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Apple M1搭載で大幅性能アップの「iPad Pro」&カラフル7色「iMac」特集 第36回

【iPad Pro 2021レビュー】ハードウェアはMacを超えたが、ソフトウェアはまだ届かない

2021年07月10日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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 カメラについては、iPhone 12とほぼ同じデザインも含め、リア(背面)の2眼のものはハードウェア的には旧モデルとほとんど同じと思われる。ただし、おそらくソフトウェアによって、撮影時のオプションの幅が広がっている。たとえば静止画撮影機能では、旧モデルの「写真のスマートHDR」が、「スマートHDR 3」に進化している。また動画撮影機能では、4Kビデオと1080p HDビデオ撮影に25fpsというオプションが加わった。また、これまでは静止画撮影時のみ可能だった「2倍の高額ズームアウト」が、動画撮影時にも可能となっている。また「映画レベルのビデオの手ブレ補正」が、従来からの1080pと720pに加えて4K撮影時に有効になったのは、効果として大きい。また、カメラとは直接関係ないが、動画撮影時のステレオ録音が可能となっているのは、新モデルだけの特長だ。

 一方、フロント(前面)カメラについては、旧モデルの7メガピクセルのものが、新モデルでは12メガピクセルになり、ハードウェア的にもまったく異なるものとなった。それにともない、f値は旧モデルの2.2から2.4となり、わずかながら暗くなっている。とはいえ、それによって実際の撮影品質がが直接の影響を受けるとは考えにくい。実用上はレンズが超広角になって画素数が増加したことにより、新しい「センターフレーム」機能が利用できるなったことのメリットが大きい。これはビデオ通話の際など、超広角のフレームに収まる画像全体を送信するのではなく、被写体が常に中央にくるように、パンやズームを自動的に調整するもの。うまく使えば、iPadを固定して一人だけで撮影していても、専門の撮影者がiPadの向きやズームを操作して被写体を追っているかのような効果が得られる。

 スピーカーやマイクも含め、搭載するセンサー類にはスペック上の大きな変化はない。スピーカーの音質は、旧モデルと比べて特に向上しているようには感じられないが、この薄さからは信じられないような迫力ある音を再生する。ただし、新しいiMacの高音質を知ってしまった耳には、物足りなく感じることは否定できない。もちろん、iMacの方がiPad Proよりも厚みがある(11.5mm)が、iMacに使われたスピーカーの技術を応用すれば、iPad Proの音質も、さらに向上できるのではないかと期待したくなるのが人情というもの。

 バッテリー容量は、36.71Whから40.88Whへ、1割程度アップしている。ただし、すでに述べたように連続使用時の持続時間そのものは変わらない。つまり、それだけ消費電力は増えているわけだ。

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