PlayStation 5の4K/120Hz表示にも対応する31.5型モデルを検証
JAPANNEXTの最安HDMI 2.1対応4Kディスプレーは本当に買っていいのか?
昨年春からコロナ禍による巣ごもり需要で活気付いてきたPC/ゲーミング市場だが、ディスプレー市場もそれに呼応するように盛り上がっている。特に、昨年11月には「PlayStation 5」や「Xbox Series X/S」といった新型家庭用ゲーム機の登場で、4K(3840×2160ドット)/120Hz表示できる「HDMI 2.1」対応モデルが注目を集めている。
例えば、LGの「27GP950-B」(27型IPS、実売価格12万5000円前後)や日本エイサーの「XV282KKVbmiipruzx」(28型IPS、実売価格11万8000円前後)。GIGABYTEの「M32U」(31.5型IPS、実売価格11万4400円前後)などは、発売直後に売り切れるほど人気でいまだ入荷を待っている方も多いだろう。それほど、HDMI 2.1対応4Kディスプレーは人気なのだ。
そんな中、今年10月にJAPANNEXTから登場したHDMI 2.1対応4Kディスプレーが「JN-315IPS144UHDR」だ。31.5型IPSパネルを採用し、実売価格は11万円前後と他社モデルよりもお手頃で、原稿執筆時点(10月24日)でもまだネットショップなどにも在庫がある点を考えると、今オススメの最有力候補に挙がる。今回は折良くそんなJN-315IPS144UHDRをレビューする機会が得られたので、HDMI 2.1対応4Kディスプレー選びの参考になれば幸いだ。
他社の製品と仕様を比較し、安さの秘密を探る
JN-315IPS144UHDRの最大の魅力は何と言ってもその価格だろう。大手量販店のネットショップなどではポイントなどの都合か11万円前後だが、その他のお店では9万9000円前後が相場だ。他社モデルがほぼ売り切れてる現状で実売価格を比較するのもいささかナンセンスのような気もするが、現在手に入れられるHDMI 2.1対応4Kディスプレーとしては最安の選択肢であることは間違いない。
しかし、安いなら安いなりに他社モデルにはない弱点があるかもしれない。というわけで、今回のレビューはちょっといやらしいが、他社モデルと比べてどこが「安さ」につながっている部分なのかチェックしていこうと思う。
まずは製造コストにつながりやすいインターフェースの仕様から見ていこう。JN-315IPS144UHDRはHDMI 2.1、HDMI 2.0、DisplyaPort 1.4×2、イヤホン出力(3.5mmステレオミニジャック)を備える。これに対して、他社モデルはHDMIは2基とも2.1対応だったり、USB Type-CやUSBハブ機能を備えていたりする。
とはいえ、HDMIとDisplayPortが2基ずつあれば「インターフェースが少ない」という印象はなく、USBハブ機能はあっても結局使わないという人も少なくないだろう。なお、内蔵スピーカーは3W×2と他社モデルとどっこいどっこいというところ。しかしながら、そもそもディスプレー内蔵スピーカーに過度な期待を求めるべきではないのは自明だ。どのモデルを買うにせよ、別途スピーカーは用意したほうが良いと個人的には思う。
スタンドはスイーベル&ピボット対応で文句なし
続いてはスタンドの仕様だ。安いモデルはチルト対応のみの製品が多いディスプレー市場だが、JN-315IPS144UHDRは手抜かりなしだった。チルトはもちろん、左右45度のスイーベル、高さ約130㎜の高さ調整に縦位置で置けるピボットまで対応している。インターフェースが背面下部に下向きに付いているので、ピボット対応は映像ケーブルの着脱に便利だ。また、筆者は縦表示プレイが多い「ウマ娘」にハマっているので、そんな意味でもありがたい仕様である。
スタンドにはケーブルをまとめる穴もきちんとあり、背面でほこりだまりになりそうなスパゲッティーを防止できる。電源はACアダプターなので、ケーブルが太くて難儀するといったこともない。とはいえ、高さ調節機構でもイチバン下まで下げてしまうとややテンションがかかるので、映像ケーブルはコネクターが大きくないものを選んだほうが良いだろう。
一方で、ディスプレー部に4ヵ所のネジ止めが必要な点はやや面倒だった。でっぱりをはめこんでネジなしでパチッとはめるタイプのディスプレーのほうがラクチンだが、組み立てはそう何回もする行為ではないのでそこまで気にしてもしょうがない部分ではある。
また、台座部は手回しネジが2本あり、しっかりとしている印象を受けた。スイーベルもスムーズだった。機構をシンプルにしたぶんコストを浮かしつつも、きっちり実用には耐えるよう設計しているということなのだろう。
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