三菱UFJ銀行は2021年9月1日、再生可能エネルギーに投資するファンド創設に向けて、賛同するパートナー企業とともに「Zエナジー株式会社」を設立した。
同社がグローバルベースで培ってきた再エネ分野へのファイナンス実績や案件精査のノウハウ、ネットワークなどのリソースを最大限に活用するという。
本ファンドの事業運営では、再エネ電力を「つくる」ことに加え、再エネ電力の「小売」、三菱UFJフィナンシャル・グループ及びパートナー各社・関係先での再エネ電力需要をきっかけとした再エネ電力を「つかう」までを一気通貫で行い、再エネの普及に貢献していくという。
転機を迎えた再生可能エネルギー市場
持続可能な開発目標(SDGs)で掲げる「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」という目標達成に向けて、世界中の国が再生可能エネルギーへの転換を国策として掲げています。
日本では「再エネ海域利用法」という法律が新たなに施行されるなど、洋上風力発電が注目されています。再生可能エネルギー=太陽光発電というイメージを払拭しましょう。
報道などを見ると市場規模が右肩上がりに感じますが、富士経済が2021年6月24日に発表した調査結果(https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=21061.pdf&nocache)(上図)によれば、再生可能エネルギー市場の向こう15年ほどの市場規模は横ばい傾向です。
内訳では太陽光発電の市場規模が減り、風力発電が伸びていることがわかります。同調査結果によれば、人口減少による需要低下というわけではなく、設備費用などが急速に下がっていくのが原因なので、悲観する必要はないでしょう。
(ASCII FinTech記者 久我 吉史)