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最新パーツ性能チェック 第349回

RTX 3050 Ti搭載で11万円台! MSI「GF63 Thin 10U」の実力を検証する

2021年07月19日 17時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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RTX 3050 Ti搭載で12万円切りの
低価格ゲーミングノート「GF63 Thin 10U」を試す

 PCゲーマーが“ゲーミングPCに求める要件”のハードルは年々上がってきている。少し前までは60fpsで御の字だったものが、今ではフルHDで144fps以上だとか、レイトレーシングやHDRといったプラスαの画質まで視野に入るようになった。当然これらの要件をクリアーしようとすれば、購入予算は天井知らずで上がってゆく。特に最近はハイパワーGPUの値段も上がっているため、なおのことハイエンドを攻めるのは財布に厳しい。

 しかし現実問題として、描画負荷の軽いゲーム(例えば「Rainbow Six Siege」や「Apex Legends」といったもの)で画質をある程度絞れば、“普通に遊べる”ハードで十分、という人もいるだろう。144fps以上を普通と言い切るプレイヤー層も増えているが、あえて60fpsで程良く遊べる環境に注目したい。

 そこで注目したいのがMSI「GF63 Thin 10U」のエントリーモデルである「GF63-10UD-059JP」だ。CPUにインテルの“Comet Lake”世代のモバイルCPU「Core i5-10500H」を、GPUにNVIDIAのモバイル向けGPU「GeForce RTX 3050 Ti」構成ながら、実売11万円台という安さが売りだ。今回はこのGF63-10UD-059JPを簡単ではあるがテストしてみたい。

MSI「GF63-10UD-059JP」は、軽めのゲームを程々の画質で楽しみたい人に最適な15.6インチフルHDゲーミングノートだ。実売価格は12万円弱

今回テストしたGF63-10UD-059JPの主なスペック
ディスプレー 15.6インチ(1920×1080ドット、ノングレア)
CPU インテル「Core i5-10500H」
(6コア/12スレッド、2.5〜4.5GHz)
GPU NVIDIA「GeForce RTX 3050 Ti」(GDDR6 4GB)
メモリー DDR4-2933 8GB×1
(空きスロット×1、最大64GB)
ストレージ SSD 512GB(M.2 NVMe)
無線LAN Wi-Fi 6(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)
Bluetooth Bluetooth 5.1
インターフェース USB 3.2 Gen 1 Type-C ×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A×3、ギガビットLAN×1、HDMI×1、ヘッドホン出力(ハイレゾ対応)、マイク入力
バッテリー 51Whr、4500mAh
バッテリー駆動時間 最大7時間
本体サイズ 359(W)×254(D)×21.7(H)mm
重量 約1.86kg

贅沢ではないが必要な要素は全て搭載

 「GF63 Thin 10U」はCPUや液晶ディスプレーのスペック違いで3モデルが用意されているが、今回レビューするGF63-10UD-059JPはCPUがCore i5(上位はCore i7)、かつ液晶のリフレッシュレートが60Hz(上位は144Hz)のモデルだ。

 CPUはCore i7の方が……と思うかもしれないが、上位モデルとCPUのコア数は変わらず、かつRTX 3050 Tiのパフォーマンスなら144Hzの液晶だと(ゲームによっては)持て余す可能性もあるため、上位モデルとの決定的な差はない。CPUと液晶のコストを抑えていても、SSDに512GB(NVMe M.2)を採用しているなど、ツボはしっかり押さえている。

 メモリー8GBなのでゲーム中は他のアプリを落とすなどの工夫が必要になるが、ライトに楽しむ分には十分。1スロット空いているので必要なら増設するとよいだろう。本機の場合は保証の関係上、購入時にカスタムできるショップで買うことをオススメする。

「CPU-Z」で評価機に搭載されたCPUをチェックしてみた。最新のTiger Lake-Hではないが、6コア/12スレッドで最大4.6GHz動作のCore i5-10500Hを搭載している

「GPU-Z」でRTX 3050 Tiの情報を拾ってみた。VRAMはGDDR6で4GBが搭載されている。“Resizable BAR”も標準で対応済みだ

RTX 3050 Tiの温度上限は87℃を超えないように設計されている

「CrystalDiskinfo」による内蔵SSDの情報。PCI Express Gen3 x4接続のスタンダードなNVMe SSDが採用されているようだ

 全体の構成はごく標準的な15インチ級中型ノートPCといった感じだが、厚さ21.7mm、重さ1.86kgと“程々に軽く移動もしやすい”設計になっている。ゲームを楽しむのはもちろん、搭載されたウェブカメラを利用してテレワークにも活躍するだろう。

 搭載されたGPU(RTX 3050 Ti)は最新のAmpere世代なので、無償で利用できるツール「NVIDIA Broadcast」を組み合わせることで、強力なノイズキャンセルも利用できるなど、ゲーミングノートでありながら仕事にも利用できるポテンシャルを秘めている。

 ただ、GF63 Thin 10U自体がコストを強く意識した製品だけに、搭載インターフェースは必要なものを最小限、といった感じだ。それでも有線LANや左右に配置されたUSB Type-Aポートといった重要な装備は全部載せてある。近年標準装備化しているUSB Type-Cは右側面にのみ実装されているが、これもType-Aと同じ5Gbps動作のUSB 3.2 Gen 1仕様。また、このUSB Type-CポートはDisplayPort Alt Modeには対応していないので、外部ディスプレー出力を使うには背面のHDMIを利用しよう。

左側面はACアダプターとUSB 3.2 Gen 1(5Gbps)のみというシンプルな構成

右側面はギガビットLANにオーディオ入出力、USB Type-Cポートなどを備える。このType-Cポートは純粋なUSB 3.2 Gen 1相当の機能しか持たないため、外部ディスプレー出力やUSB Type-Cの PD対応の充電器で充電することはできない

背面には外部ディスプレー出力用にHDMI端子を搭載

キーボードは、低価格ノートPCだけあって一部キーが隣接キーと合体したJIS配列のものを搭載。文字打ち程度なら問題ないが、ゲームでCtrlやShiftを押しながらWASDキーで移動するような操作はやりにくいので、外付けキーボードはあった方がよい。キーバックライトは赤色のみ(消灯可能)

サウンドにバーチャルサラウンドを追加したり、マイク音声を明瞭化するなどの効果を追加できる「Nahimic」をサウンドのミドルウェアとして搭載している

MSI独自ツールとしてCPUやGPUの負荷などをチェックできる「Dragon Center」をプリインストール済み

CPUのパフォーマンスを4モード(+ユーザー独自モード1)で調整する“ユーザーシナリオ”機能。今回は最もパフォーマンスが期待できる「Extreme」モードで検証している

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