6月上旬にアップルが開催した世界開発者会議「WWDC21」では、今秋に正式リリースを控える「watchOS 8」がベールを脱いだ。筆者の印象にも強く残ったヘルスケアに関連するトピックの中から、アップルが注力する「マインドフルネス」アプリへのこだわりについてアップルのフィットネス&ヘルステクノロジー担当ディレクターであるジュールズ・アーニー氏に聞いた。
米著名ジャーナリストも実践する「マインドフルネス」とは何か
マインドフルネスとは、いまビジネス界やスポーツ界などで注目されている瞑想法のひとつだ。今年もWWDCはすべての基調講演のプログラムをオンライン開催とした。ABCニュースのジャーナリストであるダン・ハリス氏が自著のタイトルを冠して公開した「Meditation for Fidgety Skeptics」という講演では、ハリス氏が「マインドフルネスとは何か」について、とてもわかりやすくコメントしている。
ハリス氏が説くマインドフルネスとは、「自分の頭と心の中で起こっていることに向き合える能力」であるという。マインドフルネスを実現すると、例えば家族と口論になってしまった時に、怒りにまかせて相手を怒鳴り散らすのではなく、ひと呼吸を置いてから自分の気持ちと向き合い、家族とより幸福な時間を過ごせるように心のバランスを落ち着けてから、よりポジティブな対処が取れるようになる。マインドフルネスの実現とはつまり、“人生の達人”に近づくための能力をひとつ獲得することなのかもしれない。
マインドフルネスは1分/1回以上のトレーニングを、できれば1ヵ月間に25日以上を目標に置いて実践することにより誰もが身に付けえられるのだと、ハリス氏がオンライン講演の中で語っている。
そして次期watchOS 8が搭載するマインドフルネスアプリは、多くのApple Watchユーザーがマインドフルネスを無理なく手軽に実現するための強力なツールとなりそうだ。
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