あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第160回
アラフォーが選ぶ「一生モノのバイク」とは
熟成された完成度! CB400 SUPER FOURで始まり、そして終わるバイクライフもいいかも
2021年10月24日 12時00分更新
2020年12月、東京都の小池百合子都知事が突如発表した「4輪は2030年、2輪は2035年以降、純ガソリンエンジン搭載車の販売を禁止する」という方針は、大きな衝撃をもって報じられました。自動車やバイクが電動化などにより、どのような進化を遂げるのかは楽しみですが、その一方で「今のうちにガソリンエンジンを搭載した一生モノのクルマやバイクを手に入れよう」と思われた方は多いのではないでしょうか。アラフォーである不肖もそんな一人です。
バイクに乗れるのも、あと20年そこそこであると考えると、ここでラストガソリンエンジン搭載車を手に入れ、大事に乗り続けるのもアリではないかと真剣に考えるようになりました。では自分にとってのラストバイクは何がイイのか? 今回は誰もが一度はお世話になったであろうHonda「CB400 SUPER FOUR」、通称スーフォアをご紹介します。
2035年まで意外と時間がない
排ガス規制も厳しくなるかも
「2035年まで時間がある」とお考えの貴方。残念ながら、もう一つ大きな問題があります。その名は「排出ガス規制」。この規制をクリアしていないバイクは販売できません。そして、この規制は年々厳しいものとなっているのです。
悲劇の始まりは、1999年のユーロ1と平成11年排出ガス規制でした。ここで80年代の若者に人気の「NSR250R」を始めとする250ccクラスの2ストバイクが絶滅。それとともに、レーサーレプリカ時代が終焉しました。
次にバイク業界に激震を与えたのが2007年のユーロ3と平成18年排出ガス規制。平成11年排出ガス規制値の7~8割減という厳しい要件の上に、測定方法を「暖気モード(暖機後測定)から冷機モード(いきなり測定)」と変更されたことで、細かい燃調設定が難しいキャブ車が世の中から姿を消したのです。
2016年のユーロ4+平成28年排出ガス規制も大きな問題でした。ここで試験方法が国内独自のものから国連で定めたWMTCモードへと変更されたほか、OBD(車載式故障診断装置)の装着義務化が設けられたのです。
現在のユーロ5+令和2年排出ガス規制では、排気ガスはもちろんのこと、灯火類やABS標準装備の規制、OBDステージ2搭載の義務化により、ロングランの名車が消えようとしています。
不幸はいまだ続き、2024年にはより一層厳しい規制となることは想像に難くないユーロ6話がちらほらと。さらに2030年からは欧州でガソリンエンジン車の販売禁止が始まりますから、各メーカーともに一気に電動シフトすることでしょう。
もちろん中古車を購入するという選択肢もありますが、たとえば25年以上前のバイクであるNSR250Rの中古相場は、現行車である「CBR250RR」の新車販売価格を超えてますし、V型4気筒で鈴鹿8耐を席巻した「VFR750R」に至っては400万円近いプライスタグが。これらのバイクに対する想い出や憧れは当然ありますが、ここまで高額になってしまうのなら、修理代や補修パーツの事も考えて、今手に入る新車を、自分の手で愛情こめて育てるのも賢い選択と言えるのではないでしょうか。
誰もがお世話になったかもしれない教習車
「CB400 SUPER FOUR」
スーフォアの愛称で親しまれるHondaのCB400 SUPER FOURは、恐らく多くの方が教習所でお世話になったバイクではないでしょうか。私も始めて跨ったバイクがスーフォアでした。初めて教習所内を30km/h程度で走行した時「バイクを走らせるって、こんなに楽しいんだ」「ウイングマークが俺に新しい翼をくれた」と感動したものです。
その一方で、引き起こしをはじめ重たい車体には何度となく泣かされたのも事実。なんとか卒業検定を通過した時、最初に思ったのは「もうスーフォアに乗らなくていいんだ」という安堵感であったことを正直に告白します。この経験から、カタログを手にして最初に目が行くのは馬力ではなく車体重量となり、バイク選びも約200kgのスーフォアより軽いことが至上命題でした。
こうして軽二輪ということで車検がなく、スーフォアより30kg近く軽量な「CBR250RR」を購入した次第です。もちろん満足していますし、手放す気は現在のところ毛頭ありません。
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