どんな病院にするかはプレイヤーしだい!

シュールな病院経営SLG『ツーポイントホスピタル』は、やることが尽きない時間泥棒ゲームだ

2021年09月09日 12時00分更新

文● Zenon/ASCII

やることが多い「時間泥棒」なゲーム

人と設備が足りず、行列ができている場面(急患対応中)。普通にホワイトで有能な病院を目指してもいいし、ブラックな職場をあえて演出して利益の最大化をもくろむのも、すべて自由だ

 文章だと伝わりにくいかもしれないが、本作のプレイはかなり忙しい。その理由は、スタッフや設備に「疲労」や「故障」といったバッドステータスがあったり、治療に失敗した後始末をしなければならなかったりと、プレイヤーが意図しない「小イベント」がそこかしこで発生するためである。

 たとえば、「受付の事務員が勝手にお休みしてて患者の受付が長蛇の列!」という事態はザラ。その場合、代わりの事務員を雇用してローテーションさせたり、少し休んで回復した事務員を「むんずっ」と掴んで強制的に受付に戻したりする必要がある。

受付がいつの間にかがら空きだった状態。病院が狭いうちは目も届きやすいが、だんだん広くなってくると「手を入れる」べき要素が山積みとなり、てんてこ舞いの忙しさになる

医師の数が足りていないのか、総合診察室待ちの患者がごちゃっとした状態に

 そのほか、設備が故障する前に修理させたり、草花に水やりをするよう指示したり、なんか発生した虫をシューティングゲームのようにツブしたりと、やることが本当に多い。

 さらにはスタッフにスキルを習得させるための研修を受けさせたり、急患が舞い込んできたら上手に治療が回るよう、設備や医師を増やしたり、患者を間引いたりと(!?)いろいろなものをコントロールする必要がある。あぁ、本当にやることが多い。

 ……ところで、ここまで「やることが多い」と何度も言ってきたが、それは断じて苦行ではない。むしろプレイヤーとして「やるべきこと」を提示されるのは非常に楽しく、放っておけば何時間でもぶっ続けでプレイし続けてしまう魔力を備えていると言えるだろう。

 そう、本作は形だけ整えて成果が出るのを見守る退屈なゲームではなく、常に能動的に動き続けて次から次へと発生する「やるべきこと」を達成していく、「時間泥棒」なゲームなのだ。

動物がくっついてしまう病気「どうぶつ炎」の治療として、超音波を飛ばしてどうぶつを引っぺがす「動物捕獲室」。やればやるほどこうしたシュールでユニークな病気が現れ、ユーザーを飽きさせないのもポイント

 チュートリアルも兼ねた6つの病院の第1目標をクリアするまでで、3~40時間ほどやっていただろうか。だが冒頭でも触れたとおり、本作は4つの大型DLCを導入した「ジャンボエディション」。まだまだ序の口で、やり込み派なプレイヤーなら、永遠に遊んでいられる中毒性を備えていると感じた。

「ビッグフット」「ペバリー・アイランド」「未知との遭遇」「自然と自給」という4つのシナリオが用意されている。いずれも高難度なようで、メインシナリオで十分知識を得てから始めようと書かれていた

メインメニューから行ける「サンドボックス」モード。病院の形はもちろん、所持現金や登場する病気の種類、気温、さまざまなイベントの有無などを設定し、オリジナルのカスタム病院を経営することができる。本格的なやり込み派もニッコリ

DLCで配信中のソニック関連アイテム。休憩所などをソニック色に染めたり、スタッフを『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のキャラにしたりすることも可能だ

 キミョウキテレツな病気を治す「バカゲー」の要素を持ちながら、「時間泥棒」とも言わしめる中毒性の高い本格病院経営シミュレーションゲーム『ツーポイントホスピタル:ジャンボエディション』(PlayStation 4/Nintendo Switch)。

 おうち時間を楽しく過ごしたい方は、ぜひ本作を手に取ってみてはいかがだろうか。

【ゲーム情報】

タイトル:『ツーポイントホスピタル:ジャンボエディション』
ジャンル:ヘンテコ病院経営シミュレーション
発売・販売:セガ
プラットフォーム:PlayStation 4/Nintendo Switch
発売日:発売中(2021年7月29日)
価格:4488円(パッケージ版/ダウンロード版)
プレイ人数:1人
CERO:C(15歳以上対象)

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