世界中で5Gサービスの普及が進んでいますが、日本でモバイルルーターのレンタルサービスを展開しているグローバルWiFiが、ついに海外向け5Gルーターのレンタルを始めました。まずはアメリカ本土とハワイ向け。料金は1日あたり2970円(早割り)または3170円(定価)。1週間の滞在となると1万5000円程度かかるものの、ギガビットの高速通信をアメリカでも使うことができるのです。
提供される5GルーターはInseegoの「MiFi M2100」。Inseegoは古くはNovatel Wirelessと聞けば通信モデムで有名な企業であることを覚えている人も多いかもしれません。MiFi M2100はアメリカのVerizon向けに提供されているので、現地の回線もおそらくVerizonと思われます。
海外ではプリペイドSIMカードによる5Gサービスも始まっており、筆者の居住する香港でも約1500円で5GのプリペイドSIMカードを買うことができます。体験談はこちらの記事をどうぞ(5Gが使えるプリペイドSIMが香港でついに発売、約1500円から。
また台湾では旅行者向けの5GプリペイドSIMカードの販売も始まっています。台湾は空港にキャリアのカウンターがあり、到着後すぐにプリペイドSIMカードを買えるというメリットがあります。台湾モバイルの旅行者向け5GプリペイドSIMカードはそれぞれ使い放題で、3日間500台湾ドル(約2000円)、5日間600台湾ドル(約2400円)、7日間800台湾ドル(約31000円)。なおテザリングで使う場合はそれぞれ3GB、5GB、7GBまでとなりますが、価格はかなり安いですね。
海外旅行に行ける日はまだしばらく来ないでしょうが、これだけ長い期間旅行ができないとなると、いざ解禁になった時には真っ先に海外に行きたいと考える人も多いかもしれません。そんな時は現地でもスマートフォンを自由に使えるようにと現地の通信回線の手配は必須です。今では日本のスマートフォンをそのまま海外に持ち出しても、比較的安価に現地の通信回線を使うことができます。またドコモのahamoは基本料金に含まれる20GBをそのまま海外で使うことができます。
とはいえ現地でより高速な5Gを使えるローミング地域はまだ広がっていません。ソフトバンクが韓国で5Gローミングを開始した程度です。また5Gは通信速度も速いと同時に、使うデータ量も増えます。YouTube動画も常に高画質で視聴できますし、スピードテストをすると1回あたり1GB前後を消費します。ahamoを利用して海外で5Gが使えても、20GBではあっという間になくなってしまいそうです。
このように日本のスマートフォンを海外にそのまま持ち出しても、5Gが使えない、使えてもあっというまにデータを使い切ってしまう、という恐れがあります。そうなると現地で5GプリペイドSIMカードを買うのが得策となりますが、今度は現地の5Gの通信方式に対応した5Gスマートフォンが必要になります。なお、これは日本のスマートフォンを海外に持ち出すときも同様です。
現在の5Gは4Gをアンカーバンドとして併用するNSA方式のため、5G通信は実際は「5G NR+4G LTE」で行なわれます。その周波数の組み合わせが適合しないと現地で5Gをつかむことができません。まだ5Gが始まったばかりの黎明期である今は、実際に自分の5Gスマートフォンが海外で利用できるかどうかわからないケースもあるわけです。
このようにまだ5Gの普及が始まった今は、海外で5Gを使いたい場合は現地回線を使うモバイルルーターをレンタルするのが確実かもしれませんね。グローバルWiFiはアメリカに続き中国、香港、台湾、韓国での5Gルーターレンタルを提供予定です。
あるいはいっそのこと、現地で5Gスマートフォンを買うのもいいかもしれませんね。たとえばシャオミの店舗は世界各国にあり、5Gスマートフォンも安価に販売しています。香港では「Redmi Note 10 5G」が1599香港ドル(約2万3000円)で販売されています。現地販売の5Gスマートフォンなら現地のプリペイドSIMを入れて確実に現地5G回線を利用できます。
いずれにせよ、海外に行ける日が来るまではまだ時間がかかるでしょう。それが来年になるかもしれませんが、その頃には海外で5Gを使うことがより容易になっているでしょうね。
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