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新色ピンクにさらなる強力カメラ! iPhone 13、ASCII徹底大特集 第43回

最新仕様の新「iPad mini」は間違いなく傑作だ

2021年09月22日 22時00分更新

文● 西田 宗千佳 編集●飯島 恵里子/ASCII

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プロセッサーも5Gも。「最新の仕様」のminiであることが重要

 今回のiPad miniが多くの人に好ましいのは、単にデザインが変わったからではないだろう。前出のペンも含め、「今、一番新しいiPadにふさわしい設計で出てきた」ことが大きいはずだ。

 ホームボタンがなく、画面が本体サイズ一杯まで広がり、最新のプロセッサーや通信モジュールが乗っている。さすがにプロセッサーやメモリー搭載量、ディスプレー品質ではiPad Proには敵わないが、それ以外の点では「最新仕様」と言っていい。

 プロセッサーの「A15 Bionic」は確かに速い。iPhone 13 Proよりクロック周波数が低い、という声もあるが、価格などを考えれば納得できる範囲だ。「Geekbench 5」でチェックしたところ、性能は「2020年のiPad Pro 11インチ」と同等であることが分かった。1年ほど経過しているとはいえ、ビデオ編集・ゲームなどに十分実用的な性能であり、その種のことをするなら、同価格帯のノートPCよりはずっと快適であるのは間違いない。しかも、それで重さは300gしかないのだ。

Geekbench 5でのベンチマーク。グラフで示されているように、2020年モデルのiPad Proに匹敵する結果が出ている

 プロセッサーの世代としては最新だが、コア数の違いもあり、M1に比べると速度差はある。ただこれは、M1搭載製品が皆かなり高価であり、まさに「メインマシン」として使うことを狙っていることを思えば、やはり「狙いが違う製品なので速度レンジも違う」と考えるべきだろう。

同じく、M1搭載のiPad Pro(12.9インチ)でテストしてみると、さすがにM1は速かった。価格が倍以上違うだけのことはある

 5G対応も大きい。5Gのエリア展開が確認でき、スピードも十分であることが分かっている、東京・JR五反田駅でテストを行ったが、下り速度で安定的に285Mbps出ていることが確認できた。これは、5Gスマホである「iPhone 12 Pro Max」の値と同じである。

iPad miniでの5G通信の速度。下り285Mbpsがかなり安定して出ていた。これは5G対応のiPhoneと同じ傾向だ

 同時に借りた、4G対応の「第9世代iPad」が下り速度で44Mbpsから50Mbpsだったので、5〜6倍の速度になるわけだ。

4G対応の第9世代iPadを使い、同じ場所でテスト。速度は5Gの5分の1以下になってしまう

 現状のiPad miniやiPhoneは5Gの「ミリ波」に対応しておらず、5Gの全力が出ているわけではない。とはいえ、今の日本の環境であれば、これでも十分快適といえる。通信も安定していたので、「鞄の中に入れておいて、5G対応のモバイルWi-Fiルーターがわりに使う」というのもアリだと感じた。

 これだけの性能が搭載されていれば、今回のminiは長く使えるはずだ。そのためには、ストレージは64GBよりも256GBを選んでおいた方がいいかもしれない。

 まあ、Apple Pencilの購入も含め、そうやって色々追加していくと高くはなってしまうのだが……。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。 得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘」(KADOKAWA)などがある。

 

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