instagram @arigakaoru
 

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