あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第168回
ゆみちぃのMINIミニ大作戦
MINI唯一のPHEV「MINIクロスオーバー COOPER SE ALL4」は、最も人に優しいMINIだった
2021年11月21日 12時00分更新
アイドルユニット「純情のアフィリア」に所属する寺坂ユミさんをASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長としてお迎えし、彼女が憧れを抱くというMINIに毎月1台乗ってもらう超私的企画「MINIミニ大作戦」。今回は最新技術てんこ盛りのMINIに挑戦してもらいます。
MINIシリーズ唯一のPHEV車
MINI クロスオーバー
グラビアに歌にダンスと大忙しのゆみちぃ部長。そんな彼女のオフは、カーシェアでクルマを借り、友達とドライブするのだとか。しかもメンバー同士で出かけること多く、アウトレットモールでお買い物などをしているとのこと。それゆえにクルマに求める要素は「広い後席と大容量の荷室」であって、借りるクルマはSUVばかり。というわけで、今回MINIのSUVモデルであるクロスオーバーの指名が入りました。
実車をお借りしてきたところ、今まで見慣れたMINIとはエクステリアが随分違います。この顔をMINIといっていいのか? と担当編集の部員Sと小間使いの部員Kは頭の中にクエスチョンマークが点灯。一方、ゆみちぃ部長は「コレよコレ! カワイイ」と喜びいっぱい。ゆみちぃ部長に喜んでもらえるなら、それが正義です!
大きさは4315(全長)×1820(全幅)×1595(全高)mm。ホイールベースは2670mmと、コンパクトSUVに似た寸法。もっと言えばMINIクラブマンと車高以外はほぼ変わりません。つまり使い勝手のよいサイズといえそうです。ただ、今回試乗するモデルの車重は1770kgとヘビー級。この理由は後ほど。
ここでMINIクロスオーバーのラインアップについてご説明しましょう。もっともエントリーのモデルは、最高出力102馬力を発する1.5リットル直3ターボエンジンを搭載した「BUCKIGHAM(バッキンガム)で値段は395万円。続いて「COOPER D」という最高出力150馬力のディーゼルエンジンモデルで433万円。その4輪駆動モデル「COOPER D ALL4」が457万円。40馬力アップさせた高出力モデル「COOPER SD ALL4」が510万円と、ディーゼルエンジンが主。これに最高出力306馬力を発する2リットル直4ターボエンジンを搭載した、ASCII.jp自動車部が大好きなグレード「ジョン・クーパー・ワークス(609万円)と、今回試乗するPHEVモデル「COOPER S E ALL4」(510万円)の計6ラインアップ。そう、今回試乗するのは、MINIシリーズ唯一のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)車なのです。
PHEVとは何ぞや? 簡単に言えば充電できるハイブリッド車のこと。事実、車両の左フロントタイヤ付近には、充電ポートがあります! そこで、ゆみちぃ部長に充電ガンを持ってもらい、写真をパチリしようとした時のこと、あることに気づきました。「このクルマ、充電ソケットが1個しかいないんですけれど」。
そうなんです。このMINIクロスオーバーは急速充電ポートが用意されていないのです。「電池がなくなったら、どうなっちゃうんですか?」という素朴な疑問をぶつけるゆみちぃ部長。答えは簡単。電池だけで動くことができなくなるだけで、普通のハイブリッド車と同じような動作になります。ただ気持ちガソリンエンジンで動く比率が高いかな? という感じ。そこで今度は部員Sから「そもそも電気だけで動かす必要ってあるの?」という質問が。そこには補助金と税制が大きく関係してきます。
近年欧州では自動車を保有または取得時にかかる自動車税(自動車登録税)の税率にCO2排出量を加味する動きが本格化しています。そしてCO2排出量が大きな純ガソリンエンジン車には、とんでもない額の自動車登録税がかかりますし、フランスに至っては汚染車税というものまで存在します。EU圏内において、ガソリンエンジン車を買う事は罰に等しい扱いなのです。その一方、充電機能と搭載し電気だけで走るクルマに関しては、自動車取得時に補助金や軽減税率といった優遇処置を受けることができます。
これは日本もしかりで、MINIクロスオーバーCOOPER S E ALL4を購入すると20万円のCEV補助金を受けることができるのほか、エコカー減税として、自動車取得税11万9700円と重量税3万円が免税。さらに翌年度の自動車税3万4500円が9000円という減税対象になります。補助金に減税という言葉を聞いて目を輝かせるのは、ゆみちぃ部長だけではないハズ!
そんなMINIクロスオーバーの四輪駆動システムですが、前輪はガソリンエンジン、後輪はモーターと、別の動力源で駆動します。搭載するバッテリーの容量は10kWhで、バッテリーだけで約53km走行することができます。ちなみに約53kmというのは、 定められた試験条件での値で、使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて数値は大きく異なりますからご注意を。
エンジンはBUCKIGHAMグレードと同じく、1.5リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ。ですが最高出力は136馬力と、Cooperの名の通り増強されています。トランスミッションは6段ATと、他のMINIに比べると、段数が少ない様子。モーターの出力は88馬力で、システムとしては224馬力、ということがカタログで謳われています。
部員Kが、お金とスペックまわりの御託を述べたところで、MINIミニ大作戦恒例のテスト車の総額チェックの時間となりました。今回お借りしたクルマのお値段616万4000円! その内訳は、車両本体価格510万円に、オプションが106万4000円。気になるオプションの内訳は……。
- ボディーカラー<ホワイトシルバーメタリック>(8万円)
- フロントスポーツシート<クロスパンチレザー カーボンブラック>(0円)/
- PEPPERパッケージ(8万6000円)
- レザーシートパッケージ(36万6000円)
- デジタルパッケージプラス(14万1000円)
- 18インチアロイホイール<ブラックピンスポーク7.5J×18 225/50R18>(1万5000円)
- ブラックルーフレール(1万4000円)
- ピアノブラックエクステリア(4万1000円)
- アラームシステム(5万7000円)
- ブラックルーフ&ミラーキャップ(0円)
- ヘッドライナー<アンスラサイト>(3万4000円)
- MINIユアーズインテリアスタイル<シェ―デッドシルバーイルミネーテッド>(3万5000円)
- ピクニックベンチ(1万8000円)
- プライバシーガラス<リア>(5万1000円)
- harman /kardon Hifiラウドスピーカーシステム(12万6000円)
ここでゆみちぃ部長から「だったら、ジョン・クーパー・ワークスを選択しちゃうなぁ」というオドロキの言葉が! 数ヵ月前まで「ジョン・クーパー・ワークスだけはない!」と言っていたのに。「だって、ここまで来たら最上位グレードであるジョン君に手が届くんですよ」というゆみちぃ部長の言葉を聞き、スポーツカー好きの部員達はニヤニヤ。実にいい傾向ですね。

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