ソニーのフラッグシップスマートフォン「Xperia 1 III」が香港でも発売になります。ソニーのスマートフォンは「Xperia 1」以降、カメラとディスプレー性能の強化を進めたこと、デジタルカメラのαシリーズやVlogカメラ「ZV-1」人気を背景に、海外市場でも少しずつ注目を集めています。2021年7月6日、新世代Xperiaの3世代目の製品となるXperia 1 IIIの発表会が香港で開催されたので取材しました。
香港ではソニーのデジタルカメラは高い人気を誇っており、新型コロナウィルスの影響で海外旅行に行けない状況の中、休日にはビクトリアピークなど香港内の観光地で写真撮影を楽しむ香港人が増えています。発表会に登壇したソニー香港の松本健太郎氏(Division Managing Director, Hong Kong Marketing Company)も「休日にハイキングしたところ、αユーザーを多く見かけた」と話しており、デジタルカメラ分野でのソニーの存在感は香港で高まっています。
Xperia 1 IIIはこれまでのXperiaスマートフォンの最新モデルというだけではなく、ソニーのデジタルイメージング製品の中の1つと言う位置づけの製品です。他スマートフォンメーカーに真似のできない「スマートフォンユーザーだけではなくカメラユーザーもターゲット」にできる欲張りな製品とも言えるでしょう。
香港で発売されるXperia 1 IIIは日本モデル同様、フロストブラック / フロストグレー / フロストパープルの3色展開となります。メモリーも12GBを搭載。日本モデルとの違いはSIMカードが2枚刺さるDSDV仕様、FeliCaの非搭載など。外観だけではその違いはほとんどわかりません。
香港での発売日と価格は、ストレージ512GBモデルが7月下旬発売予定で9999香港ドル(約14万2500円)、256GBモデルは9月上旬で9299香港ドル(約13万2500円)。ちなみにソニー人気の高い台湾では現時点(2021年7月7日)でまだ発売日と価格は未定であり、香港市場の成長にソニーが期待していることが感じられます。
なお、中華文化圏である香港では「8」の数字が好まれますが、「9999」という数字を価格設定にしたのはあえてプレミア感を高めるためだな、と筆者は感じました。そしてあとから価格のより安い256GBモデルを9月に出すのは、次期新型iPhoneに真っ向から勝負しようという考えがあるのかもしれません。圧倒的にアップルとサムスンが強い香港のスマートフォン市場、ライバル不在のこの時期に高価格なモデルを出し、9月に256GBモデルで再ローンチをするという戦略はソニー香港の攻めの姿勢が感じられます。
さて今回の発表会でソニー香港のXperia 1 IIIにかける意気込みが感じられたシーンがありました。それは日本とリモートで接続し、ライブで開発関係者からの説明とディスカッションが行なわれたことです。発表会は香港時間の13時から開催されましたが、日本との時差は1時間、日本時間で14:30くらいから濱口 努氏、Svardsater Legolas氏、千葉寛之氏がライブで登壇し、それぞれの口から開発経緯などが語られました。筆者もオフライン・オンラインで様々な発表会に参加しますが、やはり関係者の口から話を聞けることは貴重な体験であり、取材にも力が入ります。
発表会後半ではXperia 1 IIIのタッチ&トライのほか、香港のフォトグラファーによる写真撮影の実例デモなどが行なわれました。香港の発表会はメディア参加者は多くても50名程度。和気あいあいとした雰囲気の中、会場のテラスは景色もよくデモ機による撮影もはかどりました。
香港では家電量販店や通信キャリアの店舗でもXperiaの展示が目立つようになりました。スマートフォンであるだけではなく、デジタルカメラの延長として考えらえたカメラを搭載したXperia 1 III、香港でどれだけ注目されるか楽しみです。
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