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PlayStation 5の4K/120Hz表示にも対応する31.5型モデルを検証

JAPANNEXTの最安HDMI 2.1対応4Kディスプレーは本当に買っていいのか?

文●ジサトライッペイ 編集●ASCII

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OSD操作は慣れるまで苦労する

OSD操作は下部のボタン

 OSD操作インターフェースもチェックしよう。ディスプレー下部の右寄りにボタンを備え、その上に左から「M」(OSDメニュー表示/決定)、「<」(下に移動)、「>」(上に移動)、「E」(映像入力表示/戻る)、電源のマークがある。

OSD操作ボタンの上にあるマーク。撮影するのも苦労しそうなほど薄い凹凸でデザインされている

 しかし、このマークは凹凸だけでデザインされているのでかなり見えづらい。ゆえに、下部のボタンの順番を覚え、指の感覚で慣れるしかない。この点は多少コストを上げてもLEDなどを仕込んで、もっとわかりやすくしてほしいところだ。ちなみに、OSDメニューの表示時間は「OSD設定」から変更できる。操作に慣れるまではメニュー表示時間をデフォルトの10秒から延長(最大60秒)してもいいかもしれない。

OSDメニュー

 OSDメニュー自体は一般的で、色合いなどが変わるプリセットを6種類(スタンダード、アイプロテクト、ムービー、RTS、FPS、ゲーム)備える。そのほか、フリッカーフリーやブルーライト低減、FreeSyncのオン/オフなどのトレンド機能はひと通りといった具合。色合いなどは好みによるところが大きいので、個人的には明るさやコントラスト、シャープネス、Black Level、彩度などがいじれたので特に不満はなかった。

大迫力の31.5型、問題は設置スペース

自宅のリモートワーク環境にJN-315IPS144UHDR(左)を設置してみた

 最後は、自宅のリモートワーク環境に設置し、サイズ感や使ってみてなにか足りない部分が出てこないか探ってみた。上記の写真がその自宅環境なのだが、筆者はデスクトップPCがメインで、そのほかiPadやノートPC、ほかにサブのデスクトップPCを運用しているという状態だ。一般的なご家庭と多少異なるのは、筆者のメインデスクトップPC(写真奥)のサイズだろう。球形のPCケースで、サイズは685(W)×648(D)×700(H)mmとかなり巨大な部類となる。

 その縮尺で写真を吟味してほしいのだが、右の27型ディスプレーが小さく見えるほどJN-315IPS144UHDRは大きい。もっともJN-315IPS144UHDRがというより、31.5型のディスプレーがそもそも大きいという話ではある。平時は左に23.8型ディスプレーを置いており、その横にiPadを縦置き収納できるほどの余裕がある。しかし、JN-315IPS144UHDRを置いてしまうとそのスペースがなくなるので、かなり手狭になった印象だ。

ベゼルは狭額縁仕様

 もちろん、狭額ベゼルを採用してサイズは716(W)×310(D)×609-755(H)mm<スタンドと台座を含む>と、ひと昔前の31.5型ディスプレーよりもだいぶコンパクトになってはいる。しかし、マルチディスプレー運用するのなら、ディスプレーアームを導入するか、その他のデバイスをうまく収納するなんらかのアイディアがほしくなるサイズ感と言える。

 もちろん、これだけ表示領域が大きければ、JN-315IPS144UHDRを単体運用するのも全然アリだ。テキストエディタ―で原稿を書きながら、その横でウェブブラウザーを広げてもズームいらずの視認性だった。また、休憩時用にNetflixを全画面表示で観てみたが、ちょっとイスを引くほどの大迫力だった。

 また、冒頭で紹介したHDMI 2.1対応ゲーム機を遊ぶのもいいだろう。残念ながら筆者はまだ購入できていないが、いつか4K/120Hzで快適にプレイするためにHDMI 2.1対応4Kディスプレーだけでも準備しておきたいところ。さすがにHDMI 2.1対応テレビはおいそれと買える値段ではないが、JN-315IPS144UHDRなら10~11万円前後で手に入る。ちなみに、DisplayPort側の4K時のリフレッシュレートは最大144Hzなので、PCゲームでも心強い存在だ。

まとめ:弱点はあるもののそれを補って余りあるコスパなので全然買って良し!

 以上で、レビューは終了となる。前半はハードウェアの仕様など、他社との比較でJN-315IPS144UHDRの安さの秘密を探ってみたが、OSD操作インターフェース以外は実用上大きな問題になるウィークポイントはなかったと感じている。OSD操作も「慣れの問題」で解決できるところではある。というわけで、JN-315IPS144UHDRは現行のHDMI 2.1対応4Kディスプレーの中で最安モデルではあるものの、買い替えの最有力候補としてオススメできる製品だと確信が持てた。

 また、ディスプレーレビューにおける重要な指標、「見え方」や「画質」についてはあえて触れなかったが、これは個人の好みが大きく影響し、OSDでいじるとある程度は調整できてしまう部分だからだ。また、筆者はかなり目が悪く(右目は近視、左目は乱視&間欠性外斜視)、情けないことに画質評価という軸でモノを語る自信がまったくないためという理由も大きい。

 その上で、あえて筆者の好みや身体的事情を加味して評価すれば、液晶パネルはIPSで視野角が広く、サイズ感も相まって見えづらいということはなかった。表面処理は非光沢だが、明るさを上げれば昼間でも逆サイドにあるベランダからの採光で見えづらくなることもない。また、HDR10に対応している点もありがたい。欲を言えば、「DisplayHDR」規格にも準拠してほしいところだが、まあなくともこの製品の魅力を大きく下げる要素ではない。

 ワクチン接種が進み、新規感染者が大幅に減り、ようやくおぼろげながら出口が見えてきたと思われるコロナ禍だが、その副作用として多くのご家庭でデジタル環境の見直しや強化が図られてきた。その需要は多くのメーカーの技術革新を進め、競争の激化をうながすことになった。そんな中で出てきたHDMI 2.1対応4Kディスプレーの最安モデル、JN-315IPS144UHDR。季節は冬を迎え、第6波が懸念されるご時世だからこそ、せめて日々のデジタル生活ぐらいはストレスフリーにすべく導入するべき1台だ。

【2022年3月30日16時15分追記】
 JAPANNEXTは2022年2月、JN-315IPS144UHDRとスタンド部のケーブルスルーホールの色が異なるAmazon限定モデル「JN-315IPS144UHDR-R」を発売した。その他のスペックはJN-315IPS144UHDRとまったく同じで、価格は1万5000円近く安いのでぜひチェックしてみてほしい。

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