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DRAMグローバル市場、モバイル需要が売上を押し上げ、2021年第1四半期に、前年同期比30%増の190億米ドル(約2.1兆円)に。

PR TIMES

Counterpoint Technology Market Research Limited
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、DRAMグローバル市場は、2021年第1四半期に売上190億米ドル(約2.1兆円)と、前年同期比では30%成長し、前四半期比で9%躍進したという調査結果を含む最新調査を発表致しました。


オンライン授業やリモートワークが、スマートフォンやラップトップPC用のDRAM需要を大きく押し上げ、前の四半期と比べてビット総量で6%成長し、平均売価(ASP)では3%の上昇となりました。

DRAM市場におけるレベニューランキング | 2021年第1四半期

出典: カウンターポイント社

カウンターポイント社アソシエイトディレクターのBrady Wang氏は、次の通り述べています。
「中国の端末メーカーは、難題を抱えるHuaweiからシェアを奪おうと、第1四半期にスマートフォン出荷を増やした。さらに、高密度のLPDDR4xメモリが2020年下半期に値下がりしたことで、スマートフォンへのDRAM搭載量が増加し、今年になってからは中位~高級スマートフォンは最低6GB搭載が標準になっている。この結果、スマートフォンの平均DRAM容量は2021年第1四半期には5.3GBとなり、前年同期比で21%増、前四半期比でも7%の増加となった。また、サーバーの需要も復調し、新データセンターに設置するCPU向けの需要も一気に増えた。従って、サーバー向けセグメントにおいてもDRAM需要は上昇している。」

Wang氏によると、DRAM業界は既に寡占状態となっており、ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI: 市場の寡占度を表す指数)は3,318となっています。どこか一社が大規模な製造能力増強を行えば、市場の様相が一変し、全体としての収益性が下がるため、今年、主要3社はいずれも先端プロセスノードへの移行に投資しています。そのため、製造能力が減る方向に進み、また、それと同時に、輸送や部品不足の懸念から、端末メーカーは発注を早めに行わざるを得なくなることが予測されます。こうした動きと、パソコン、ゲーム機、サーバーの需要が伸びていることとを合わせて考えれば、今年DRAM不足が起きる可能性があると考えられます。現在のスマートフォン市場は復調しつつありますが、コストの敏感な製品のため、DRAMの価格が急上昇した場合には、スマートフォンのDRAM搭載量の伸びにブレーキがかかる恐れもあります。

DRAMグローバル市場 | 2021年第1四半期

出典: カウンターポイント社


市場における競合状況
DRAM産業は、3社で寡占しており、ビット総量と売上、いずれにおいても3社合わせると全体の約95%になる。

Samsung Electronics
売上79億米ドル(約8,700億円)で、Samsungは2021年第1四半期の市場をリードした。韓国の半導体の巨人はDRAM市場の売上の2/5を占めており、第2位よりも41%以上大きな金額である。SamsungのDRAMのビット総量の伸びは、(1)5G関連でのスマートフォンの急な伸び、(2)データセンターでのサーバー需要の高まり、(3)家庭でのエンタテイメントの普及による4K UHD(ウルトラHD)を視聴するためのテレビやセットトップボックスのメモリ量増加、といった需要を積極的に取り込んだことによる。
カウンターポイント社リサーチアソシエイトのSiddharth Bhatla氏は、1Z nm(10nm級のプロセスはさらに、1X, 1Y, 1Z,1α, 1βと微細化の進展に合わせて世代が分けられている)つまり15nmプロセスが、SamsungのDRAM量産用としては最先端のノードとみている。同社の計画では14nmのノードも2021年下半期には量産を始めることになっている。Samsungは、現在の15nmノードで用いている1層EUV(Extreme UV; 極端紫外線)露光を進化させ、14nmノードを多層EUV露光技術で差別化しようとしている。

SK Hynix
第2位のSK Hynixは2021年第1四半期のDRAM市場で売上の29%以上を占めた。Micronと比較して25%大きな売上である。業界全体の伸びに沿って、同社の売上も前年同期比に28%伸びた。また、ビット総量では前四半期比で4%伸びた。モバイル機器やPCのメモリ需要の急増に応えられたことも要因である。年末までにSK Hynixは(1)1Z nm DRAMの生産増加、(2)1α-EUVノードの開発完了と量産開始を行うべく動きを進めている。

Micron Technology
MicronのDRAM売上は2021年第1四半期に、前年同期比44%の大幅増となった。前の2四半期に続いて、今四半期も3社の中で最も成長が速い。1α DRAMの量産は3社の中で最初に手掛け、DRAM売上に関しては全体の1/4を占める。但し、Micronの1αノードは一世代古いDUV(Deep UV; 遠紫外線)露光を用いており、ひとたびEUV露光による1αノードが市場に出回るようになれば、厳しい価格競争にさらされることになるだろう。


最新調査、分析、プレスリリースに関するご質問等ございましたら、press(at)counterpointresearch.comまでお問い合わせください。


【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/