プロセッサーも5Gも。「最新の仕様」のminiであることが重要
今回のiPad miniが多くの人に好ましいのは、単にデザインが変わったからではないだろう。前出のペンも含め、「今、一番新しいiPadにふさわしい設計で出てきた」ことが大きいはずだ。
ホームボタンがなく、画面が本体サイズ一杯まで広がり、最新のプロセッサーや通信モジュールが乗っている。さすがにプロセッサーやメモリー搭載量、ディスプレー品質ではiPad Proには敵わないが、それ以外の点では「最新仕様」と言っていい。
プロセッサーの「A15 Bionic」は確かに速い。iPhone 13 Proよりクロック周波数が低い、という声もあるが、価格などを考えれば納得できる範囲だ。「Geekbench 5」でチェックしたところ、性能は「2020年のiPad Pro 11インチ」と同等であることが分かった。1年ほど経過しているとはいえ、ビデオ編集・ゲームなどに十分実用的な性能であり、その種のことをするなら、同価格帯のノートPCよりはずっと快適であるのは間違いない。しかも、それで重さは300gしかないのだ。
プロセッサーの世代としては最新だが、コア数の違いもあり、M1に比べると速度差はある。ただこれは、M1搭載製品が皆かなり高価であり、まさに「メインマシン」として使うことを狙っていることを思えば、やはり「狙いが違う製品なので速度レンジも違う」と考えるべきだろう。
5G対応も大きい。5Gのエリア展開が確認でき、スピードも十分であることが分かっている、東京・JR五反田駅でテストを行ったが、下り速度で安定的に285Mbps出ていることが確認できた。これは、5Gスマホである「iPhone 12 Pro Max」の値と同じである。
同時に借りた、4G対応の「第9世代iPad」が下り速度で44Mbpsから50Mbpsだったので、5〜6倍の速度になるわけだ。
現状のiPad miniやiPhoneは5Gの「ミリ波」に対応しておらず、5Gの全力が出ているわけではない。とはいえ、今の日本の環境であれば、これでも十分快適といえる。通信も安定していたので、「鞄の中に入れておいて、5G対応のモバイルWi-Fiルーターがわりに使う」というのもアリだと感じた。
これだけの性能が搭載されていれば、今回のminiは長く使えるはずだ。そのためには、ストレージは64GBよりも256GBを選んでおいた方がいいかもしれない。
まあ、Apple Pencilの購入も含め、そうやって色々追加していくと高くはなってしまうのだが……。
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