9月24日に発売される「iPad mini」のレビューをお届けする。
コロナ禍において、スマホ以上にニーズが広がったのがPCとタブレットだ。在宅時間が増えたことに加え、コンテンツのデジタル化・ワークスタイルのデジタル化が同時に進展していることが大きいのだろう。
今回のリニューアルがどんな意味を持つのか、実機をチェックしながら改めて考えてみた。
iPadがペン重視になったから「mini」の価値が上がった
miniはなぜ日本で人気なのか? 「サイズが小柄なアジア人に合っていたから」「電車などでの移動が多いから」と言われているが、それはその通りなのだと思う。一方、今回のアップルの発表を見ると、彼らもまた「miniのサイズが必要になってきた」と考えているように思えた。
というのは、「ペン」という機能がiPadにとって重要な軸になっている以上、今の10、11、13というディスプレーのサイズだけではニーズを満たせない、というのは明白だからだ。絵やメモを残すという作業は、持ち歩いて使いたいシーンでのニーズも多い。そうなると、より軽くて片手でどこにでも持っていけるものが欲しい……というのは当然出てくる話である。
ライバルであるサムスンは、スマートフォンを大型化してペン対応にすることでそのニーズを満たした。タブレット市場を席巻しているアップルとしては、「タブレットのサイズを下げる」ことでこのニーズに対応しようと考えたわけだ。
iPhoneがペンに対応しないことの是非はともかくとして、第2世代Apple PencilをつけたiPad miniを持ち歩いてみると、やはり実に「しっくり」来る。Apple Pencilのサイズと本体のサイズが、あつらえたようにピッタリ合っているからだ。
iPadOSの強化も大きい。iPadOS 15ではクイックメモ機能が強化されているのだが、これも、ペンを常にセットで持ち歩きやすい「第2世代Apple Pencil」世代のiPadに向いている。前出のように、iPad miniのサイズには非常に合っているので、サッと取り出してサッとメモする……という使い方に合っている。
特に日本の場合、手書き文字入力の「スクリブル」が、iPadOS 15から「日本語の手書き入力」にも対応していることが大きい。認識精度は100%ではないが、そこはご愛嬌だ。ウェブの検索欄であろうがSNSの書き込み欄であろうが、メモの中であろうが「手書きすれば文字になる」のはやはり便利だと思う。
かばんの中に入れておくことを思うと、Apple Pencilがマグネット式なのは少し不安だが、その場合には、ペンも一緒に収納できるカバーを探してみるのも面白いのではないか。
そういう「より文房具的」な使い方が、このiPad miniには向いている。
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