ASUS「ZenBook 13 OLED UX325EA」実機レビュー ! モバイルPCもOLEDが当たり前になった
有機ELディスプレーはさすがの広色域
室内灯下でも綺麗なウェブカメラ
本製品のキーボードは86キーの日本語仕様で、キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.35mm前後。キーストロークを若干浅く思う方もいるかもしれないが、適度な押圧力が与えられており打鍵感は良好だ。個人的に気になったのが、Enterキーの右側に、電源/Home/PgUp/PgDn/Endの各キーが配置されていること。日本語入力で確定時に多用するEnterキーの右側にキーが1列あることは好みが分かれる。ただEnterキー自体の幅が広めなので、使い込めば慣れることは可能だろう。
タッチパッドの面積は実測130×65mmと広め。全体が沈み込むダイビングボード構造のタッチパッドだがストロークが浅めに設計されており、クリック操作する際に指がずれにくい。タッチパッド表面の指の滑りもよく、操作しやすいポインティングデバイスに仕上げられている。
92万画素赤外線(IR)カメラの画質はかなりいい。室内灯下で撮影しても明るく、そして自然な発色で撮影できる。アレイマイクにはAIノイズキャンセリング機能も搭載されているので、テレワーク時のビデオ会議は本機だけで快適にこなせるはずだ。
13.3型フルHD有機ELディスプレーの色域を、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率100%、AdobeRGBカバー率97%、DCI-P3カバー率100%とスペック通りの性能を確認できた。ブルーライト低減モードも搭載されているが、OSのダークモードを活用すれば、目の疲れをさらに緩和できる。
TigerLakeのパフォーマンスをきちんと実現している
最後にパフォーマンスをチェックする。まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」は4908pts、「CINEBENCH R20」は1922pts、「CINEBENCH R15」は892cbとなった。同じく「Core i7-1165G7」を搭載する「ASUS ZenBook Flip S UX371EA」が3539pts、1714pts、810cbだったので、ASUS ZenBook 13 OLED UX325EAは10~38%も速くなっている。
つぎに3Dグラフィックス性能だが、「3DMark」のTime Spyは1755、Fire Strikeは4804、Wild Lifeは12681となった。こちらもASUS ZenBook Flip S UX371EA に比べて、16~20%も速く、Tiger Lakeの性能がしっかり出せるようになっていることがわかる。
ストレージ速度については、「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測を実施したところ、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は1923.25MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は1787.92MB/sという結果になった。PCIe 3.0 x2接続SSD搭載モデルとしては順当な結果と言える。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量2%までという条件で、バッテリーベンチマーク「BBench」を実施したところ、10時間32分44秒動作し、十分なモバイル性能を備えている。さらにディスプレー輝度を下げても実用的な視認性を得られるので、バッテリー駆動時間を延長する余地は十分にある。
画質最優先でスタンダードPCを選ぶなら
ZenBook 13 OLEDは最有力候補
これまで有機ELディスプレーと言えばフラッグシップノートPCの専売特許の感があったが、16万4800円から購入可能な本製品に搭載されたことによって、やっとスタンダードノートPCに降りてきたことになる。
有機ELディスプレーでは焼き付きを心配される方もいるだろうが、特別なスクリーンセーバーを起動する「ピクセルリフレッシュ」、表示されるピクセルをわずかに移動する「ピクセルシフト」などの保護機能「ASUS OLED Care」が用意されているので安心だ。画質最優先でスタンダードPCを選ぶなら、ASUS ZenBook 13 OLED UX325EAは最有力候補である。